オルバース‐の‐パラドックス
オルバースのパラドックス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/07 05:57 UTC 版)
オルバースのパラドックス(Olbers's paradox, Olbers' paradox)とは、「宇宙の恒星の分布がほぼ一様で、恒星の大きさも平均的に場所によらないと仮定すると、空は全体が太陽面のように明るく光輝くはず」というパラドックスである。
注釈
- ^ 原文献[9]。
- ^ ウェッソンらの調査では、研究者が書いた教科書10冊中の5冊は記述が曖昧であり、2冊は端的に誤っていた[10]。
- ^ 例えば、以下では閉空間において携帯電話が出す電波とオルバースのパラドクスの関係が論じられている[17]。
- ^ ただし核融合による説明以前は、隕石の落下や星の収縮による重力エネルギーの解放が恒星の放射のエネルギー源と思われ年齢は実際より数桁程度過小評価されていた。
- ^ 邦訳は例えば、『ユリイカ』(ポオ、八木敏雄 訳、岩波文庫、2008年、ISBN 978-4-00-323064-0)、『ユリイカ』(エドガア・アラン・ポウ、牧野信一・小川和夫 訳、芝書店、1935年、国立国会図書館サーチ:R100000002-I000000786587)など。
- ^ ハリソンによれば、時間 t に関してスケール因子が tn であるとき、一定の体積あたりの放射エネルギーは t/(1+n) に比例する[53]。
- ^ 全放射に関して[10]。各波長に関して[54]。
- ^ ただし、記号や導出過程は適宜変更し、例を追加した[55]。
出典
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- ^ ハリソン 2004, pp. 13–15.
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- ^ ハリソン 2004, p. 27.
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Wilkins, Stephen M.; Trentham, Neil; Hopkins, Andrew M. (10 January 2008). "The Evolution of Stellar Mass and the Implied Star Formation History" (英語). arXiv:0801.1594。
z = 3 では恒星の質量密度は現在のおよそ 1/10 となる (Fig. 1)。 - ^ 野島俊雄「電車内の携帯電話電波は蓄積して心臓ペースメーカに強く影響するか? 閉空間電磁界問題とオルバースのパラドックス」『島田理化技報』第20巻、2008年、2-9頁、2023年8月16日閲覧。
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- ^ ハリソン 2004, pp. 228–229.
- 1 オルバースのパラドックスとは
- 2 オルバースのパラドックスの概要
- 3 背景限界
- 4 脚注
オルバースのパラドックス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/29 15:57 UTC 版)
「パラドックス」の記事における「オルバースのパラドックス」の解説
宇宙が一様かつ十分に大きければ、一つの星の光は僅かでも総和として夜空は太陽面のように明るく輝くはずだというパラドックスである。光の速度が有限であり、また宇宙やその年齢が夜空を星で埋め尽くすほどには大きくないため、前提が成立しないことが明らかとなった。
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オルバースのパラドックス
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「ヴィルヘルム・オルバース」の記事における「オルバースのパラドックス」の解説
詳細は「オルバースのパラドックス」を参照 1823年、オルバースは「宇宙空間の透明度について」(Ueber die Durchsichtigkeit des Weltraumes) と題した論考を発表し、夜空が暗く保たれているという誰もが知る事実が十分広大な宇宙において直ちには理論的説明がつかない謎であることを示した。この謎の提示と解決策は、早世したスイスの天文学者ジャン=フィリップ・ロイス・ド・シェゾーがその79年前に定量的に提示していたものとほぼ同じものであり、オルバースの発案ではなかったが、現在一般にオルバースのパラドックスの名で知られている。 シェゾーのパラドックスに関する論考は、1743〜44年のクリンケンベルク=シェゾー彗星 (C/1743 X1) を報告した著作に含まれる8つの付録の1つで展開されていた。オルバースは自身の論考の中でシェゾーの先行する業績に触れていないが、調査によると、オルバースはこの著作を所有していただけでなく、その本編の彗星の軌道決定にまつわる部分を丹念に分析していた。ガウスのそれをはじめとして他者の優れた業績について一般には率直かつ公平な賛辞を惜しまなかったオルバースが、シェゾーの業績について言及しなかった理由には議論がある。 シェゾーとオルバースが提示したパラドックスは、宇宙が十分に広くかつ十分に長期間星が輝き続けているとすると、夜空全体が太陽面のようにまばゆい明るさを持たねばならないことを導く。実際にはそうなっていない理由を両者はともに宇宙空間を進む間に起こる光の吸収に求めていた。しかし宇宙空間を満たしていると考えられていたエーテルは存在せず、また他の星間物質によるものならば、これは熱平衡状態ではパラドックスの解決をもたらせない。星の寿命に注目しパラドックスに必要な十分な放射に変わりうる物質が宇宙に不足していることの最初の定量的解釈は、20世紀初頭にケルヴィンが与えた。
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