エアー・ジャパンとは? わかりやすく解説

エアージャパン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/11/11 02:33 UTC 版)

ANAホールディングス > エアージャパン
株式会社エアージャパン
Air Japan, Co.,Ltd.
種類 株式会社
本社所在地 日本
282-0005
千葉県成田市木の根38番地
成田国際空港ANA成田スカイセンター3B)
北緯35度45分56.0秒 東経140度23分19.5秒 / 北緯35.765556度 東経140.388750度 / 35.765556; 140.388750座標: 北緯35度45分56.0秒 東経140度23分19.5秒 / 北緯35.765556度 東経140.388750度 / 35.765556; 140.388750
設立 1990年6月29日
(ワールドエアーネットワーク株式会社)
業種 空運業
法人番号 7010801013977
事業内容
代表者 峯口秀喜(代表取締役社長)
資本金 5000万円 (2023年4月1日時点[1]
純利益 10億5,200万円
(2025年3月期)[2]
純資産
  • 6億2300万円
(2025年3月期)[2]
総資産
  • 76億9500万円
(2025年3月期)[2]
従業員数 903名(2023年6月1日現在[1]
決算期 3月31日
主要株主 ANAホールディングス 100%
外部リンク www.air-japan.co.jp
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株式会社エアージャパン: Air Japan, Co.,Ltd.)は、千葉県成田市成田国際空港内)に本社を置くANAグループの航空会社。ANAから受託した一部の国際線路線(ANA便名)および、「AirJapan」ブランドで自社での中距離国際線の運航を行っている[3][4][5]

1990年、国際チャーター路線の運航を目的に、ワールドエアネットワーク株式会社(WAC:World Air Network、コールサイン:WING ACE(ウイングエース))として設立された。会社立ち上げにANAホールディングス現会長である片野坂真哉が関与していた[6]

沿革

ワールドエアネットワークの767-300ER
ANA訓練センター。かつてのエアージャパン本部
  • 1990年(平成2年)6月29日:ワールドエアーネットワーク株式会社を設立[7]
  • 1991年(平成3年)2月8日:不定期航空運送事業免許を取得[1]
  • 1995年(平成7年)9月1日:事業休止。
  • 2001年(平成13年)7月5日:商号を、株式会社エアージャパンに変更[8][1]
  • 2002年(平成14年)
    • 1月1日:大阪/関西 - ソウル/金浦線 運航再開[1]
    • 3月29日:大阪/関西 - グアム線(2便/週) 就航。
    • 12月1日:大阪/関西 - グアム線 デイリー化(7便/週)。
  • 2003年(平成15年)
  • 2004年(平成16年)
    • 3月28日:東京/成田 - 香港線の運航をANAから受託(ボーイング767型機による東京/成田夜発・香港朝発便のみ)。
    • 6月2日:貨物便・東京/成田 - 大連線の運航をANAから受託。
    • 6月4日:貨物便・東京/成田 - 厦門線の運航をANAから受託。
    • 9月1日:貨物便・東京/成田 - 天津線の運航をANAから受託。
    • 10月31日:貨物便・東京/成田 - 香港線と、貨物便・東京/成田 - 青島線の運航をそれぞれANAから受託。
  • 2005年(平成17年)1月1日:貨物便・東京/成田 - 上海/浦東線の運航をANAから受託。
  • 2006年(平成18年)
  • 2008年(平成20年)4月1日:東京/羽田 - 香港線の運航をANAから受託。
  • 2010年(平成22年)7月1日:ANA&JPエクスプレスを吸収合併[9]
  • 2014年(平成26年)5月14日:貨物便・沖縄/那覇 - シンガポール線 就航[10][11]
  • 2020年(令和2年)
    • 3月:COVID-19に伴う検疫強化などにより、外国人乗務員の乗務渡航制限で[要出典]沖縄貨物ハブ全便運休[12]、2021年度以降も運休継続し代わりに旅客便床下貨物混載便で代替[13]
    • 10月27日:COVID-19の影響を受け発表した大幅な経営改革の一環として、同社を母体とし運航機材をANAが運用しているボーイング787型機を活用したピーチに続く第三ブランドの低コストエアラインを2022年度を目途に運航開始する計画を発表[14]
  • 2022年(令和4年)3月8日:ANAホールディングスとエアージャパンは新ブランド「AirJapan」を発表した[15]。エアージャパンはANAから受託した路線の運航も継続し、同社運航乗務員はANAとAirJapanの2つのブランドを担当する[4]
  • 2024年 2月9日:独自ブランド 「AirJapan」による運航を開始[16]

AirJapan

AirJapan は、2024年2月より運航を開始した中距離国際線の運航ブランドである。しかし、2025年の10月30日にANAホールディングスは決算会見にて、Air Japanを2026年3月28日の運行を以て終了することを発表した[17]。理由は、ロシア上空通過回避の長期化、機材や乗員・客室乗務員の必要数の高止まり、機材の受領遅れやエンジン部品の供給不足によって稼働機数に制約が生じていること、さらに長距離国際線の高収益傾向が主な原因で今後はANAに人員と機材を集中させていく方針[18]

運航受託

全日本空輸(ANA)から東南アジア路線を中心に国際線旅客便を受託運航している[19]。航空機の運航、機材、サービス等は、ANAと同じ基準である[20]

機材

すべて、ANAの保有機材である[19]

塗装

ANAグループであるため、機体はANAのトリトンブルーをベースに胴体尾部に「Air Japan」と表記されていた。[要出典]

