インド近海の磁石の山伝説とは? わかりやすく解説

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インド近海の磁石の山伝説

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/06 03:58 UTC 版)

磁石の山」の記事における「インド近海の磁石の山伝説」の解説

磁石引きつけることは古代から知られていたが、磁石の山伝説また、古代から伝えられている。古代ローマ博物学者ガイウス・プリニウス・セクンドゥスは、著書博物誌第2巻において、次のように記している。 インダス河近く2つの山があって、そのひとつは引きつける性質があり、いまひとつ退け性質がある。したがって人が釘を打った靴を履いていると、一方の山の上では一歩毎に足を地面から引き離すことができないし、いま一方の上では足を地面につけることができないまた、クラウディオス・プトレマイオス著書地理学』においても、インド)・2において、 なお人の話によれば、マニオライと呼ばれる、十余り隣接する島々があり、おそらくヘラクレスの石を産するためであろう釘をつけた船は引き寄せられるということだ。またそこでは人びと木釘で船を作っている。 と述べられている。ここに登場する「マニオライ」とはモルディブ諸島を指すという説もあるが、具体的な位置はっきりしていない。さらに、『太清金液神丹経』などによれば、呉の震が著した南州異物志』(現存しない)には、句稚国の北東にある漲海は浅く磁石が多いため、船が磁石行く手を阻まれるといった記述があるという。 このような話が伝わった理由1つとして、インド洋では使わない船(ダウ船)が実際に使われていたことがあげられる。たとえば1世紀書かれた『エリュトゥラー海案内記』には、マダラタという使わない船が紹介されている。こうした船を見て奇異思った航海者たちによって、磁石の山の話が作られ広まった考えられている。 時代下って10世紀後半にブズルク・ブン・シャフリヤールが編纂したインド驚異譚』では、小中国の主都ハーンフーと大中国首都フムダーンの間を流れる川には幾つも磁石の山々があり、積んだ船を吸い寄せるという記述がある。また、1356年書かれジョン・マンデヴィルの『東方旅行記』には、インド皇帝プレスター・ジョン領海には巨大な磁石の岩があり、さらにそこから離れたケルメスという島にも海中磁石の岩があるので、船を造るのに釘やのたがを使わない記載されている。さらに、15世紀ドイツ大衆の間で広く読まれていた『聖ブランダン航海譚』にも、「粘りつく魔の海」には磁石があって、近づくことごとく引き付ける述べられている。この時代書物フィクションとノンフィクションの境があいまいなため、どこまでが事実として書かれているはっきりしないが、当時の人々はこれらの話を事実として信じていた。 1492年マルティン・ベハイムによって作られ現存する世界最古地球儀では、ジャワ島北東プトレマイオス語ったマニオライ諸島描かれ、「磁石があるために、をもつ船は近く航行することはできないと書かれている。しかし1498年ヴァスコ・ダ・ガマによってインド航路開拓されインド洋海域知識得られるうになると、インド近海における磁石の山地図から姿を消した

※この「インド近海の磁石の山伝説」の解説は、「磁石の山」の解説の一部です。
「インド近海の磁石の山伝説」を含む「磁石の山」の記事については、「磁石の山」の概要を参照ください。

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