ノーベル経済学賞受賞について
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/08 07:11 UTC 版)
「シカゴ学派 (経済学)」の記事における「ノーベル経済学賞受賞について」の解説
シカゴ学派は長年に渡り学界の動向を牽引しており、多くのノーベル経済学賞受賞者を輩出した。このようにシカゴ学派の経済学者が多くノーベル賞を受賞している理由として、清水啓典(一橋大学教授)は、シカゴ大学設立以来の伝統である「基礎研究を重んじる学風」を指摘しており、「資金も潤沢、給料も全米トップクラスであるおかげで世界中から優秀な研究者が集まること、雑務が極端に少なく講義さえやれば、何をしていても文句は言われない」など「研究時間が十分持てるよう大学が配慮」していることを挙げている。また、鬼塚雄丞(東京大学教授)は、「地理上の要因も大きい。ノーベル賞はほとんどの場合基礎研究に与えられるが、ハーバードなどワシントンに近い東部の大学の経済学者は政府機関などのアドバイザーになりやすく、純粋な理論研究より現実の政策に関心が向かいがちだ。一方、中西部のシカゴでは時事問題に煩わされないで、基礎研究に没頭できる」と述べている。依田高典(京都大学教授)は、スティグラー、ベッカー、ルーカスのような「生え抜き組」とフリードマン、コースのような「外様組」の「絶妙なミックス」がシカゴ大学の強さを支えていると述べている。一方、トーマス・カリアー (バード・カレッジ研究員) のように、ノーベル賞選考委員が自由市場主義に偏向していたため、自由市場主義的思想を持つ経済学者のみを採用していたシカゴ大学経済学部の学者が不当にノーベル賞を受賞した、と主張する論者もいる。ただし、カリアーが例としてその名を挙げたロナルド・コース、ゲーリー・ベッカーは、選考委員会の公式発表ではそれぞれの受賞理由として「(新古典派が見落としていた)取引費用や財産権の発見」、「市場以外の領域にまでミクロ経済学の分析対象を拡げたこと」とされている。また、第13代理論・計量経済学会会長や第9代一橋大学学長を務めた宮沢健一は、コースが「コースの定理」において自由放任主義的な主張をしたとする解釈を「大きな誤解」と批判している。また、猪木武徳 (大阪大学教授) はベッカーを「保守的なシカゴ学派の旗頭」とする論者に対し、「シカゴ大学に対して保守派の牙城というレッテルを張ることは少し単純にすぎる(中略)つまり同じ大学で議論し、教えたからといって、意見や思想が同じになるとは限らない。思想や学問を安易に分類し、系譜化し、その内容について全く陰影のない理解しか示さない人が時々いるが、虚心坦懐に理論や学説を知るという姿勢は常に必要である。」と指摘している。
※この「ノーベル経済学賞受賞について」の解説は、「シカゴ学派 (経済学)」の解説の一部です。
「ノーベル経済学賞受賞について」を含む「シカゴ学派 (経済学)」の記事については、「シカゴ学派 (経済学)」の概要を参照ください。
ノーベル経済学賞受賞について
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/04 14:55 UTC 版)
「ダニエル・カーネマン」の記事における「ノーベル経済学賞受賞について」の解説
ノーベル経済学賞を受賞したことについて、カーネマンは「心理学者はノーベル賞受賞を喜びはするが、私を特別な存在にするとは思わない」と述べている。
※この「ノーベル経済学賞受賞について」の解説は、「ダニエル・カーネマン」の解説の一部です。
「ノーベル経済学賞受賞について」を含む「ダニエル・カーネマン」の記事については、「ダニエル・カーネマン」の概要を参照ください。
- ノーベル経済学賞受賞についてのページへのリンク