セントラル・エア・データ・コンピュータとは? わかりやすく解説

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セントラル・エア・データ・コンピュータ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/01/05 05:10 UTC 版)

MP944はF-14戦闘機の主翼の後退角と飛行制御のために使用された。

セントラル・エア・データ・コンピュータ (Central Air Data Computer) は、アメリカ海軍の初期のF-14戦闘機で使用されたエア・データ・コンピュータである。特筆すべきは専用設計のMOS型半導体で構成される大規模集積回路マイクロプロセッサであるMP944を使用した事である [1]

CADCはSteve Gellerと Ray Holtが主導するギャレット・エアリサーチ英語版社のチームと創業間もないアメリカン・セミコンダクターズの協力によって設計、製造された。設計作業は1968年に開始され、1970年6月に完了し、同様の目的でF-14用に設計された複数の電気機械システムが不要になった。

CADCはAD変換機と複数の水晶圧力センサーとMOS型のマイクロプロセッサで構成されていた。システムへの入力には飛行制御、複数のスイッチ、静圧、動圧(失速点と航空機の速度を計算するため)と温度が含まれていた。出力は飛行制御と主翼の後退角、F-14の前縁「グローブ」とフラップの制御だった。

MP944はCADCのマイクロプロセッサのために使用される6個の集積回路から構成され、全て2の補数方式の20ビット固定小数点数を基本にしていた。 これらは並列乗算ユニット(PMU)、並列除算ユニット(PDU)、ランダムアクセスストレージ(RAS)、リードオンリーメモリー(ROM)、専用論理機能(SLF)とステアリングロジックユニット(SLU)から構成された。完全なマイクロプロセッサシステムは1個のPMU、1個のPDU、1個のSLF、3個のRAS、3個のSLU、19個のROMを使用した。

Holtは1971年にCADCに関するComputer Design誌の記事[2]を執筆したが、海軍の機密指定が解除されたのは1998年になってからだった。この理由によりCADC と MP944は歴史的に重要であるにもかかわらず正当な評価を受けなかった。

1970年代当時、大半のプロセッサは8ビット以下のアーキテクチャだった。1971年、Intel 4004はわずか4ビットで最大740 kHz; 1972年のIntel 8008は最大500 kHz で8-bit ワードだった。そのため、初期のマイクロプロセッサは1970年の F-14 トムキャットの375 kHz とワードサイズ 20-bit のMP944よりも大幅に遅かった[3][4]

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