セシルローズとジェームソン侵入事件とは? わかりやすく解説

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セシル・ローズとジェームソン侵入事件

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 04:41 UTC 版)

ヴィクトリア (イギリス女王)」の記事における「セシル・ローズとジェームソン侵入事件」の解説

ケープ植民地では1890年よりセシル・ローズ首相務めていた。彼はトランスヴァール共和国北方ローデシア呼ばれるイギリス植民地作り最大規模イギリス勅許状会社南アフリカ会社創設した男だった。1894年にはアパルトヘイト萌芽ともいうべき「グレン・グレイ法」を可決させて原住民黒人に対して年に一回上の居住区外での労働強制し、また居住区隔離行ったヴィクトリア謁見した際に最近何をしていたのか下問されると「陛下御料地属州二つ追加しておりました」と大真面目述べるような強烈な帝国主義者だった。 ローズには北アフリカのエジプト・カイロと南アフリカケープ植民地鉄道繋いでアフリカ大陸縦断する大英帝国通商路を建設するという壮大な計画があった。だがこの計画に邪魔なのは反英的なボーア人国家トランスヴァール共和国であったトランスヴァール隣接するポルトガル領モザンビークの港と鉄道通じており、英国領土通商路に使う必要がない国だった。折しもトランスヴァール共和国ウィットウォーターズランド金鉱発掘されヨハネスブルグの町が建設されトランスヴァール共和国潤い始めていた。ローズウィットウォーターズランド金鉱を奪うべきことをヴィクトリア上奏していた。だがイギリス本国政府1890年代入って白人国家に対して露骨な帝国主義を行う気にはなれず、トランスヴァール共和国に対して弱腰だった。 1895年末から1896年初頭にかけてローズ友人である南アフリカ会社ローデシア行政官レアンダー・スター・ジェームソン(英語版)は、ヨハネスブルク在留イギリス人内乱準備連携して500名ほどの南アフリカ会社所属騎馬警察隊を率いて突然トランスヴァール共和国侵入開始したが、計画あまりに杜撰すぎて早々にボーア人民兵隊に包囲され降伏したヨハネスブルク在留イギリス人たちの反乱もまもなく鎮圧された(ジェームソン侵入事件英語版))。この事件イギリス本国植民ジョゼフ・チェンバレン後押ししていたものと見られるが、イギリス本国政府は公式にはこのジェームソン行動批判することで関与否定しセシル・ローズも「20年来の友人にこんな事件起こされ破滅させられるとは」と語って無関係装ったが、彼は植民省のスケープゴートとして本国査問委員会から弾劾受けて退任余儀なくされた。ドイツ皇帝ヴィルヘルム2世トランスヴァール共和国大統領ポール・クリューガー宛てて祝電送っている。 だがイギリス国民世論ローズジェームソンたちの行動称賛しており、『タイムズ』紙をはじめとするマスコミ各紙トランスヴァール祝電送ったヴィルヘルム2世ドイツ批判する論説載せたヴィクトリアもこの事件には複雑な思いでおり、とりあえ祝電送ったヴィルヘルム2世に対して「貴方がいつも多大な愛情捧げ、また手本にしていると言ってくれている祖母より」との書き出しで「貴方の書状に深い悲しみ覚えます。この行為イギリスへ敵対行為看做されます。私は貴方の意思行われた行為ではないと信じていますが、英国民に非常に悪い印象与えたいわざるをえません」とする忠告文を送った結局イギリス政府処罰を行う事を条件トランスヴァール共和国ジェームソンらを釈放した。これを聞いたヴィクトリアクリューガー大統領に「貴方の寛大な処置南アフリカ平和に寄与するでしょう」というメッセージ送っている。 セシル・ローズ肖像画 植民ジョゼフ・チェンバレン トランスヴァール共和国侵入するレアンダー・スター・ジェームソンらイギリス人たちを描いた絵。

※この「セシル・ローズとジェームソン侵入事件」の解説は、「ヴィクトリア (イギリス女王)」の解説の一部です。
「セシル・ローズとジェームソン侵入事件」を含む「ヴィクトリア (イギリス女王)」の記事については、「ヴィクトリア (イギリス女王)」の概要を参照ください。

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