『一寸法師』以降の明智探偵とは? わかりやすく解説

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『一寸法師』以降の明智探偵

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/06 00:33 UTC 版)

明智小五郎」の記事における「『一寸法師』以降の明智探偵」の解説

明智のこの姿は、翌年大正15年発表の『一寸法師以後より一層洗練されたものとなる。ここでは明智御茶ノ水にある「開化アパート」(架空建物モデル大正14年竣工の「御茶ノ水文化アパート」だとされている)2階表3室を事務所とし、上海事件解決してきたあと暇を持て余す有名な素人探偵として登場派手な浴衣木綿着物姿から、上海誂えた黒の支那服や、背広着こなして貧窮下宿時代からの友人小林紋三から「いくぶん見栄坊になった」と称される洋装紳士となっている。 こちらの明智も「モジャモジャの頭」、「にこにことした朗らかな笑顔」、「伯龍そっくりの顔」、「飄々とた行動」、「本に埋もれた生活」は変わらないが、葉巻タバコの「フィガロ」を好みコーヒーを「カフィー」と呼んで飲むなど、西洋通またはキザなキャラクターとなり、その卓越した推理力から、警察関係者からは「奇人」と呼ばれる存在となっている。 『蜘蛛男』での明智は「『一寸法師事件から3年ぶりの帰国となっており、インド帰り登場したその姿は「鼻の高い日に焼けた顔」、「白い詰襟の上下にヘルメット帽」と、「まるで植民地英国紳士か、欧州印度紳士」と形容されるものとなっている。続く『魔術師』では、明智年齢は「30代後半となっている。 『黄金仮面』では、明智は「『蜘蛛男事件の際はホテル住まいをしていたが、このあと御茶ノ水開化アパート2階2室を借りそれぞれ事務所寝室使っている」と説明されている。この寝室には、明智変装用小道具収納されている。 この『黄金仮面』など、連載当時挿絵では、明智口髭生やした姿で描かれたものがあった。また、文中では「モジャモジャ頭」と記述されているにもかかわらず、なぜかどの挿絵でも、これに反して整髪した頭で描かれていた。 明智探偵方法は、証拠科学的な検証は「好きでない」として専門家任せ論理的演繹によって犯行犯人あぶり出すという手法である。乱歩時代時代明智像を合わせていったため、やがて明智探偵部下自動車使って悪漢追ったり、「石礫遠方標的正確に打ち飛ばす」、「犯人気づかないうちにピストルから弾丸抜いてしまう」といった手品まがいの芸当見せるなど、現実感希薄な天才英雄タイプの「行動探偵」に変身していった。また、探偵手法として「変装」を得意とするようにもなり、この変装友人波越警部らにも見破れない本格的なのである。 謎と見ると放っておかれず、仕事抜きで事件に関わっていくことも多い。また国家的事件の解決のために、朝鮮インドなど海外出張することも多い。「人間豹」などのおよそ人間とかけ離れた半人半獣とも戦った。この明智探偵子供向けの「少年探偵団シリーズ」と並行して戦後引き続き乱歩探偵小説活躍している。

※この「『一寸法師』以降の明智探偵」の解説は、「明智小五郎」の解説の一部です。
「『一寸法師』以降の明智探偵」を含む「明智小五郎」の記事については、「明智小五郎」の概要を参照ください。

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