ジクストゥス事件とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > ジクストゥス事件の意味・解説 

ジクストゥス事件

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/07 04:29 UTC 版)

カール1世 (オーストリア皇帝)」の記事における「ジクストゥス事件」の解説

詳細は「シクストゥス事件」を参照 1917年3月23日夜、カールラクセンブルク城において、皇后ツィタ二人の兄パルマ公子ジクストゥスとグザヴィエ公子密談したカールが彼らと密談した理由は、あくまで勝利のみを追求する同盟国ドイツ抜きに、オーストリア=ハンガリー帝国英仏との単独講和締結するためであったドイツ帝国はまだしも、オーストリア=ハンガリー帝国食糧事情は深刻で、もはや戦争続行できるほどの国力残っていなかったのであるカール前線兵士窮乏生活に忍従している国民のことを気をかけており、証言によれば戦場訪問した際にカール思い余って落涙したことが何度もあるという。また、ある写真家の前で「誰もこのようなことを神の御前申し開きすることはできないできるだけ早くこれを終わらせなければ」と涙を流しながら述べたこともある。早期戦争終結させたいという思いからカール単独講和試みたのだが、彼らに渡したこの時の手紙が、かえってヨーロッパ中を騒然とさせることになる。 ベルギー復興支援 アドリア海への通行権伴ったセルビア王国独立保証 ロシア皇帝ニコライ2世退位後サンクトペテルブルク状況明確になった時点での、コンスタンティノープルロシアへ割譲賛成 手紙上記のような内容で、さらに次のように明記してあった。 朕はジクストゥスを通してフランス大統領レイモン・ポアンカレ氏に内密に通告する同盟国皇帝として、(ドイツ帝国領)アルザス=ロレーヌ地域フランスへの返還は正当であると認めあらゆる手段行使して、これを支援する考えである。 フランス政府は、パルマ公子を仲介役としてのオーストリア=ハンガリー帝国との単独講和を、フランツ・ヨーゼフ1世存命時から画策していた。パルマ公子に皇位継承者カール接触させようフランス政府考えていたが、当時カールには何の権限もなかったために計画のみ終わったカール即位すると、フランスパルマ公子に交渉の開始促した。つまりこの単独講和交渉は、フランスオーストリア=ハンガリー思惑一致してのものであった。 しかし、1918年フランス首相クレマンソーがこの秘密交渉暴露してしまった。当初カール手紙書いたこと自体否定し次にその手紙の存在認めつつ「フランス正統返還要求支援」については記述がなかったと言ったドイツ軍部はこのカール秘密交渉激怒し、またオーストリア=ハンガリーでは虚偽発言重ねカールのせいで帝室信望失墜した皇帝夫妻同盟国ドイツ裏切ってその領土割譲させようとしたことは、多くドイツ民族主義者憤慨を招くことになった。この皇帝失態好機見た反君主制活動家プロパガンダ広まり敵国イタリアフランス双方ルーツを持つブルボン=パルマ家出身皇后ツィタ非難する声も高まった大戦参戦した国家の責任者の中で、オーストリアカール皇帝だけが品位のある人物であったが、誰も彼に耳を貸そうとはしなかった。彼は心から平和を願っていたが、そのためにみんなから軽蔑されたのだ。こうして唯一無二チャンス失われてしまった。 — 批評家アナトール・フランス

※この「ジクストゥス事件」の解説は、「カール1世 (オーストリア皇帝)」の解説の一部です。
「ジクストゥス事件」を含む「カール1世 (オーストリア皇帝)」の記事については、「カール1世 (オーストリア皇帝)」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「ジクストゥス事件」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ジクストゥス事件」の関連用語

ジクストゥス事件のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ジクストゥス事件のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのカール1世 (オーストリア皇帝) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS