カリスマ的支配
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カリスマ的支配(カリスマてきしはい、英語:charismatic authority)とは、社会学の用語であり、マックス・ヴェーバーによる支配の三類型のうち、合法的支配、伝統的支配の一つである。社会学者の間で広く用いられている。
- ^ Weber, Maximillan. Theory of Social and Economic Organization. Chapter: "The Nature of Charismatic Authority and its Routinization" translated by A. R. Anderson and Talcott Parsons, 1947. Originally published in 1922 in German under the title Wirtschaft und Gesellschaft chapter III, § 10 (available online)
- 1 カリスマ的支配とは
- 2 カリスマ的支配の概要
カリスマ的支配
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ヴェーバーは何ゆえに支配は正当化されうるのかという観点から、カリスマ的支配を合法的および伝統的支配とともに支配の三類型として構想した。カリスマ的支配とは「特定の人物の非日常的な能力に対する信仰」によって成立している支配で、その正当性は、カリスマ的な人物の「呪術力に対する信仰、あるいは啓示力や英雄性に対する崇拝」に基づく。そして「これらの信仰の源は、奇跡あるいは勝利および他の成功によって、すなわち、信従者へ福祉をもたらすことによって、そのカリスマ的な能力を実証することにある」。カリスマ的支配は、偉大な政治家・軍人・預言者・宗教的教祖など、政治や宗教の領域における支配者・指導者に対して用いられ、被支配者・被指導者は支配者・指導者のカリスマ的資質に絶大の信頼を置いて服従・帰依するのである。政治的カリスマでは「軍事カリスマ」と「雄弁カリスマ」が、宗教的カリスマでは「預言カリスマ」と「呪術カリスマ」が歴史上重要である。カエサルやナポレオンはその軍事カリスマによって、リンカーンやヒトラー、毛沢東はその雄弁カリスマによって世界史を動かした。イエスやマホメットはその預言カリスマによって、卑弥呼はその呪術カリスマによって社会を変革してきた。とりわけ古代においては戦争指導者の軍事カリスマと呪術師の平和主義的カリスマの関係が文化の発展においては決定的であった。 なお、ここで注意すべきは、ヴェーバーの言うカリスマは、善悪という価値判断からは自由な(「価値自由(Wertfreiheit)」な)概念ということである。その意味で、ヒトラーや毛沢東はイエスと同様にカリスマの保持者と見なされるのである。
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