アメリカカンザイシロアリ(職アリ)
アメリカカンザイシロアリの有翅虫は、体長7~8mm、黄褐色で、翅は暗褐色で半透明。兵蟻は体長約10mmで、頭部は黄褐色で大きい。
ダイコクシロアリの有翅虫は、体長5~6mm、体の背面は黄褐色で下面はやや淡色。翅は透明で、翅脈が褐色。兵アリは体長3.5~5.5mmで頭が黒く、額が突き出ている。
アメリカカンザイシロアリは、アメリカのカリフォルニアからメキシコにかけて分布していたものであるが、世界各地に分布が広がっている。日本では1976年に始めて東京で発見されたが、現在では沖縄、九州、本州各地に分布している。現在の北限は岩手県である。
ダイコクシロアリは、南西諸島と小笠原諸島に分布するが、本州各地で家具などから一時的に発生したことがある。
乾燥した木材を好んで食害する。家屋の柱や梁などを表面を薄く残して内部を激しく食い荒らし、空洞化させるため、放置しておくと建物倒壊の原因にもなる。また家具、ピアノなどの木製品も内部に潜伏して加害する。
アメリカカンザイシロアリは日本では1976年に始めて発見された外来害虫であるが、現在では各地で被害が広まっている。
乾燥材を加害し、家屋の屋根裏などの木材が加害されることが多い。窓枠や柱、畳、時には家具からも発生する。柱や梁などを表面を薄く残して、内部を激しく食い荒らして空洞化させる。加害材の孔から乾燥した砂粒状の糞を排出し、床に多数の糞を山状に排出する性質がある。糞を拡大して見ると、六角形で俵型をしているのが特徴である。イエシロアリがあまり好まないヒノキやスギなどもよく食害する。水を運ぶ能力はなく、巣や蟻道を作らず加害場所が巣を兼ねている。
羽アリの群飛は、6~9月に小規模ずつ何回も発生し続けることが多いが、暖房している室内では羽アリが1年中発生する。主に昼間に飛翔し、走光性はない。
ダイコクシロアリもほぼ同様であるが、被害はピアノや家具などの木製品が多く、アメリカカンザイシロアリほどには大規模な発生にならないようである。羽アリの群飛は5~8月に少数づつ行われ、夜に照明に飛来する。
アメリカカンザイシロアリ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/09/25 05:42 UTC 版)
アメリカカンザイシロアリ | |||||||||||||||||||||||||||
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アメリカカンザイシロアリ Incisitermes minor
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分類 | |||||||||||||||||||||||||||
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アメリカカンザイシロアリは、レイビシロアリ科のシロアリである。
メキシコ北部から北米西部にかけてが原産であり、そのほかにも東海岸を含むアメリカ各地域で生息している。その他にトロント[1]、ハワイ[2]、中国、日本で外来種として確認されている。住宅を含む木造建造物にとって経済的に深刻な病害虫であり、カリフォルニアとアリゾナ州で毎年約2億5000ドルの損失が試算された。米国西部ではおそらく最悪の害虫であり、ミゾガシラシロアリ科の地下シロアリに次ぐ経済的損失をもたらす[3] [4]。
1つのコロニーは真社会性であり、有翅アリ・兵隊アリ・働きアリの3種が存在する。体は濃茶、頭部はオレンジ色である。春から夏にかけて活発化する。
生息地
カリフォルニア周辺の、比較的乾燥している地中海性気候に順応している。
自然界では、ヤナギ、オーク、プラタナス、切株、落枝、丸太に巣作りする。人間の居住地域の近くでは、バラ、トキワサンザシ属、キョウチクトウ、ハンノキ属、トネリコ属、アボカド、キャロブ、ミカン属、ニワトコ属、クワ、クルミ、多くのサクラ属などを利用する。
木材にもコロニーを形成することから、家具やフローリング、窓枠、扉、鼻隠、下端、電柱[5]、畳が侵食される[6]。
対処法
対象自体に営巣している場合には全体を覆い、フッ化スルフリルを用いて燻蒸する。部分的な対処としては、ピレスロイドやイミダクロプリドなどの殺虫剤を注入する。ヒドラメチルノン入りのゲル状の毒餌は、実験で効果を示した[7]。
殺虫剤を使わない熱風や液体窒素などの手法も研究されており、マイクロ波や高圧低電流も有効である。
出典
アメリカカンザイシロアリと同じ種類の言葉
シロアリに関連する言葉 | 乾材シロアリ アメリカカンザイシロアリ イエシロアリ シロアリ(しろあり) |
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