エクリプス系とは? わかりやすく解説

エクリプス系

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/23 05:54 UTC 版)

エクリプス系(エクリプスけい、Eclipse Sire Line)とは、サラブレッドの他クォーターホース等)の父系の一つ。ダーレーアラビアン(Darley Arabian)を始祖とする。本来ならばダーレーアラビアン系とすべきであるが、現在のダーレーアラビアンの父系に属するサラブレッドは全てエクリプス(Eclipse)の直系子孫であるためエクリプス系と呼ばれている。アラブ種やスタンダードブレッドを除く、サラブレッド、クォーターホース、セルフランセ等の主要馬種のほとんどで主流血統を形成しており、特にサラブレッドの97%はエクリプス系に属するとされる(2014年に日本で生産されたサラブレッドにおけるシェアは99.85%である。残りは全てマッチェム系)。

Y染色体ハプロタイプは、ハプロタイプ2ないしハプロタイプ3である。ハプロタイプ2はアラブ種に多く、ダーレーアラビアンやエクリプス自身はハプロタイプ2であったと考えられている。セントサイモン系やフライングチルダーズ系、ヤングマースク系はハプログループ2(ハプロタイプ2からなる集団)に属している。

ハプロタイプ3はホエールボーンの系統で見られる。ハプロタイプ3はY染色体のYE3領域にある1塩基の欠失で定義されるもので、サラブレッド及びその影響下にある馬種以外には見られないため、ホエールボーンが持っていた(そしておそらくホエールボーンで発生した)突然変異が広まったと考えられる。ファラリス系伸長の影響により、サラブレッドにおいてハプログループ3の占める割合は96.5%にも達している。

歴史

エクリプス系は1703年にイギリスに輸入されたダーレーアラビアンを祖としている。ダーレーアラビアンは名馬フライングチルダーズを出したが、後世に父系子孫を残したのはその全弟で未出走のバートレットチルダーズであった。そのバートレットチルダーズのひ孫に有名なエクリプスがいる。エクリプスは18戦無敗で、種牡馬としても成功したが、同時期にヘロドとその息子ハイフライヤーがいたため一度もリーディングサイアーにはなれなかった。

エクリプスの系統はポテイトーズキングファーガスの2頭を中心に発展した。当初はキングファーガス産駒のベニングブローの系統が強く、1830年代にはヘロド産駒のハイフライヤー系に代わってサラブレッドの主流血統となったが、ポテイトーズの系統から出たタッチストンストックウェルの系統が次第に強くなり、ハイフライヤー系及びベニングブロー系はあっけなく滅んだ。19世紀末までにタッチストンとストックウェルの系統がサラブレッドの大半を占めるまでになった。

19世紀末から20世紀初頭にかけ、キングファーガス産駒であるハンブルトニアンの系統から出たセントサイモンが一時的に他系統を圧倒したものの、すぐに自壊し、20世紀中ごろ以降は前述のストックウェルの子孫であるファラリス系が拡大している。21世紀初頭現在、ファラリス系だけで全サラブレッドの9割を超える頭数を有している。日本では他にタッチストン系に属したアスコットエイトやアイソノミー系のホッカイペガサスなどが1980年代に活躍した。

流れ

サイアーライン


上記以外でエクリプス系に属する主な競走馬


ポテイトーズ傍系

バードキャッチャー傍系

ストックウェル傍系

ベンドア系

リーミントン系

キングファーガス傍系

マーキュリー系

ジョーアンドリュース系


エクリプス系

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/11 09:58 UTC 版)

三大始祖」の記事における「エクリプス系」の解説

ダーレーアラビアン遡る父系である。エクリプス自身はヘロド-ハイフライヤー親子活躍前に一度もチャンピオンサイア-になれなかったが、19世紀タッチストンストックウェル出て父系拡大し続けた19世紀末には傍系キングファーガスの子孫から史上最も強力な種牡馬であるセントサイモン出ており、このころまでにはサラブレッド父系において支配的な勢力確立した。現在前述ストックウェルの子孫、ベンドアからファラリス経てネアルコ又はネイティヴダンサーに至る父系多く中でも前者主流であるノーザンダンサー系と、後者主流であるミスタープロスペクター系は、サラブレッドから他の父系排除する勢いで拡大している。エクリプス系内でもこれらのファラリス以外の父系属する馬はかなり珍しくなっている。

※この「エクリプス系」の解説は、「三大始祖」の解説の一部です。
「エクリプス系」を含む「三大始祖」の記事については、「三大始祖」の概要を参照ください。

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