サザエ買い
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/01 10:23 UTC 版)
吉四六が臼杵の町に出歩き、魚屋の前でサザエを見付けて、「こいつは初めて見る物じゃ。珍しいから土産に持って帰ろう」と言っていくつか買う。だが、吉四六は中身をほじくって「こんな物が入っていると重くてかなわん」と言い、殻だけを持って帰るのだ。そして数日後、吉四六はもう一度サザエを買って帰るが、同じようにサザエの中身を取り出し、殻だけを持って帰る。二度までもサザエの殻をただで取ってもらった魚屋はしめしめと思い、今度は樽一杯のサザエを仕入れて用意した。どうせあの男は次も殻だけ持ち帰って中身は置いていくだろうと魚屋は思っていたが、吉四六が次に訪れた時には馬を連れていた。魚屋は吉四六に「旦那、またサザエ仕入れました。お代は少しでいいので、好きなだけどうぞ」と言う。しかし、吉四六は「こんなにたくさんのサザエの中身を取るのは面倒だ。今日は馬を連れているから、中身も一緒に全部持って行くよ」と言い、今度は身を捨てることなく、ほんのわずかのお金だけを置いて、あっけにとられる魚屋を尻目に、樽一杯のサザエを馬に乗せて全部持って行ってしまった。こうして大量のサザエをただ同然で手に入れた吉四六は、別の場所でサザエを全部売りさばき、大いに儲けたのであった。
※この「サザエ買い」の解説は、「吉四六」の解説の一部です。
「サザエ買い」を含む「吉四六」の記事については、「吉四六」の概要を参照ください。
- サザエ買いのページへのリンク