イゼルローン再奪取作戦(第10次イゼルローン攻防戦)
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「銀河英雄伝説の戦役」の記事における「イゼルローン再奪取作戦(第10次イゼルローン攻防戦)」の解説
宇宙暦800年/新帝国暦2年1月2日~14日。エル・ファシル革命予備軍となったヤン一党によるイゼルローン要塞の攻略、及びイゼルローンに駐留しているルッツ艦隊との交戦。行動部隊の陣容は、艦隊指揮がメルカッツ、突入部隊がシェーンコップとローゼンリッター、ユリアン、ポプラン、マシュンゴ、及び参加希望者。情報操作担当がバグダッシュ。ヤンが直接指揮を執る事に対して独立政府が難色を示したため、ヤン及びアッテンボローがエル・ファシルに残留した。また、カリンが自分の娘だと知ったシェーンコップが、カリンの参加希望を却下した。その理由は明確には示されていない。 情報操作のための最初の通信がバグダッシュから発せられたのは1月2日。ラインハルトの名前で、艦隊が大親征に参加する事を命じていた。だが翌3日に、前日とは逆に出撃禁止及び内通者捜索の命令が届き、捜索の結果、幾人かの逮捕者が出た。この事で、ルッツは後者の通信の方を信用し、これ以降に届いた出撃を促す通信を無視するようになった。 1月7日、5本目に届いた出撃命令(これがラインハルトからの本当の命令)が届いてもルッツが動かない事を知ったバグダッシュは、脅迫めいた通信を送ってルッツの幕僚を戦慄させた。さまざまな思慮の末、これがヤンの罠だと結論づけたルッツは、逆に罠にかけるべく出撃、要塞を留守にすると見せかけて反転し、要塞と挟み撃ちにする作戦を立案した。ルッツ艦隊の出撃は12日、翌13日にはその報がヤン一党に届き、イゼルローン要塞に向けて出動した。 だがルッツの思惑に反して、イゼルローン要塞は、ヤン一党がトゥールハンマーの射程距離に入った時点で、バグダッシュが発した「健康と美容のために、食後に一杯の紅茶」という通信を受領し、要塞の制御システムをつかさどるコンピュータが機能を停止していた。これは「第9次イゼルローン攻防戦」でヤンが要塞を放棄した時に仕掛けた罠であり、これによってゲートの開閉も防御システムの稼動も不可能となった。 ヤン一党の突入部隊は要塞の軍港に強行着陸し、白兵戦の末、23時20分にAS28ブロックの第4予備制御室を占拠した。ユリアンが制御卓から「ロシアン・ティーを一杯。ジャムではなくママレードでもなく蜂蜜で」と回路に入力してシステムの制御を掌握し、23時25分、帰還途上のルッツ艦隊にトゥールハンマーを発射。これに気づいたルッツは急遽散開行動を命じたものの、艦隊の1割を失った。そしてその光景を見た要塞守備隊の戦意も失われ、守備隊は次々と潰走・降伏していった。 14日0時45分、帝国軍の守将ヴェーラー中将が、部下の安全な退去と引き換えに要塞の放棄に応じる事を打診。意思決定を委ねられたユリアンは7分後に条件を受諾する返答を送り、戦闘は終了した。要塞内の帝国軍、及び損害を被ったルッツ艦隊は撤退した。なお、0時59分に、ピストル自殺を遂げたヴェーラー中将の遺体が執務室で発見された。
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