『博物誌』に記された怪物
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/24 19:42 UTC 版)
プリニウスが記した『博物誌』には、実在する生物に混ざって、ペガサス、ユニコーン、スフィンクス、マンティコア、サラマンダーといった有名なものから、コロコッタ、アンフィスバエナ、カトブレパスなど、あまり知られていないものまで、多数の怪物が記されている。 アピス(Apis) 右腹に三日月型の白斑がある雄牛。エジプトの神牛。(第8巻第71(46)章第184 - 186節) アンフィスバエナ(Amphisbaena) 双頭の毒蛇。(第8巻第35(23)章第85節) エアレー(Eale) カバぐらいの大きさで、ゾウの尾をもち、毛色は黒あるいは黄褐色で、イノシシの顎をもち、どの角度にも動かすことの出来る2本の長い角をもつ動物。(第8巻第30(21)章第73節) カトブレパス(Catoblepas) 頭をいつも地面に垂れ下げていて、その目を見た者は誰でも即座に絶命する。(第8巻第32(21)章第77節) コロコッタ(Crocota, Corocotta) ハイエナと雌ライオンとの交配によって生まれる怪物。人間や牛の声を真似る。(第8巻第30(21)章第72節、第8巻第45(30)章第107節) サラマンダー(Salamandra) トカゲのような形をした、全身を斑点に覆われている動物。(第10巻第86(66)章第188節、第11巻第116(53)章第280 – 281節、第29巻第23(4)章第74 - 76節) スフィンクス(Sphinx) 毛が褐色で胸に一対の乳房がある獣。(第8巻第30(21)章第72節) ドラゴン(Draco) インドに棲むドラゴンは象と戦う際に、体を巻きつけ、動けないようにする。(第8巻第11(11)章第32節) トリトン(Triton) 半人半魚の姿をした海神。(第9巻第4(5)章第9節) ナウプリウス(Nauplius) 船の形をした貝。(第9巻第49(30)章第94節) ネレイス(Nereis) 半人半魚の姿をした海の精霊。 バシリスク(Basiliscus) キュレナイカ(リビア東半)に生息する猛毒のヘビの一種。その目で見られた者は即死、もしくは石化するといわれる。(第8巻第33(21)章第78 - 79節) フェニックス(Phoenix) アラビアに生息し、大きさは鷲ぐらいで、頸まわりは金色、尾は青く、薔薇色の毛が点々と混ざり、体は紫。(第10巻第2(2)章第3 - 5節) ペガサス(Pegasus) エチオピアに生息する翼の生えた角を持つ馬。(第8巻第30(21)章第72節、第10巻第70(49)章第136節) マンティコア(Mantichora) エチオピアに生息し、顔は人間、体は獅子、尻尾はサソリのようで、人間の声を真似るという。(第8巻第30(21)章第75節、第8巻第45(30)章第107節) ユニコーン(Monoceros) インドに生息し、馬の体、鹿の頭、象の肢、猪の尾を持ち、額の中央に黒く、長い一本の角が生えている獰猛な獣。(第8巻第31(21)章第76節) レウクロコタ(Leucrocota) ハイエナの異種。ロバほどの大きさで、鹿の肢、獅子の首、尾、胸、穴熊の頭、割れた蹄、耳まで裂けた口を持ち、歯のかわりに一本の連続した骨がある。人間の声を真似る。(第8巻第30(21)章第72節)
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