アド‐バルーンとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > デジタル大辞泉 > アド‐バルーンの意味・解説 

アド‐バルーン【ad balloon】

読み方:あどばるーん

広告をつり下げて空中揚げる係留気球昭和6年1931)ごろから流行した広告気球


アドバルーン

作者桜井健二

収載図書オペラマシュマロ
出版社東京図書出版会
刊行年月2007.12


アド・バルーン

作者森敦

収載図書浄土
出版社講談社
刊行年月1989.6

収載図書浄土
出版社講談社
刊行年月1996.3
シリーズ名講談社文芸文庫


アド・バルーン

作者織田作之助

収載図書ちくま日本文学全集 054 織田作之助
出版社筑摩書房
刊行年月1993.5

収載図書夫婦善哉
出版社講談社
刊行年月1999.5
シリーズ名講談社文芸文庫

収載図書織田作之助作品集 2
出版社沖積舎
刊行年月2000.7

収載図書夫婦善哉
出版社新潮社
刊行年月2000.9
シリーズ名新潮文庫

収載図書織田作之助作品集 2
出版社沖積舎
刊行年月2008.9


アドバルーン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/14 02:31 UTC 版)

アドバルーン

アドバルーン和製英語: ad balloon)とは広告宣伝目的に使われる係留気球のこと[1]広告気球。アドバルーンによって釣り上げられる宣伝バナーアドバルーン広告と呼ばれる。

文字を横書きにする欧米では二つの気球の間にバナーを入れた宣伝が行われていた事に対し、縦書きの日本では単体の気球でバナーを吊るす手法が取り入れられ、広告を意味する advertisement と気球を指す balloon を組み合わせて「アドバルーン」と呼ばれた[2]

1907年明治40年)に日本で考案され、20世紀(特に昭和期)に広く用いられた[1][2]

構造

直径2-3 メートル程度の球形の気球を比重の軽いガスで浮揚させる[1]。初期のガスには可燃性の高い水素が使われていたが、火災防止のために不燃性のヘリウムが使用されるようになっていった。バナーは横幅1 m、高さ10 m程度で、縦80 cm-1 m、横1 m程度の枠抜きした文字が配置される。

歴史

戦前

二・二六事件で吊り上げられた投降を促すアドバルーン

係留気球で広告文を吊り上げるアドバルーン広告は、日本では1913年(大正2年)に化粧品会社(中山太陽堂など)が使用したのが最初とされる[1]1916年(大正5年)1月には、福助が阪神鳴尾で33立方メートルの大型アドバルーンを使用して、アドバルーンによる宣伝が広まった[3]。当初は広告気球と呼ばれていたが、第1次の隆盛期を迎えるにつれ昭和初期以降はアドバルーンの語が広く定着した[1][2]

1936年(昭和11年)の二・二六事件では反乱将兵の鎮圧のため、帝国陸軍ビララジオ放送とともに民間のアドバルーンを使用して「勅命下る軍旗に手向かふな」との文字が掲げられた[2]1930年代末以降になると、気球(アドバルーン)は兵器としても使用可能なことから民間での利用には制限がつくようになり、やがてアドバルーン広告は禁止された[1]

戦後

戦後しばらくもGHQの命令により禁止されていたが[1]1949年(昭和24年)から徐々に解禁され、1951年(昭和26年)の「繋留広告気球制限規定」の緩和により昭和30年代から40年代には大量に用いられ、第2次の隆盛期となった[1]。最盛期には1日100本以上の浮揚があり、年間1万本のアドバルーンが空を覆った[1][2]

アドバルーン広告は広告幕の文字の大小の制限から広告を見るのに適した距離や高さ(仰角)があり、日本の都市部では超高層ビルの林立により宣伝効果が失われ[2]、またコストが高いため懸垂幕をはじめとする様々なビル壁面広告に多くが置き換わったことにより、平成初期(1990年代)までにはほとんど見ることができなくなった[1]。また、広告宣伝手段の多様化・発達により、相対的にコストパフォーマンスが低下してきたことも指摘されている[2]

メロン型のバルーン

屋外用アドバルーン広告が衰退してから、屋外用として主に使用されている場所は、郊外の低層階の店舗やイベント会場、展示会場などである。そして、屋内展示場、見本市会場、イベント会場、大型ショッピングセンターなどの室内装飾に用いられることも多い[2]

