デジタルカメラの影響
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/16 20:02 UTC 版)
「ネガフィルム」の記事における「デジタルカメラの影響」の解説
デジタルカメラの普及が進み始めた2000年頃より、レンズ付きフィルムを中心にネガフィルムの売り上げが減少している。 コニカミノルタは、デジタルカメラでの業績不振も重なり、フィルムおよびカメラを含めたイメージング事業からの撤退を決め、2007年3月をもってフィルムの販売を終了した。 こうした中で富士フイルムは人員削減を含めたリストラ策を行った上で、フィルムの事業を継続することを発表している。同社の2006年1月19日付けの告知にあるように、「写真文化を守り育てることが弊社の使命」であり、「銀塩は保存性・低廉な価格・取扱いの手軽さと現像プリントインフラが整備されている点などでデジタルに勝る優位さもあり、写真の原点とも言える」とし、銀塩写真事業を継続する意思を表明している。コダックもまた2006年1月24日付けの告知で「今後も引き続き、市場に需要がある限り、銀塩フィルム及び印画紙を製造・提供してまいります」と告知し、銀塩写真事業を継続する意思を表明している。また現像プロセスの互換性に問題があるものの、一部意欲的な新規参入メーカーも存在する。 富士フイルムは既にフィルム市場の縮小が進んでいた2006年以降も一般向けコンパクトフィルムカメラ Naturaの新型Natura Classicaや高級コンパクトフィルムカメラKlasseの新型であるKlasse S, Klasse Wを続けて発表した。さらに2008年PMAでは富士フイルムはフィルム中判カメラの新機種の試作機を展示、2009年にGF670(日本国外においてはVoigtlander BessaIII)として限定生産ながらも発売し好評だったことから、なお銀塩写真事業に意欲を持っていると思われる。カメラ雑誌誌上やその他の媒体においてこの新機種の紹介とともに、富士フイルム担当者によっても銀塩写真事業について意欲的なコメントがされていた。また、2009年にはコダックと富士フイルムから相次いで新しいネガフィルム(コダック・エクター100、フジ・プレミアム400)が発売されている。 また、ゼラチンシルバーセッションなど、写真家によって銀塩写真の魅力を伝え、再び広く使われるための試みもなされている。 もっとも、一般ユーザにおける写真撮影の多くはデジタルカメラに移行しつつあり、高画質なデジタルカメラの低価格化と一般への普及も急激に進行している。これらから、フィルムへの根強い支持があるとはいえ、その利用者も写真愛好家や一部のプロ写真家に限定されることは必至とも予測される。 リバーサルフィルムの項目にもデジタルカメラの影響に関しての記述があるので、そちらも参照のこと。
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