サラディンの施政とその人となりとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > サラディンの施政とその人となりの意味・解説 

サラディンの施政とその人となり

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/26 06:00 UTC 版)

サラーフッディーン」の記事における「サラディンの施政とその人となり」の解説

若年時から文武共に誉れ高く出世して職責が高まるとともに贅沢を辞めるなど、機を読むことに長けていた。当時イスラーム君主の常として少年愛したことでも知られている。 かつてエルサレム占領した第1回十字軍捕虜皆殺しし、また第3回十字軍指揮したリチャード1世身代金未払い理由同様の虐殺行った。しかし、サラディンは敵の捕虜身代金有無関わらず全員助けている。彼は軍事天才であるが、このような寛大な一面もあって、敵味方問わずその人格は愛され、現在まで英雄としてその名を残しているのである捕虜助けたに関して次のような逸話がある。サラディン身代金支払わない捕虜の扱い困っていると、彼の弟(後に4代目スルタンとなったアル=アーディル)が捕虜を少し自分分け与えるよう進言した。サラディンは訳を訊ねるが弟は答えず彼の言う通り捕虜与えてやった。すると、弟は自分の物だからと言って全て解放してやり、こうするのが良いのだと兄に言った。喜ぶ兵士たちの姿を見たサラディン捕虜殺さないことを決心したという。また、病床にあるリチャード1世見舞いの品を贈る等、敵に対して懐の深さ見せている。 その寛容さ名声高めたが、しばしば不利益となって現れた。行軍の際に、途中で立ち寄った村人たち軍事費一部分け与えていたため、彼の兵士多く軍事費自腹用意しなければならないであったという。私財も常にそのように用いたため、サラディン遺産自身葬儀代にもならなかった。また、ハッティンの戦いティール追い込んだ守将バリアン対し当初武装解除条件脱出許可していたが、書簡エルサレム指揮権請われるとこれを認めて入城させ、エルサレム攻略戦での苦戦招いている。 上記のような寛容逸話が多いが、無条件に甘い人物というわけではなく、中でも度々休戦協定破って隊商襲ったルノー・ド・シャティヨン対す怒り大きかったハッティンの戦いルノー捕らえた際、彼と配下騎士団員一人残らず処刑している。前述の弟の寛容さに関しても必ずしも同意ではなくアッコンで捕えた聖職者自分無断解放した際には罰を与えている。 中世ドイツ詩人君主求めた徳は、勇敢さ気前良さ物惜しみをしないこと)であるが、サラディン気前良さ君主目標とされた。ドイツ中世盛期詩人ヴァルター・フォン・デア・フォーゲルヴァイデは、1198年9月8日マインツドイツ王として戴冠したフィリップ・フォン・シュヴァーベンに向かって、王たる者はサラディン手本に「快く施しを」すべきと説き、「王の手は孔だらけでなければならぬ」、「かくしてその手畏れられ又愛されることだろう」というサラディン言葉引用している。 ヨーロッパ文学における「高貴な異教徒」のイメージ中世ドイツ文学では、ヴォルフラム・フォン・エッシェンバッハの『ヴィレハルム』において、愛す貴婦人のために戦う異教徒騎士)を決定づけたのは、残酷な宗教としてとらえるヨーロッパイスラム像に当てはまらないサラディン行動例えば、1187年 エルサレム占領時)である。

※この「サラディンの施政とその人となり」の解説は、「サラーフッディーン」の解説の一部です。
「サラディンの施政とその人となり」を含む「サラーフッディーン」の記事については、「サラーフッディーン」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「サラディンの施政とその人となり」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

サラディンの施政とその人となりのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



サラディンの施政とその人となりのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのサラーフッディーン (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS