殲撃8

航空軍事用語辞典++

【殲撃8】(せんげきはち)

中国国産の超音速戦闘機。
中国語では殲-8（殲撃8）を「ジエン・バー」と呼ぶ、またJ-8やF-8とも言う。NATOコードはフィンバックA。

殲撃8は同じ超音速戦闘機殲撃7の後継機で、外面は殲撃7をスケールアップしエンジンを双発化した機体である。
内面は旧ソ連ツマンスキー製のターボジェットエンジンである「R-11-300」を渦噴7型としてライセンス生産した以外、レーダー・電子機器・射出座席・機関砲等全ての部品は純国産物を搭載。
設計は第601航空機設計所が担当し、瀋陽航空廠（SAF、現在の瀋陽飛機工業集団（SAC））が製造を担当した。
1969年に国産第1号機が初飛行に成功し、1985年から量産化を開始し、初期型であるI型が実戦配備についた。
ちなみに輸出の方はされておらず、現在は中国人民解放軍が200機程度運用している。

殲撃8の性能はMiG-21より少し良いくらいで、殲撃7の後継機として満足の行くものでは無かった。
その後、殲撃8とは全く違う殲撃8IIの開発が開始された。
今後は高性能な殲撃11(J-11)の配備などにより徐々に退役していくものと思われる。

スペックデータ

乗員	1名
全長	19.5m
全高	5.4m
全幅	9.34m
主翼面積	42.2㎡
空虚重量	10,000kg
最大離陸重量	17,800kg
エンジン	渦噴7A型（WP-7A）ターボジェット（推力43.15kN/59.82kN（A/B使用時）×2基
最高速度	M2.0
航続距離	2,000km
海面上昇率	11,000m/min
実用上昇限度	20,500km
戦闘行動半径	432nm
固定武装	30I型30mm機関砲×2門（J-8） 23III型23mm連装機関砲×1門（J-8I）
兵装	PL-2・PL-5空対空ミサイル、各種爆弾、ロケット弾ポッド、増槽などを搭載可能。

派生型

• 殲撃8型
  初期生産型で昼間戦闘機型。
  
  
• 殲撃8I型
  SL-7A火器管制レーダーを搭載し、全天候性能を持つ改良量産型。
  
  
• 殲撃8E型
  殲撃8I型の改修型。JL-7AGレーダー新型アビオニクスやレーダー波警告装置を搭載。機体寿命の延長工事も行われる。
  
  
• 殲撃8R型
  偵察機型。JZ-8とも言われる。ロシアや朝鮮半島、日本に近い空軍基地に多数配備。
  
  
• 殲撃8ACT型
  フライバイワイヤー試験機。