εガンダム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/11 01:53 UTC 版)
開発コードε(イプシロン)の機体。通称「エプシィガンダム」。アナハイムでリック・ディアスについで開発が始められたガンダムタイプのMSである。 設定の初出は模型雑誌モデルグラフィックス別冊「GUNDAM WARS PROJECT Ζ」。デザインは小説『機動戦士Ζガンダム』(講談社刊)第1巻と第2巻の表紙の永野護デザインの機体が流用され、雑誌上では永野による全身図のラフ稿が初めて公開された。また作例として立体化するにあたり、モデラーの小田雅弘の協力で新たに設定と追加デザインなどが作られた。続刊の「MISSION ΖΖ」ではさらに設定が追加された。その他の文献には限定的な掲載しかなく、実質的に模型雑誌の独自設定として位置づけられていることに注意。以下、「PROJECT Ζ」「MISSION ΖΖ」が出典の機体はほぼ同様である。 「PROJECT Ζ」では、エゥーゴでリック・ディアスに続き2番目に開発されたMSで、リック・ディアスすなわちガンマガンダムの装甲に使用されたガンダリウムガンマをさらに改良したガンダリウムエプシロンを使用することからエプシィガンダムと命名されたとなっている。最大の特徴は、ガンダリウムエプシロンのおかげで中距離航行用の核パルス推進システム"ブラッサム(ブロッサム)"の搭載が可能であること。これによりMS単独での中距離航行が可能になる。さらにこのブラッサムは発動すると強力な磁場が発生するため、それ自体が対ビーム兵器用のバリアにもなる。背部にはシュツルム・ディアスに使用されたグライバインダーの発展型(ウェポンパックを兼ねる)を装備しており、その推力を一方向へ集中させることにより高加速性を実現する。但し、製作には莫大な費用がかかるため、実際の機体製作の機会は失われていた。そこでその設計データを流用した"ブラッサム"を排除したガンダリウムガンマ製の即戦力となる機体が開発され、それがデルタガンダム(百式)であるとされている。 「MISSION ΖΖ」では、アナハイム・エレクトロニクス社のG計画による2番目のガンダムとされている。長期的展望に立ったMS開発プランであり、ガンダリウム・エプシロンはまだ開発中で、0090〜0095年の完成を目標としているとされている(年表には0087年4月13日に本機のテストが失敗したとの記述がある)。。 また、「マイアニメ」誌上に掲載された小林誠による雑誌企画『THE EVOLUTION OF GUNDAM ガンダム進化論 ΖΖへの道』には、小林により「プロト・エプシィ・ガンダム」なる永野護によるΖΖガンダム企画案と酷似した機体が描かれているが、記事中ではエプシィガンダムとの関連性は語られていない。 もともとは『機動戦士Ζガンダム』の企画初期の準備稿に名前だけ載っていたMSで、そこでは反地球連邦政府組織がシャアに渡された「ガンダリウムε(GE)」を使用して開発し、のちに地球連邦政府のガンダムMK-Ⅱ(デルタガンダム)の技術と統合してΖガンダムを生み出したとされている。その後、本編では「ガンダリウムε」は「ガンダリウムγ」に変更され、その設定と役割はリック・ディアスと百式へと引き継がれた。 小説『機動戦士Ζガンダム』第1巻(講談社版)の表紙に描かれているガンダム型の頭部は、描いた永野護によればガンダムMK-Ⅱではなくこの企画書版の「エプシィガンダム」であり、首から下のデザインは同小説2巻表紙の永野版百式と同形であるという。
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