サヴァ湖
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/16 17:20 UTC 版)
サヴァ湖(セルビア語:Савско језеро / Savsko Jezero)は、1967年にサヴァ川の右分流の両端をせき止め、本流から切り離して形成された人造湖であり、口語的には島とともにひとまとめにアダ、あるいはアダ・ツィガンリヤと呼ばれる。湖は長さが4.2キロメートル、幅が200メートルほどあり、水深は4メートルから6メートルほどである。水域の面積は0.8平方キロメートル、水面の高さは海抜78メートルであり、ベオグラードで最も低い土地のひとつである。湖の両岸7キロメートルにわたって砂利の浜が形成された。夏期の水温は摂氏24度程度となる。 湖をサヴァ川から隔てる両端の堤防は、導水管やポンプによって水が通れるようになっている。湖は西端近くの堤防によって更に東西2つに分けられているが、この堤防も同様に水を通すようになっている。この堤防の西側の小さな湖はタロジュニク(Taložnik、一時保管庫)と呼ばれており、サヴァ川から流れこむ水を浄化する働きをしている。沈殿・濾過によって浄化された水は、ポンプによってサヴァ湖の主部である東側の湖に流れ込む他、ベオグラードの水道局にも供給され、市の水源を担っている。また、サヴァ湖の東端では、湖から下流側のチュカリツァ湾へと電動式のポンプで排水されている。これによって湖の水は上流から下流へと流れる仕組みとなっている。湖の水はベオグラードの水道システムへも供給されているため、湖の保全は市民生活にとって不可欠なものとして厳しく保護されている。湖底には藻が生やしてあり、リンや窒素、汚泥を除去する働きをしている。モーターボートの使用も厳重に禁じられており、浜へのイヌの立ち入りも規制されている。 湖の中の生態系は、主に人工的に放流された魚類によって形作られている。湖に住む代表的な魚はハクレン、ソウギョなどであるが、大きなナマズが見つかることもあり、市民らを驚かせたため、これらが安全であるとの声明が発表された。2008年には淡水に住むマミズクラゲが見つかり、関心の的となっている 。マミズクラゲは小さくて透明な毒の弱いクラゲであり、ポリプとして成長した後にクラゲへと姿を変える。市は、この小さなクラゲは無害であり、20年以上にわたって湖に住んでいるとした。
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