トヨタの参入
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「デュアル・モード・ビークル」の記事における「トヨタの参入」の解説
2008年(平成20年)の洞爺湖サミットに合わせて、トヨタ自動車・日野自動車・富士重工業(トヨタと日野は鉄道車両については未経験であるものの、富士重工業は2003年(平成15年)まで鉄道車両を製造していたため鉄道車両に関するノウハウが残っていた)の協力を得て、第3次試作車(920号車)が製作された。車体はトヨタ・コースターがベースで、シビリアンベースの試作車より定員も増加した。ただしこの920号車はホイールベースが長いため鉄道車両としては走行安定性に難があり、車検を取得しておらず公道を走行できない。また、この車両の登場と同時にDMVの愛称を、進化論を提唱したチャールズ・ダーウィンにちなんだ「Darwin」とし、旧来の日産・シビリアンをベースとした車両も愛称が変更された(サラマンダー901→ダーウィン901)。 次いで、試験用営業DMV車である911・912号車(シビリアンベース)の定員16名から、車体長を7250ミリから8200ミリへ延長し定員28名としたコースターベースの車両(921号車)も登場し、こちらは車検を取得してナンバープレートも交付され、公道走行が可能となった。2008年7月、洞爺湖サミット会場近くのビジターセンター駐車場に仮設線路を設置しての走行や「モード・インターチェンジ」における走行モード変換装置を使っての試乗会が実施された。 2009年(平成21年)11月12日から11月15日には明知鉄道(岐阜県恵那市)で試験運行が行われ、営業運転終了後の深夜に実施した夜間試験走行ではこのコースターベースの921号車を使用し、同市岩村町の岩村駅から明智駅までの線路を鉄道車両として走行、バスの形態で国道363号を岩村駅まで走行した。計測機器を積み込み、線路上での最高速度を変更するなどして一日3往復半から4往復半の試験走行を繰り返し、振動、カーブでの走行、傾斜が強い同鉄道の勾配部分での加減速性能などのデータを計測した。恵那市は「実際の導入を行うためには未確定事項や検討事項がたくさんあり、引き続きの検討が必要」と認識しており、2010年(平成22年)の3月20日から3月23日の昼間時間帯に同じ車両を用いて、岩村駅から明智駅を経由し観光スポットを回るルートなどで実証実験を行った。なお、明知鉄道はバスを運行していないため、バス形態での運行区間は東濃バスが担当した。
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