トヨタ・RV8とは? わかりやすく解説

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トヨタ・RV8

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/08 23:44 UTC 版)

トヨタ・RV8[1]
2017年東京オートサロンで展示されたRV8
概要
製造会社 TRD
生産 1996年-2015年
レイアウト
構成 90° V8
排気量 3.4 L (3,396 cc)
3.7 L (3,695 cc)
2.65–3.7 L (162–226 cu in)
シリンダー内径 93 mm (3.66 in)
ピストン行程 62.5 mm (2.46 in)
68 mm (2.68 in)
ブロック素材 アルミニウム合金
シリンダーヘッド素材 アルミニウム合金
動弁装置 32バルブ, DOHC
燃焼
ターボチャージャー CARTのみ
燃料種別 トタル/シェルガソリン
メタノール (スノコ製、インディエンジン)
オイル系統 ドライサンプ
冷却系統 水冷
出力
出力 512–900 hp (382–671 kW)[2]
トルク 290–354 lb⋅ft (393–480 N⋅m)
時系列
前身 トヨタ・R32V/R36V
後継 トヨタ・H8909

トヨタ・RV8は、トヨタ・レーシング・ディベロップメントが設計、開発、製造したレーシング用のエンジンである。

V型8気筒2.65 Lターボチャージャーと3.0 L、3.4 L自然吸気仕様の3種類のエンジンが存在する。

概要

1996年から2015年までCARTインディカー・シリーズフォーミュラ・ニッポンスーパーフォーミュラ)、SUPER GTスポーツカーレースFIA 世界耐久選手権)などで使用された[3][4][5][6][7][8][9][10]

フォーミュラ・ニッポンとSUPER GTで使用されていたエンジンは、トヨタ・インディV8より派生している[11]

TS030 HYBRID

TS030は、自然吸気ガソリン 3.4リットル (210 cu in) V型8気筒[12]、90°バンク角を搭載し[13]、530馬力 (400 kW; 540 PS) 発生した[12]。トヨタのエンジニアによると、新しいエンジンを開発せず、SUPER GTプロジェクトでのエンジンをベースにすることを選択した[14]。 6速シーケンシャルギアボックスはエンジンに横置きに配置し、ブレーキはカーボン素材で作られていた[13]

トヨタ・レーシング・デベロップメントが製造した電気二重層キャパシタを充電用の運動エネルギー回生システム (KERS、フランス西部自動車クラブ (ACO) はERSという名称) を搭載し[15]、余った電力は後輪に送られ、自動的に300 bhp (220 kW; 300 PS) 馬力が増加し、モータージェネレーターユニットは、ブレーキング時に機能し、ドライブシャフトから直接エネルギーを回収して車を減速し、エネルギーを電気に変換し、キャパシタに蓄えることができる[16]。キャパシタは、日清紡ホールディングスと共同開発し、コクピット内部の助手席の位置に搭載されている[13]。結果的にドライバーがトラックターンを出るときにラップタイムが速くなり、コーナーを出るときにエンジンの使用を減らすことで燃料を節約することができるという[17]。また、電動モーターアイシン、リアパワーユニットをデンソーを選択した[13]

TS040 HYBRID

トヨタ・TS040 HYBRID 3.7L V8ガソリンエンジンとギアボックスの部品の展示

TS030同様90度の角度を持つミッドマウントの自然吸気V8エンジンを使用[18][19][20]ストロークを長くして効率を良くすることで、排気量は3.4 L (210 cu in) から3.7 L (230 cu in) へと増加し[20][21]、後輪に513馬力 (383 kW) を供給した[22]。パワーから効率へのコンセプトの転換を促進する燃料流量計付きで動作するように開発され[21]、ボスに取り付けられた噴射装置は吸気管内にあり、吸気経路に対して角度のついたスロットルバルブの上に配置されており、スロットルランナーのそれぞれと吸気ポートレットに電力を送る8つのソレノイドインジェクターが取り付けられていた。トヨタは信頼性を高めるために、振動を検知するノックコントロールと、レース中の他のエンジンコンポーネント間の点火タイミングの調整用のリアルタイム燃焼圧力センサーを備えた2つのシステムを搭載した[23]

搭載車

トヨタ・RV8J

フォーミュラ・ニッポン/スーパーフォーミュラ

LMP1

SUPER GT(GT300)

CART/インディカー・シリーズ

脚注

  1. ^ Presentation of Toyota V8”. 24h-lemans.com. 2021年11月15日閲覧。
  2. ^ 2014 Toyota TS040 Hybrid Specifications”. 2025年4月28日閲覧。
  3. ^ Toyota Outlines Motorsports Activities for 2007 | Toyota Motor Corporation Official Global Website”. Global.toyota. 2021年11月12日閲覧。
  4. ^ TOYOTA MOTOR CORPORATION GLOBAL WEBSITE | 75 Years of TOYOTA | Products, Technology | History of Toyota's Motor Sports Activities”. Toyota-global.com. 2021年11月12日閲覧。
  5. ^ TOYOTA MOTOR SPORTS”. Toyota.co.jp. 2021年11月12日閲覧。
  6. ^ Toyota's Le Mans engine revealed”. Racecar-engineering.com (2011年1月27日). 2021年11月12日閲覧。
  7. ^ DOHC, 90 degree, V* racing engines.”. TrackForum.org. 2021年11月12日閲覧。
  8. ^ Mulsanne's Corner: Toyota RV8KLM V8”. Mulsannescorner.com. 2021年11月12日閲覧。
  9. ^ Toyota RV8KLM (2011) - Racing Cars”. Tech-racingcars.wikidot.com. 2021年11月12日閲覧。
  10. ^ Swift 017n For Sale (Sold)”. Apexspeed.com. 2021年11月12日閲覧。
  11. ^ About Formula NIPPON” (2021年). 2021年11月13日閲覧。
  12. ^ a b Bowman (2013年2月22日). “Toyota updates Le Mans-ready TS030 hybrid for 2013 season [w/video]”. Autoblog. 2017年4月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年1月29日閲覧。
  13. ^ a b c d Pulman (2012年1月25日). “Toyota TS030 Hybrid (2012) first pics of new Le Mans racer”. Car Magazine. 2016年7月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年1月29日閲覧。
  14. ^ Kim (2012年6月19日). “Insider's Look at the Toyota TS030 Hybrid Le Mans Effort”. Road & Track. 2015年4月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年1月29日閲覧。
  15. ^ Dube (2012年5月30日). “ACO/FIA Announce Hybrid Braking Zones”. Speed Sport Life. 2012年6月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年6月1日閲覧。
  16. ^ Inner workings of the TS030 Hybrid”. Toyota (2013年6月19日). 2017年7月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年4月28日閲覧。
  17. ^ Todorova (2012年6月8日). “Toyota TS030 Hybrid at the Le Mans”. Automobiles Review. 2014年8月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年1月31日閲覧。
  18. ^ Technische Daten des Toyota TS040 Hybrid” (ドイツ語). motorsport-total.com (2015年3月26日). 2018年3月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年3月15日閲覧。
  19. ^ Meiners (2014年3月27日). “Toyota Debuts 988-hp TS040 Hybrid Le Mans Racer, Takes Aim at Porsche and Audi”. Car and Driver. 2018年3月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年3月15日閲覧。
  20. ^ a b Watkins (2014年3月27日). “New Toyota LMP1 WEC car close to 1000bhp”. Autosport. 2018年3月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年3月14日閲覧。
  21. ^ a b Cotton, Andrew (14 June 2019). “The TS dynasty”. Racecar Engineering: 10–11. https://issuu.com/chelseamagazines/docs/raceleman-7-19 2021年6月9日閲覧。. 
  22. ^ Lavrinc, Damon (28 March 2014). “Toyota's New Hybrid Racer is a 1,000 Horsepower Beast”. Wired. 2018年3月19日時点のオリジナルよりアーカイブ. 2018年3月14日閲覧.
  23. ^ Butcher (2022年2月7日). “The mindblowing Toyota Le Mans engine that matched F1 – the TS040”. Motor Sport. 2022年2月7日閲覧。
  24. ^ Eagle 987 Champ Car”. Allamericanracers.com. 2021年11月15日閲覧。
  25. ^ 2002 Toyota RV8F CART engine”. Museumofamericanspeed.com. 2021年11月15日閲覧。
  26. ^ Newman/Hass Toyota-Lola Champ Car”. Media.toyota.co.uk (2004年6月25日). 2021年11月15日閲覧。

関連項目




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