就航当初もトリトンブルーであったが、1991年3月2日の初便(大分 - シンガポール)のみ、垂直尾翼には全日空と同じ書体で「WAC」、ボディには垂直尾翼と同じ書体で「World Air network」と書かれたフルカラー塗装がボーイング767-300(機体記号JA8286)に施されていた[21]が、ステッカーによるマーキングであり、フライト中に垂直尾翼右側のそれが剥がれてしまったため[22]、その後は全日空の国際線標準塗装に戻され、機首にWACのロゴを入れる形となった。[要出典]

サービス

  • 旅客サービス(機内食・エンターテイメント等)は、ANAのサービスに準ずる。2010年秋以降に導入された(JA619A~JA627A)「Inspiration of Japan」仕様(202席)のサービスで各路線に展開されている。
  • 制服はANAグループ共通であり、基本的には便名がANAとエアージャパンのコードシェア便がついているだけである。かつて2005年3月31日まではエアージャパン独自の制服があったが、2005年にANAグループ共通のユニフォームを導入し統一されたため、他グループと同様にANA本体との区別がなくなった。
  • 2010年秋以降は、運航乗務員などは外国人を採用しているが、客室乗務員は基本的に日本人を採用している(台北線は中国語通訳として台湾人のスタッフを採用している)上、制服も同じであるため、ANAの客室乗務員との見分けはつかない。かつてのワールドエアーネットワーク時代は、マレーシア人客室乗務員を安価な給与体系で採用しコスト削減を図ったが、クアラルンプール線の運休でこれは不可能となった。

過去の運航路線

2019年現在、成田からアジア・リゾート路線を中心とした、香港・シンガポール・ホーチミン・バンコク・ヤンゴンなど約12路線の国際線旅客便、沖縄ハブを中心にアジア各都市を結ぶ約27路線の貨物便を運航していた。新型コロナウイルス感染症の影響により、多くの路線が運休、全日本空輸への移管が行われた。

旅客便

貨物便

COVID-19に伴う検疫強化により沖縄貨物ハブは当面の間、全便運休

不祥事

脚注

  1. ^ a b c d e ABOUT US - Air Japan
  2. ^ a b c 株式会社エアージャパン 第35期決算公告
  3. ^ Air Japan 公式サイト”. 2024年5月3日閲覧。
  4. ^ a b “ANAの新ブランド「AirJapan(エアージャパン)」、LCCではないと峯口社長”. トラベル Watch. (2022年3月8日). https://travel.watch.impress.co.jp/docs/news/1393542.html 
  5. ^ 国際線新ブランド『AirJapan』のサービス発表 ANAホールディングス、2023年3月9日
  6. ^ 難産だったエアージャパン、経営企画でリストラも ANAホールディングス社長 片野坂真哉氏(下) 日本経済新聞電子版、日本経済新聞社、2017年11月26日
  7. ^ ANAHD、国際線新ブランド「AirJapan」 23年度就航 - 日本経済新聞 2022年3月8日
  8. ^ 国際線新規航空会社「株式会社エアージャパン」事業計画変更認可申請を、運輸省に本日提出 - ANA NEWS 平成12年8月31日
  9. ^ 連結子会社の合併に関するお知らせ』(プレスリリース)全日本空輸、2010年4月2日http://www.ana.co.jp/pr/10-0406/10-051.html 
  10. ^ “沖縄貨物ハブおよび貨物便ネットワークの拡充について(5月14日〜)”. ANA Cargo. (2014年4月30日). http://www.anacargo.jp/ja/int/news/schedule/2014/140430.html 
  11. ^ “ANA、沖縄―シンガポール便就航 国際貨物事業”. 琉球新報. (2014年5月15日). http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-225387-storytopic-4.html 
  12. ^ 那覇空港国際貨物ハブ、来年3月まで休止 ANAが再開見通せず - 琉球新報 2020年09月26日
  13. ^ 沖縄国際物流ハブの新たなモデルについて』(プレスリリース)ANAグループ、2021年1月29日https://www.anahd.co.jp/group/pr/202101/20210129-2.html 
  14. ^ ANAグループの新しいビジネス・モデルへの変革について』(プレスリリース)ANAグループ、2020年10月27日https://www.anahd.co.jp/group/pr/202010/20201027-2.html 
  15. ^ 新ブランド『AirJapan』、2023年度下期に国際線就航』(プレスリリース)ANAグループ、2022年3月8日https://www.anahd.co.jp/group/pr/202203/20220308.html 
  16. ^ エアージャパンが就航 ANA新ブランド、訪日客狙う - 時事通信 2024年02月09日
  17. ^ AirJapanブランド便の運航休止について | AirJapan”. www.flyairjapan.com (2025年10月30日). 2025年10月30日閲覧。
  18. ^ 編集部 (2025年10月30日). “AirJapan、運航を終了 デュアルブランド戦略へ転換”. TRAICY(トライシー). 2025年10月30日閲覧。
  19. ^ a b 運行路線 - エアージャパン
  20. ^ エアージャパン運航便のご案内 - ANA
  21. ^ WACフルカラーのボーイング767-300ER - FLY TEAM [出典無効]
  22. ^ 垂直尾翼の塗装が剥がれたWACフルカラー機 - FLY TEAM [出典無効]
  23. ^ 松岡久蔵 (2021年7月22日). “「ANAグループ社員だと分からないように」危険な検疫補助業務を子会社に押し付け、現場CAから怒りの声”. サイゾー. https://biz-journal.jp/company/post_239507.html 
  24. ^ 政府が民間事業者に委託している検疫業務にかかる支援業務に関する質問主意書 衆議院
  25. ^ 衆議院議員中谷一馬君提出政府が民間事業者に委託している検疫業務にかかる支援業務に関する質問 に対する答弁書 衆議院

関連項目

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