シネセゾン
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種類 | 株式会社 |
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本社所在地 | 東京都千代田区麹町3-7-1 半蔵門村山ビル1階 |
設立 | 1984年2月1日[1] |
業種 | サービス業 |
資本金 | 6000万円[1] |
株式会社シネセゾン(Cine Saison CO.,LTD)は、かつて存在した日本の映画配給会社。セゾングループの基幹企業であった西武百貨店、西友、パルコにより1984年2月1日に設立された。
概要
1981年12月のドライブインシアター(西友小手指店)、1983年11月のシネ・ヴィヴァン・六本木(六本木WAVE)のオープンを契機として始まったセゾングループの映像ビジネスを統合するため、1984年3月のキネカ大森(ams西武大森店)オープンと時を同じくして、設立され、サンシャイン60に事務所を開設した[1]。設立時の役員には、代表取締役社長に冨田道彦(西友)[1]、役員に谷島茂之(西友)、高橋熙明(西武百貨店)、増田通二(パルコ)、堤康二(堤清二の長男)が就いた。主としてセゾングループの映画館に映画を供給する業務を行い、1985年5月にはセゾングループ第1作『火まつり』を公開[1]。その後、映画製作は西友の映画製作事業部に移管した[1]。
1985年3月にキネカ筑波(筑波西武)、同年11月にはシネセゾン渋谷(渋谷プライム)がオープンし、セゾングループの映画館網の広がりにあわせて、1986年から外国映画の輸入を開始し、1988年度には『デ ジャ ヴュ』『さよなら子供たち』『バベットの晩餐会』が相次いでヒット[1]。ヨーロッパ・クラシック及び、ニューヨーク・インデューズ作品を軸に150タイトルを越える作品を配給していった。1998年6月にその活動を終えたが、最後の配給作品はパスカル・フェラン監督の『a.b.c.の可能性』であった。
世界各国からの仕入れ・買付けを通じて、シネセゾンおよびグループ内映画館での各国映画祭(不定期開催)を企画し[1]、「ポーランドシネマウィーク」(1984年)、「イタリア映画祭」(1986年)、「キューバ映画祭」(1989年)[2]、「パラジャーノフ祭」(1991年)、「カサヴェテス・コレクション」(1996年)などを開催している。
本社所在地
発足時は、セゾングループの本部機能が集中していた東池袋のサンシャイン60に本社を置いた[1]。
1989年10月、事務所を京橋のアサコ京橋ビルに移転[2]。翌年2月末には、同ビル地下1階に客席42席の「シネセゾン試写室」を開設した[2]。試写室は、シネセゾン終了後の1990年代末から東京テアトルの関連会社メディアボックスが運営する「メディアボックス試写室」となるが、2007年には東京テアトルの直営に変更し、「京橋テアトル試写室」となった。
1990年代中期に、本社を麹町の半蔵門村山ビル1階に再度移転。シネセゾンが活動を終えるまで所在した。なお、同ビルには関連会社の西友の映画、放送、文化教室、庭園施設などの文化・メディア事業の本部も置かれていた。
主な配給作品
1980年代
- 三人の女(監督:ロバート・アルトマン)※1977年度カンヌ国際映画祭主演女優賞
- 火まつり(監督:柳町光男)
- 星くず兄弟の伝説(監督:手塚眞)
- そして船はゆく(監督:フェデリコ・フェリーニ)
- 白い町で(監督:アラン・タネール)
- チューズ・ミー(監督:アラン・ルドルフ)
- ある女の存在証明(監督:ミケランジェロ・アントニオーニ)
- 喝采の陰で(監督:アーサー・ミラー)
- サブウェイ(監督:リュック・ベッソン)
- 夢みるように眠りたい(監督:林海象)
- シー・ガッタ・ハヴ・イット(監督:スパイク・リー)
- 溝の中の月(監督:ジャン=ジャック・ベネックス)
- 緑の光線(監督:エリック・ロメール)※1986年ヴェネチア国際映画祭金獅子賞
- ラヴ・ストリームス(監督:ジョン・カサヴェテス)※1984年ベルリン国際映画祭グランプリ
- 狂気の愛(監督:アンジェイ・ズラウスキー)
- デ ジャ ヴュ(監督:ダニエル・シュミット)
- 童年往事 時の流れ(監督:侯孝賢)
- ドグラ・マグラ(監督:松本俊夫)
- インテルビスタ(監督:フェデリコ・フェリーニ)
- 月の出をまって(監督:ジル・ゴッドミロー)
- マカロニ(監督:エットーレ・スコラ)
- さよなら子供たち(監督:ルイ・マル)※1987年ヴェネチア国際映画祭金獅子賞
- バベットの晩餐会(監督:ガブリエル・アクセル)※1987年米アカデミー賞外国映画賞
- アトランティック・シティ(監督:ルイ・マル)
- マダム・スザーツカ(監督:ジョン・シュレシンジャー)
- 友達(監督:シェル・オーケ・アンデション/原作:安部公房)
1990年代
- 五月のミル(監督:ルイ・マル)
- 獅子座(監督:エリック・ロメール)
- 真夜中の虹(監督:アキ・カウリスマキ)
- ローズヒルの女(監督:アラン・タネール)
- 蠅の王(監督:ハリー・フック)
- バタアシ金魚(監督:松岡錠司)
- イカレたロミオに泣き虫ジュリエット(監督:アンニャ・フランケ、ダニー・レヴィ)
- 達磨はなぜ東へ行ったのか(監督:ペ・ヨンギュン)
- アメリカから来た男(監督:アレッサンドロ・ダラトリ)
- ラヴィ・ド・ボエーム(監督:アキ・カウリスマキ)
- 冬物語(監督:エリック・ロメール)
- 歌姫カルメーラ(監督:カルロス・サウラ)
- 地球交響曲 ガイアシンフォニー(監督:龍村仁)
- ウルガ(監督:ニキータ・ミハルコフ)
- アシクケリブ(監督:セルゲイ・パラジャーノフ)
- ダメージ(監督:ルイ・マル)
- こわれゆく女(監督:ジョン・カサヴェテス)
- 季節のはざまで(監督:ダニエル・シュミット)
- ゲンセンカン主人(監督:石井輝男)
- 青い青い海(監督:ボリス・バルネット)
- 戦争と平和(監督:セルゲイ・ボンダルチュク)
- レニングラード・カウボーイズ、モーゼに会う(監督:アキ・カウリスマキ)
- ギルバート・グレイプ(監督:ラッセ・ハルストレム)
- 木と市長と文化会館/または七つの偶然(監督:エリック・ロメール)
- パリのランデブー(監督:エリック・ロメール)
- Focus(監督:井坂聡)
- 月とキャベツ(監督:篠原哲雄)
- 私は20歳(監督:マルレン・フツィエフ)
- 白い馬 ЦАГААН МОРЬ(監督:椎名誠)
- ミルドレッド(監督:ニック・カサヴェテス)
- ファーゴ(監督:ジョエル・コーエン)
- しずかなあやしい午後に (監督:太田和彦、和田誠、椎名誠)
- 未来は今(監督:ジョエル・コーエン)
- a.b.c.の可能性(監督:パスカル・フェラン)
協力した主な映画祭
- フランス新作映画祭 - 1984年9月、シネ・ヴィヴァン・六本木を会場に開催。
- イタリア映画祭 - 1986年9月、イタリア映画産業協会、テレビ東京が主催。シネ・ヴィヴァン・六本木、シネセゾン渋谷、キネカ大森、スタジオ200、スタジオAmsを会場に開催。「マカロニ」など12作品が紹介。ジュリアーノ・ジェンマなどが来日。
- 北欧映画祭 - 1987年11月、シネ・ヴィヴァン・六本木などを会場に開催。
- キューバ映画祭'89 - 1989年8月、シードホール、キネカ大森を会場に開催。西友が主催、国際シネマ・ライブラリーと共に協力した。
- ソビエト映画祭'90 - 1990年4月に銀座テアトル西友 、キネカ錦糸町にて開催。
- 新ラテンアメリカ映画祭'90 - 1990年10月に銀座テアトル西友、キネカ錦糸町にて開催。ガルシア・マルケスなどが来日。
脚注
参考文献
- 『Cine Saison 1984-1998』」シネセゾン、1998年刊行。
- セゾングループ史編纂委員会 編『セゾンの活動 年表・資料集』リブロポート〈Serie SAISON 3〉、1991年11月。ISBN 978-4845706266。
関連項目
- シネセゾンのページへのリンク