システムへの入力
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/12 08:25 UTC 版)
「自衛艦隊指揮支援システム」の記事における「システムへの入力」の解説
作戦部隊からの情報は電報という形で入ってくるため、SFシステムはまず通信系の中枢となっている電交システムと連接することとされた。これにあわせて、コンピュータ処理に対応した電報の様式として、アメリカ海軍のRAINBOWシステムを参考にしてMERES(Message Reporting Format for SF system)が制定された。これに伴って電報の内容は文章ではなく、英文字・数字・記号を主体としたフォーマット化された様式に変わるため、一見して容易に内容を理解できるものではなくなり、電報の起案・着信時の手間が増えることになった。SFシステムが導入されても艦艇部隊には直接の恩恵はないにも関わらず、このように負担ばかり増大するうえに、SFシステムの予算請求時に「通信関係部門には迷惑をかけない」と説明されていたこともあって、当初は疑問や反発の声も強かったが、1973年8月にCCS幹事室と海幕通信課とで話し合いが持たれ、過去のいきさつにはこだわらずに以後は密接に連携していくことが確認されたことで、通信関係の課題は急速に解決されていった。 従来、自衛艦隊司令部に防空に関する情報が入電した際には、緊急電報によって海自全部隊に対して防空警報を発信していたが、防空情報の多くがBADGEシステムから入電していたこともあって、SFシステムの稼働開始とともに、これをシステムに組み込むことが検討されるようになった。しかしBADGEシステムについては日米間の特別協定があり、SFシステムとの連接には米国の了解を得て協定の改訂が必要であるほか、BADGEシステムとSFシステムの目標位置データ方式は全く異なるためデータの変換が必要となり、またBADGEシステムの目標情報量は極めて膨大であり、SFシステム側のコンピュータ性能の面から、このデータをすべて取り入れることは困難であった。その後、府中基地の作戦室のスクリーンの下の隅にミニコンピュータを置いて、毎分1回データをSFシステムに送ることとなった。
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