《流石》の正しい読み方
「流石」の正しい読み方
「流石」の正しい読み方は「さすが」である。これは熟字訓と呼ばれる読み方で、漢字の組み合わせに対して読み方が決められているのだ。そのため「流石」の「流」を「さす」と読んだり、「石」を「が」と読んだりすることはない。なお「流石」は名字にも使われ、その場合は「りゅうせき」や「ながれいし」と読むこともある。「流石」の意味解説
「流石」には、「たいしたものだ」という意味が含まれている。事実が期待どおりだった際に、改めて感心したさまを表す言葉だ。感動詞としても用いられる。また、「それはそうだがやはり」という意味もある。ある事柄を認めながらも、それとは反対の感情があるような矛盾した状態でも、「流石」という言葉は使えるのだ。「流石の~も」という形にすると、「そうは言っても」という意味になる。この使い方は、ある物事の価値を認めてはいるが、一定の条件下では否定的になる場合に利用できる。なぜ「さすが」と読むのか・理由
「流石」を「さすが」と読むのは、中国の孫楚という人物の話に由来している。彼は「石を枕にし、川の流れでうがいをするといったような、自然と一体になった暮らしをしたい」と友人に伝えようとした。しかし「川の流れを枕にし、石でうがいをするというような暮らしをしたい」と言い間違えてしまった。友人に間違いを指摘されるが、「耳を洗うために川の流れを枕にし、歯を磨くために石でうがいをする」と言い訳をしたのだ。この言い訳を聞いた友人は「大したものだ、さすがだ」と感心したため、「川の流れと石」が「流石」となり、「さすが」と読むようになったと言われている。「流石」の類語・用例・例文
「伊達ではない」は、「流石」を「たいしたものだ」という意味で使う場合の類語だ。読み方は「だてではない」である。見かけ倒しではないという意味で、「彼の学歴は伊達ではない」という使い方ができる。「伊達に~ない」という使い方でも同じような意味となり、「彼は伊達に学歴があるわけではない」という形になる。「流石」を「それはそうだがやはり」という意味で使う場合の類語は「それでも」だ。「彼に非があるのは間違いない。それでもそこまで責める必要はないだろう」という使い方をする。「流石」を「そうは言っても」という意味で使う場合の類語は「幾ら何でも」だ。「彼は野球界のレジェンドだが、現役復帰するには幾ら何でも歳をとりすぎている」といった使い方がある。
「流石」の英語用例・例文
「流石」をたいしたものだと感心した際に使う場合、英語では「That's great!」と表記する。「That's great! You won the karate competition!(流石だね!空手の大会で優勝するなんて!)」という使い方ができる。期待した通りであった場合、「知っていたよ」という意味合いを含む「I knew it!」と表現することも可能だ。上記例文は、「I knew it! You won the karate competition!」という形にできる。肯定しながらも否定的な感情がある場合の「流石」を、英語で表現する際は「but」を使う。「The bread here is delicious, but this one is bad.(このパンは美味しいが、流石にこちらのパンは不味い)」という使い方をする。また、英語で「Even~can’t~」と表現すれば、「そうは言っても」という意味の「流石」になる。「Even though he is an expert, he can’t win the game.(彼はベテランだが流石にその試合には勝てない)」といった使い方がある。
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