トルーマン宣言とは? わかりやすく解説

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トルーマン宣言

読み方とるーまんせんげん
【英】: truman declarations

1945 年 9 月 28 日に、米国トルーマン大統領が行った二つの海政策に関する宣言。(1) 大陸棚に関するトルーマン宣言:開発技術の進歩に伴い領海外側海底から石油などの鉱物資源採取することが可能になってきた。そこで米国は、大陸棚沿岸陸地延長であり、その資源領域内資源の延長であるので、自己防衛のためこれらの資源対す活動監視しなればならないことを、この主張理由にする。そして宣言において、公海の下にあるが米国海岸接続する大陸棚地下海底天然資源を、米国属しその管轄権管理服するものと見なすこと、他国との間の大陸棚境界衡平原則に従って決定されること、大陸棚上部水域公海としての法的地位影響与えるものではないことを主張したのである。このトルーマン宣言に示され原則基礎にして、現在の大陸棚制度発展してきたものとみることができる。(2) 保存水域に関するトルーマン宣言:米国沿岸沖の公海漁業について第二次世界大戦の終結に伴い再度外国漁船進出してくる可能性があるため、これまで米国民だけが漁業行ってきた水域については米国が、米国民他国民とが共同して漁業行ってきた水域については他国との協定基づいて保存水域設定して漁業資源保存計るという、米国政策宣言したのである

トルーマン・ドクトリン

(トルーマン宣言 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/29 06:38 UTC 版)

トルーマン・ドクトリン (Truman Doctrine) とは、アメリカ合衆国が「武装少数派、あるいは外圧によって試みられた征服に抵抗している、自由な民族」を支援するとした、当時のアメリカ合衆国大統領ハリー・S・トルーマンによる共産主義封じ込め政策 (Containment) である。

トルーマン大統領は、議会への特別教書演説で1947年3月12日に宣言を行った。それはギリシャ内戦1946年 - 1949年)を始めとする共産主義に抵抗する政府の支援を特に目指した。トルーマンは、もしギリシャトルコが必要とする援助を受けなければヨーロッパの各地で共産主義のドミノ現象が起こるだろうと主張した。

トルーマンは1947年5月22日法律に署名し、トルコとギリシャへの軍事と経済援助で4億ドルを与えた。

歴史的意義

トルーマン・ドクトリンが宣言された背景として、以前からギリシャ内戦に介入してきたイギリスが、その負担の重さからこれ以上介入を続けられなくなったことがある。

まず、アメリカがモンロー宣言以来の孤立主義と訣別し、南北アメリカ大陸以外の諸地域、とくに合衆国が伝統的には距離を置いてきたヨーロッパにも積極的に介入を進めていくという点。そしてそれは即ち、ギリシャ内戦中に英領インド(のちのインドパキスタンバングラデシュなど)を手放すなど斜陽化が進むなかで国際情勢に積極的に介入してきたイギリスに代わり、第二次世界大戦では連合国の盟主を務めたアメリカが世界の紛争に介入するという点、つまり「パックス・ブリタニカ」の終焉と「パックス・アメリカーナ」の到来(同時にそれは東側諸国にとっては「パックス・ソヴィエティカ」であった)。この2点を事実上、世界に宣言したことが、トルーマン・ドクトリンの重要な意義である。

アメリカ国内の保守派の受け止め方は様々であった。伝統主義者はトルーマン・ドクトリンを海外への非介入主義を破るものとして冷ややかに見ていたが、より積極的な反共主義者の中にはトルーマン・ドクトリンを共産圏を封じ込めるだけで過度に追い詰めないものとして批判し、ソ連に対する先制攻撃(予防的戦争)を主張する者もあった[1]

脚注

  1. ^ 中岡望 『アメリカ保守革命』 中央公論新社、pp. 55-62

文献情報

  • 「東西冷戦における米ソコミュニケーションとレトリック」堅田義明(NUCB journal of economics and information science2003-07-01)[1][2]

関連項目


トルーマン宣言

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/30 14:07 UTC 版)

李承晩ライン」の記事における「トルーマン宣言」の解説

1945年9月28日アメリカハリー・S・トルーマン大統領は、「公海一定水域における沿岸漁業に関する大統領宣言」を行った。この宣言は、「アメリカ国民のみが利用していた水域アメリカ統制管理下におくことが適当であり、他国とともに共同利用されてきた水域他国合意され規程により統制管理される」としており、アメリカ資源将来政策述べるにとどまった

※この「トルーマン宣言」の解説は、「李承晩ライン」の解説の一部です。
「トルーマン宣言」を含む「李承晩ライン」の記事については、「李承晩ライン」の概要を参照ください。

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