サハ3360形
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/12 10:21 UTC 版)
「東急3000系電車 (初代)」の記事における「サハ3360形」の解説
東横線系統および帝都線(現・京王電鉄井の頭線)の戦災復旧車を1954年から1963年にかけて付随車として車体更新したもので、6両が在籍していたが種車は3グループに分けられていた。 サハ3361・3362号:デハ3150・3200形の戦災復旧車クハ3220形の3222・3224号の更新車。車体製造は東急横浜製作所で、台車は3150・3200形の川車製弓形イコライザー式。同様の復旧車3221・3223はデハ3550形の3551・3552号として更新している。 サハ3363・3364号:デハ3300形の戦災復旧車クハ3230形(3231・3232)の更新車で、車体製造は東横車輛碑文谷工場。台車は省型TR10であった。 サハ3365・3366号:帝都線からの転入車クハ1550形(1554・1553)の更新車。車体製造は東横車輛碑文谷工場。台車は日車D18であった。 車体形状は3361 - 3363がデハ3650型に合わせたウィンドウシル・ヘッダー付き切妻・広幅貫通路・半鋼製の車体で、本車の登場によって、ようやくデハ3650形の広幅貫通路が活用され、以後1989年の廃車まで編成は全く変わらなかった。 3364 - 3366は狭幅貫通路を持ち、ノーシル・ノーヘッダー・アルミサッシのいわゆる全金属製東急標準車体であるが、更新車体の製造時期が各車離れており、3364は切妻でベンチレータが2列、ランボード付き。3365は切妻だがガーランドベンチレータ6個でランボードなし。3366は丸屋根平妻でベンチレータ5個である。デハ3450形、デハ3500形と組んで使用された。 固定編成車の電源集中化に伴い、サハ3370形・サハ3251とともに東芝CLG319形電動発電機が搭載された。 D18台車はサハ3365・3366が東急唯一であり、予備品捻出のため1975年、廃車解体されたデハ3300形3311の台車がサハ3366に転用された。とはいえ形式全体での雑多さは解消されず、平軸受でもあったことから、1981年にデハ3450形の廃車開始に伴い、全車3450形発生品の川車製台車に交換された。客用扉はそれ以前にすべてステンレス製の小窓のものに取り替えられている。 サハ3361 - 3363の各車は当初、一度更新が行われたことを理由に早期廃車が予定され、このためデハ3650形偶数車は制御車連結を前提に、更新時に前面貫通化が行われた。しかし、その後の計画変更で廃車は撤回され、初代3000系列としては最後に室内更新が行われた。この際、これまで行われた張り上げ屋根化は実施されず、代わりに窓が上段下降・下段固定で中桟が窓中央にあるなど、デハ3650形とは形状が異なるものとなった。壁面のアルミデコラ化、床のリノリウム化などは他車同様である。このとき、客用ドアは全車ステンレス製の小窓のものに交換された。 サハ3364が1984年、サハ3362が1988年、他4両が1989年の3000系列全廃時に廃車され、全車が解体されている。
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