アンダルシア、アフリカの飛び地
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「スペイン料理」の記事における「アンダルシア、アフリカの飛び地」の解説
アンダルシア州のセビリア、コルドバ、グラナダなどの都市はかつてイスラム教徒の支配下で繁栄し、中世には多くのユダヤ人が生活を営んでいた。そのため、キリスト教、イスラーム、ユダヤ3つの宗教がアンダルシアの食文化の根底にある。 アンダルシアの料理はあっさりした味付けに特徴がある。揚げ物料理が特色として挙げられ、地元で獲れた海産物の揚げ物ペスカイート・フリート (Pescaito frito) は皿に大盛りにして出される。他にはロブスター、生ガキ、焼いた川ガニなどが食べられている。アンダルシア地方はオリーブオイルの産地として有名であり、ハエン、バエサでは良質のオリーブが収穫される。オリーブオイルと小麦粉を使った料理として、ミガス・デ・アリーナがある。色鮮やかな食材と卵をオーブンで焼いたフラメンカ・エッグ (Huevos a la flamenca)、羊の睾丸と脳を使ったジプシー料理サクロモンテ風トルティージャ (Tortilla al Sacromonte) が、アンダルシアの代表的な卵料理として知られる。 冷製スープガスパチョ (Gazpacho) は、地域によって異なるアレンジが加えられている。16世紀にセルバンテスによって書かれた小説『ドン・キホーテ』にもガスパチョの名前は登場するが、よく知られている冷製のトマトスープとは別物であると考えられており、どのような食べ物なのか諸説分かれている。 山間部の町では豚肉の加工品が多く売られ、ウエルバ県ハブーゴのハモン・イベリコ、グラナダ県トレベレスのハモン・セラーノは最高級の生ハムとされている。ウズラの肉はセビリアの名物として知られている。 アンダルシア地方ではオリエント風の菓子が好まれ、カトリックの修道院にはイスラームの伝統を受け継いだ製法が残る。代表的な菓子にはオリーブオイル、ゴマ、アニス酒で作るトルタス・デ・アセイテ、コルタドス・レジェノス・デ・シドゥラ(長方形のパンプキンパイ)、サン・レアンドロ修道院のイェマス・デ・サン・レアンドロ(鶏卵素麺)などが挙げられる。 アンダルシアはヘレス(シェリー酒)で有名であり、ブランデーの産地でもある。仔牛の腎臓をヘレスで煮込んだリニョネス・アル・ヘレス(スペイン語版) (Riñones al Jerez) が有名。 アフリカ大陸に存在するセウタ、メリリャなどの飛び地は、多くの入植者の出身地であるアンダルシアの食文化を継承している。周囲を取り囲むモロッコの食文化の影響を受けており、ケバブと類似したピンチョ・モルノ (Pincho moruno)、クスクス、野菜を細かく刻んだモロッコ風サラダが食べられている。煮込み料理には、モロッコ料理特有の調理器具であるタジン鍋が使われる。
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