サザエボン問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/14 09:55 UTC 版)
1995年 - 1996年頃、サザエとバカボンのパパを合成した「天才サザエボン」や、波平と鉄腕アトムを合成した「鉄腕波平」、波平と安室奈美恵を合成した「アムロ波平」などといったキャラクターグッズが無許可で制作され、修学旅行生が集まる全国の土産物店に卸して販売したものが有名になった。これに対し1997年夏に長谷川町子美術館や赤塚不二夫、手塚プロダクションなど(原告)が著作権・著作者人格権などの侵害として、グッズを企画・製造していた福岡県春日市の衣料品会社「大成」を相手に訴訟を起こした。 これに対し会社側は「大阪固有のギャグ、パロディー文化を踏襲したものであり、著作権侵害の意図は全くない」などと反論した。 1997年8月、裁判所は、被告の文化的解釈はあくまでもアマチュアにおける二次創作(例としては、漫画やアニメを同人誌として頒布することなど)に摘要されるものであり、企業が利益目的として販売する場合、被告の主張する社会的文化の範囲に含まないのが通例である。よって、著作権侵害とすることが相当である。また、原告の主張には始終一貫として正当性が認められる。それに対する被告は先の文化的解釈など、狭義な見解が散見された、と結論づけ原告の勝訴となった。 福岡県春日市の衣料品会社「大成」に販売禁止を命令。会社は2000年1月27日に破産した。 「サザエボン」などの起源はいくつかの説や経緯がある。1つは、1980年代後半に発表された「週刊少年ジャンプ」の読者参加型の「ジャンプ放送局」内の「NG大賞」コーナーの投稿作品であり、そこから読者により拡散された。もう1つはダウンタウンの松本人志が『4時ですよーだ』で披露した絵であり、それを子供が真似て描いた絵をもとに阪急電鉄・十三駅前西商店街の「TOY魔人」という露天商が、単独で売っていた「サザエさん」や「バカボンのパパ」のキーホルダーを自作で組み合わせ加工して販売していた。これを関西や全国区のテレビ番組で話題として取り上げた。商店街脇にある路地はこれにちなみ「波平通り」と名づけられたが、2015年現在は改称された。鉄腕アトムと波平の合成キャラクターである「鉄わん波平」の看板も同商店街に掲げられた。これらの社会現象について当初、著名人や関係者もTOY魔人を、一般人による二次創作と判断されていたため、特に追及はされなかった。しかし、上記の福岡県春日市の衣料品会社「大成」がTOY魔人を模倣し、明らかな商業目的で全国的に販売するようになったことで社会問題になってしまった。この問題が報じられたことを受けて、オリジナルのTOY魔人は販売を自粛した。
※この「サザエボン問題」の解説は、「サザエさん」の解説の一部です。
「サザエボン問題」を含む「サザエさん」の記事については、「サザエさん」の概要を参照ください。
- サザエボン問題のページへのリンク