ゲティ・センター
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/04 09:28 UTC 版)
「J・ポール・ゲティ美術館」の記事における「ゲティ・センター」の解説
もう一方のJ・ポール・ゲティ美術館が収容されているゲティ・センターは1997年10月16日に開館し、「中世から現代までの西洋絵画」が収蔵され、約1,300万人の入場客が訪れるアメリカ合衆国でも有数の美術施設である。コレクションは20世紀以前の西洋絵画、ドローイング、装飾写本、彫刻、工芸品、19世紀から20世紀のアメリカ、ヨーロッパの写真など多岐にわたっている。絵画で著名なコレクションとして次のようなものがある。 『Arii Matamoe』(1892年)ポール・ゴーギャン。入手時に館長マイケル・ブランドが「我々のコレクションの歴史で重要な出来事」と入手時に語っている。絵画の原題はタヒチ語で、翻訳すると「高貴」そして「死」を暗示する「瞑られた目」となる。 『アイリス』(1889年)フィンセント・ファン・ゴッホ。1990年の購入で、1987年には5390万ドルで落札されていた絵画。 『鉾槍兵の肖像』(1528年 - 1530年)ヤコポ・ダ・ポントルモ。1989年に3520万ドルで落札した絵画。「過去に「オールド・マスター」の絵画についた最高額の3倍で落札」された。 J・ポール・ゲティ美術館の写真コレクションは西館の最下層にあり、35,000枚の肖像写真、1,500枚の銀板写真、30,000枚の立体写真、40,000枚近い写真が収蔵された475冊のアルバムなどが収蔵されている。 美術館の建物は非公開、スタッフの執務室、収蔵スペースの3つの区分に分けられている。公開されているギャラリーは2階建てのものが5つあり、北館、東館、南館、西館、展示館となっている。展示館は他所からの貸与絵画による臨時特別展示や、ゲティ財団のコレクションのうち展示場所が決まっていない美術品の展示場所に当てられている。常設展示が残りの4館で、年代順に各ギャラリーに配置されており、もっとも古い時代の美術品は北館、もっとも新しい時代の美術品は西館となっている。どのギャラリーも1階には装飾写本、工芸品、写真など光に敏感な性質の美術品が保管されている。太陽光がコンピュータで制御された2階では、絵画を自然光のもとで観ることができる。各ギャラリーの2階はガラス屋根の連絡橋とオープン・テラスで接続されており、どちらからでも植物園と中央広場を一望できる。テラス、バルコニー、ギャラリー屋外には彫刻が点在し、カフェテリアなども併設されている。
※この「ゲティ・センター」の解説は、「J・ポール・ゲティ美術館」の解説の一部です。
「ゲティ・センター」を含む「J・ポール・ゲティ美術館」の記事については、「J・ポール・ゲティ美術館」の概要を参照ください。
- ゲティ・センターのページへのリンク