オデュッセウスの帰国
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/18 11:51 UTC 版)
「アーレーテー」の記事における「オデュッセウスの帰国」の解説
スケリア島にたどり着いたオデュッセウスは、最初に出会った王女ナウシカアーから着る物と食べ物とを与えられるが、このときオデュッセウスがもらった衣類はアーレーテーが女中たちとともに作ったものであった。 その後、島の少女に変身したアテーナーの勧めでアルキノオスの王宮に行った。オデュッセウスはアテーナーが起こした濃い霧に包まれて誰の目からも隠されていたため、すんなりと館の中に入り、アーレーテーとアルキノオスのそばまで来ることが出来た。そしてオデュッセウスが跪いてアーレーテーの膝に手をかけるとアテーナーの霧が消えたので、その場にいた誰もが突然現れた見知らぬ男に驚く中、オデュッセウスはアーレーテーとアルキノオスに「国に帰ることが出来るよう取り計らってほしい」と懇願した。その場にいた者たちはオデュッセウスの話ぶりに感嘆し、故郷まで送り届けることに賛成した。一方でアーレーテーはオデュッセウスの着ている服が自分の作ったものであることに気づき、オデュッセウスが何者で、どこから来たのか、またその服を誰からもらったのかを尋ねた。そこでオデュッセウスはカリュプソーの島を出てからのことを話し、また館に来る前に王女と出会っていたことを話した。 またオデュッセウスの冒険譚を聴いているうちに夜が更けたとき、アーレーテーは一同に向かって口を開き、「そなたたちはこのお方の容姿や人柄を見てどう思われますか。このお方は私の大事な客人ですが、そなたたちもまた彼をもてなす栄誉にあずかる者たちです。であれば慌ただしくお帰りになるようなことがあってはなりませんし、苦難に見舞われたこの方に、土産を惜しんではなりませんよ」と言うと、アルキノオスも同意して、オデュッセウスを無事に故郷まで送り届けることはもちろん、土産として財宝を用意することを約束した。帰国に際しては、オデュッセウスはアーレーテーに杯を手渡しながら「死が訪れるその時まで、お子様やアルキノオス王といつまでも楽しくお暮らしくださるように」と挨拶し、アーレーテーも港まで数名の女中をオデュッセウスにつけてやり、衣類や食料、葡萄酒を持って行かせた。
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オデュッセウスの帰国
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「アルキノオス」の記事における「オデュッセウスの帰国」の解説
『オデュッセイアー』およびその他の文献によると、スケリア島はオデュッセウスが帰国の航海で最後にたどり着いた場所である。アルキノオスは館に現れたオデュッセウスを暖かく迎え入れた。アルキノオスはオデュッセウスがこの地に留まり、娘と結婚することを望んだ。しかし無理強いはせず、無事に故郷まで送り届けることをオデュッセウスに約束した。翌日、アルキノオスはパイアーケス人の集会でオデュッセウスの送還を取り決め、若者たちに出航の準備を命じ、有力者に対してはオデュッセウスを饗応するための宴に出席することを求めた。 宴では楽人デーモドコスがトロイア戦争でのアキレウスとオデュッセウスの口論を歌った。アルキノオスはデーモドコスの歌を聴いたオデュッセウスが涙を流していることに気づき、趣向を変えて競技会を開いた。すると若い競技者エウリュアロスに挑発されたオデュッセウスが円盤投げでパイアーケス人の競技者たちを圧倒し、場を静まり返らせた。そこでアルキノオスは島の舞踏者たちを呼んでデーモドコスの琴の音とともに舞踊を演じさせ、オデュッセウスを感嘆させた。このときデーモドコスはアレースがヘーパイストスの留守の間にアプロディーテーと逢引する有名な神話を歌った。これに続いて息子たちハリオスとラーオダマースに舞踊を披露させた。最後にオデュッセウスはデーモドコスにトロイアの木馬の歌を所望したが、オデュッセウスの涙を見たアルキノオスはデーモドコスの歌を中断させ、客人に何者であるかを尋ねた。そこでようやくオデュッセウスは身の上を語った。 その後、アルキノオスは莫大な贈物とともにオデュッセウスをイタケー島に送り届けたが、その様子を見たポセイドーンは激しい怒りからスケリア島へと帰るパイアーケス人の船を破壊し、漂着した人間たちを国に送ることを止めるように彼らを諫めた上で、高い山を隆起させて国土を覆い隠してしまおうと考えた。しかしその考えを聞いたゼウスは、島に近づく船を石に変えてパイアーケス人の度肝を抜いてやるにとどめ、町を山で覆い隠すのはやめておくように言った。そこでポセイドーンは島に帰る船を石に変え、海底に固定して立ち去った。
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