従来型の紅白アドバルーンは最盛期に比べ数は激減したが、今日では逆に物珍しさによって利用されることもある[4]

また従来の紅白アドバルーンに取って代わり、特注品の変形バルーンが多くなっている。これらはキャラクターや各種メーカー品、企業ロゴなどが象られたもので、趣向を凝らしたものである[2]

規制

航空関連の規制

航空法及び航空法施行規則により、航空交通管制圏、航空交通情報圏、高度変更禁止空域又は航空交通管制区内の特別管制空域内では、原則として気球を浮揚させることが禁止されている[5]

屋外広告物の規制

アドバルーン広告は都道府県や市区町村が制定する屋外広告物条例の制限により、地域や施設により掲揚のできない禁止地域や広告の際の申請等が必要な場合がある。東京都の場合、「綱を付けた気球を掲揚し、その綱又は気球を利用して広告表示したもの(東京都火災予防条例に適合するもの)」と定義して屋外広告物許可申請手数料や許可期間などの規制が設けられている[6]

浮揚ガスの規制

使用する浮揚ガスが水素ガスの場合には条例で規制されている場合がある。札幌市では火災予防条例により、水素ガスを充てんする気球の位置、構造及び管理の基準を定めている[7]

脚注

  1. ^ a b c d e f g h i j 島守光雄「アドバルーン」『日本大百科全書』https://kotobank.jp/word/%E3%82%A2%E3%83%89%E3%83%90%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%B3 
  2. ^ a b c d e f g h i 最盛期には1日100本! 空に浮かぶ広告『アドバルーン』の歴史 二・二六事件で使用された過去も”. ラジトピ ラジオ関西トピックス (2023年4月6日). 2025年1月4日閲覧。
  3. ^ 下川耿史 家庭総合研究会 編『明治・大正家庭史年表:1868-1925』河出書房新社、2000年、409頁。ISBN 4-309-22361-3 
  4. ^ 「久しぶりに見たぞ」 茨城の空に浮かんでいたものとは?”. grape (2024年11月28日). 2025年1月4日閲覧。
  5. ^ 航空機の飛行に影響を及ぼすおそれのある行為(気球、花火、凧揚げ等)”. 国土交通省. 2025年6月11日閲覧。
  6. ^ 屋外広告物のしおり”. 東京都. 2025年6月11日閲覧。
  7. ^ 水素ガスを充てんする気球”. 札幌市. 2025年6月11日閲覧。

参考文献

関連項目

外部リンク


アドバルーン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/11 07:55 UTC 版)

インフレータブルバルーン」の記事における「アドバルーン」の解説

詳細は「アドバルーン」を参照 アドバルーン(Advertizing balloon)とは広告気球とも呼ばれる塩化ビニール製のシートなどを貼り合わせ作られ気球のことで、日本ではアドバルーン広告といわれる宣伝文の書かれ幕を引き上げて広告する宣伝方法広告掲げた係留気球知られる。 アドバルーンの気球オリジナリティのある形状ものを作ることができる。企業名印刷され独特の形状製作されたオリジナルアドバルーンは、業界大型商談会などで天井吊るしたり、ヘリウムガス浮かして用いられるが、ヘリウムガス浮かせる場合浮力確保できる概ね直径2m上の大きなものを製作する必要がある

※この「アドバルーン」の解説は、「インフレータブルバルーン」の解説の一部です。
「アドバルーン」を含む「インフレータブルバルーン」の記事については、「インフレータブルバルーン」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「アド‐バルーン」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

アドバルーン

出典:『Wiktionary』 (2021/07/03 11:02 UTC 版)

名詞

アドバルーン

  1. 宣伝のために飛ばす気球

語源

翻訳

関連語


「アドバルーン」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「アド‐バルーン」の関連用語

アド‐バルーンのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



アド‐バルーンのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのアドバルーン (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのインフレータブルバルーン (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Text is available under Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA) and/or GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblioに掲載されている「Wiktionary日本語版(日本語カテゴリ)」の記事は、Wiktionaryのアドバルーン (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA)もしくはGNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS