ふさおとめ【フサオトメ】(食用作物)
※登録写真はありません | 登録番号 | 第7437号 |
登録年月日 | 1999年 9月 21日 | |
農林水産植物の種類 | 稲 | |
登録品種の名称及びその読み | ふさおとめ よみ:フサオトメ |
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品種登録の有効期限 | 20 年 | |
育成者権の消滅日 | ||
品種登録者の名称 | 千葉県 | |
品種登録者の住所 | 千葉県千葉市中央区市場町1番1号 | |
登録品種の育成をした者の氏名 | 渡部富男、和田潔志、西川康之、長島正、林玲子、伊東靖之、小原麻里、藤家梓 | |
登録品種の植物体の特性の概要 | ||
この品種は,「ひとめぼれ」に「ハナエチゼン」を交配して育成された固定品種であり,育成地(千葉県佐原市)における成熟期は極早生,稈長がやや短,精玄米千粒重がやや大,障害型耐冷性が極強の水稲,粳種である。草型は偏穂数型,稈長はやや短,稈の細太は中,剛柔はやや柔,止葉の直立の程度はやや立,葉身及び葉鞘の色は淡緑である。穂長はやや短,穂数はやや多,粒着密度は中,穂軸の抽出度は短である。穎色は黄白,ふ先色は黄白-黄,芒の有無と多少は稀,芒色は黄白-黄である。玄米の形は中,大小及び精玄米千粒重はやや大,見かけの品質は上の下,光沢はやや良である。出穂期及び成熟期は極早生,障害型耐冷性は極強,穂発芽性は難,耐倒伏性はやや弱,脱粒性は難,収量は中である。いもち病抵抗性推定遺伝子型はPi-i,穂いもち圃場抵抗性は中,葉いもち圃場抵抗性はやや弱である。「はなの舞い」と比較して,稈長が短いこと,穂数が多いこと,精玄米千粒重が大きいこと等で,「コシヒカリ」と比較して,稈長が短いこと,出穂期及び成熟期が早いこと,耐倒伏性が強いこと等で区別性が認められる。 | ||
登録品種の育成の経過の概要 | ||
この品種は,平成2年に千葉県農業試験場(佐原市)において,「ひとめぼれ」に「ハナエチゼン」を交配し,3年に雑種第1代の葯培養を行い,得られた自然倍加個体の系統の中から選抜,育成された固定品種であり,5年より生産力検定試験及び特性検定試験,6年に系統適応性試験を行い,7年にその特性が安定していることを確認して育成を完了したものである。なお,出願時の名称は「千葉6号」であった。 |
ふさおとめ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/19 13:40 UTC 版)
ふさおとめ | |
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属 | イネ属 Oryza |
種 | イネ O. sativa |
交配 | ひとめぼれ×ハナエチゼン |
亜種 | ジャポニカ O. s. subsp. japonica |
品種 | ふさおとめ |
開発 | 千葉県農林総合研究センター |
ふさおとめは、イネの品種の一つ。
概要
千葉県農業試験場で1990年に父:越南146号(後のハナエチゼン)、母:東北143号(後のひとめぼれ)の組合せで交配した[1][2]。育種年限を短縮するため、交配の翌年にバイオテクノロジーの葯培養法を行う[1][2]。その結果得られた倍加個体[3]から得た穂を穂別系統選抜[4]し、1992年に有望な1系統に「佐系葯97号」の系統名が付与された[1]。1993年に生産力検定及び各種特性検定の結果を総合し地方系統名「千葉6号」が付与された[1][2]。1995年には水稲奨励品種決定基本調査、及び現地調査を行った結果、品種として有望と認められたため、同年12月に種苗法に基づく品種登録申請を行い、1997年3月に奨励品種に採用された[1][2]。
1996年8月に名称の公募を行い、27850点の応募の中から1997年1月に、房総半島の『ふさ』に乙女を組み合わせて「ふさおとめ」と命名された[1]。1998年に初出荷[5]。
冷害に強く、いわゆる早場米であるとともに、食味評価Aを得るなど、隠れた名産米である。2016年現在、外食・中食向けの業務用米として多用されている[6]。大阪堂島商品取引所のうち、業務用米が取引される「東京コメ」市場にて2015年から指標銘柄のひとつとなっている[7][8]。
交配品種
ふさおとめを交配親とした品種には以下のようなものがある(品種名が定められたもののみ抜粋)[9]。
- ふさこがね
- 一番星
- ふくまる
- よさ恋美人
ふさおとめちゃん
ふさおとめのキャラクター「ふさおとめちゃん」は、赤いリボンをつけ、菜の花(千葉県の県花)の帯、赤い和服を着たおとめの姿をしている[10]。「その萌え要素を含んだ姿や初交配」という言葉から、一部にファンがおり、関連するウェブサイトや、フィギュアを作る者も現れた。[要出典]
ただ、ふさおとめの出荷範囲の関係から千葉県のローカルキャラクターに近い扱いを受けている。[要出典]
原作者はイラストレーターのkeina。[要出典]
脚注
- ^ a b c d e f 渡部富男 1999.
- ^ a b c d 「8.水稲新品種「ふさおとめ」の育成 Archived 2010年10月25日, at the Wayback Machine.」 農林水産技術情報協会、2010年10月8日閲覧。
- ^ 葯培養によって、通常は数世代にわたる自家受粉が必要である、遺伝子型の固定を1世代で完了させる。
- ^ 葯培養を行う事で、遺伝子型が固定した個体から得られた穂1本分の種子をそれぞれ系統として扱い、比較する。
- ^ 「稲作だより 2009 11月号 Archived 2011年6月15日, at the Wayback Machine.」 JA全農ちば 米穀部。
- ^ “業務用コメ、16年産も高く、家庭用より需要、品薄観測”. 日経MJ. (2016年8月29日)
- ^ “16年産業務用米4割高、コメ先物、品薄観測強く”. 日本経済新聞. (2016年4月21日) 2016年9月15日閲覧。
- ^ “コメ先物、指標銘柄を変更 大阪堂島15年産から”. 日本経済新聞. (2015年3月27日) 2016年9月15日閲覧。
- ^ “「 ふさおとめ 」を親にした品種一覧”. 農研機構. イネ品種 データベース. 2023年6月19日閲覧。
- ^ 「ちばのお米」 千葉県庁、2010年9月13日。
参考文献
- 渡部富男「水稲品種「ふさおとめ」の育成と栽培・普及について」『日本作物学会関東支部会報』第14巻、日本作物学会関東支部、1999年、7-10頁、doi:10.20768/jcskanto.14.0_7、ISSN 1341-6359、NAID 110001787195。
外部リンク
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