デジタルカメラによる影響
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/15 22:51 UTC 版)
「リバーサルフィルム」の記事における「デジタルカメラによる影響」の解説
2003年頃より、本格的なデジタル一眼レフカメラの普及が進み、プロ写真家や一眼レフを使うアマチュアカメラマンがデジタルへと移行しつつあるため、リバーサルフィルムの売り上げも減少傾向にある。特にプロカメラマンは顧客から電子媒体の状態での作品提出を指定されることが多くなり、いっそうフィルムの役割は縮小している。 しかし、フィルムならではの表現にこだわるプロ写真家やアマチュアカメラマンが存在するため、一般ユーザー向けがメインのネガフィルムよりも減少傾向は小さい。リバーサルフィルムのシェアの大半を占めるコダックと富士フイルムは、フィルム価格や現像代の値上げをしながらも新製品を投入するなど、事業の継続を強く主張している。しかし、カメラメーカーがフィルムカメラの新規開発に消極的で、写真の主流もデジタルへと移行したため、事業継続のためにラインナップの縮小を行う可能性は高い。 ただし、中判以上のフィルムサイズであれば、スキャンの仕方によって現行デジタルカメラよりも多くの画素数を得ることができ、未だ一定の存在感を示している。 かつて写真の誕生により、絵画が肖像画や百科事典のイラストといった実用的な役割を縮小した後も絵画が芸術として存在し続けているように、フィルム撮影の写真は創作表現の方法、また芸術としての存在意義は失わないはずだと一部の写真家、批評家などにより言われていたが、リバーサルフィルムの代表的存在だったコダクロームやエクタクロームのプロ用フィルムが次々に姿を消す昨今、写真フィルム自体がレコード盤同様に過去の遺物になるのは時間の問題であるとの見方が有力である。 これはフィルムの製造自体が大規模な暗室生産ラインや特殊な化学物質などを必要とするため、ある程度の需要が見込めないと生産を継続するのは困難であること。プロ用フィルムの需要の大半を占めてきたプロカメラマンのほとんどがデジタルカメラに移行したことなどが要因と考えられる。
※この「デジタルカメラによる影響」の解説は、「リバーサルフィルム」の解説の一部です。
「デジタルカメラによる影響」を含む「リバーサルフィルム」の記事については、「リバーサルフィルム」の概要を参照ください。
- デジタルカメラによる影響のページへのリンク