ドム高速実験型
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/09 08:59 UTC 版)
メカニックデザイン企画『MSV-R』で設定された。メカニックデザインは大河原邦男。 ドムの実戦配備と同時に開発が着手されたホバー走行の性能向上型。公国軍上層部の要求項目は、稼働時間を現在の90パーセント以内のまま、最大速度50パーセントのアップと、最大速度到達まで80秒以内という、無理難題といえるものであった。開発チームは、先行していたグフ飛行試験型の開発データをもとに、可動式スタビライザーを装備するジェット推進パックを開発、腰部側面にも推進器を追加している。1号機は第1回のテストで最高速度127パーセントを記録するが、第2回ではバランスを崩し横転、機体は失われる。 続いて製作された2号機ではスタビライザーを0.8メートル延長し、脚部にエアブレーキが追加される。10月から11月頃に北ヨーロッパの山岳地帯で第3回高速ホバー実験がおこなわれ、その様子が連邦軍の偵察部隊によって撮影されている。当時の連邦軍では型式が不明であり、「ドムタイプ0079NEU-SW03」、もしくは「ドム改装タイプ北ヨーロッパ03」と分類仮称されている。最高速度は140パーセントを記録するが、到達時間は115秒と要求項目にはおよんでいない。ヨーロッパ戦線の悪化にともない、同地でのテストは中止されている。 要求項目では火力については触れられていないが、次世代の重MS用に開発されたヒート・ランサーのテストも2号機によっておこなわれている。これは折り畳み機構をもつ大型ヒート・ホークで、対MS戦など白兵戦時の戦闘データをもとに製造される。戦況に応じて長さを変え、対地上戦艦やトーチカにも使用可能である。運用試験ではおおむね良好な結果を残すが、制式採用には至らなかったようだとされる。 開発は中止となり、制式採用されることなく計9機の生産に留まっている。なお、戦後のアフリカ解放戦線で目撃されたデザート迷彩のドムの1機が本機であることが確認されており、本機の存在が広く知られていないことからドム・トロピカルテストタイプと誤認されていたようだとされる。 小説『機動戦士ガンダム MSV-R ザ・トラブルメーカーズ』では、一年戦争終結直後に傭兵のマサ・オーカーが入手し、愛機としている。
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