ε毒素
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/22 07:07 UTC 版)
D型菌はヒツジやヤギやウシなど草食獣に感染し、腸性中毒症を起こすことが知られていた。この感染症は急激に衰弱し死にいたる。ボツリヌス毒素、破傷風毒素に次ぐ強力な致死活性を示す毒素である。病理学的には脳組織の軟化と壊死を招き、腎組織も破壊され、四肢の痙攣がおこることが特徴である。稀にヒトにも感染する。D型菌の病原因子がε毒素と考えられている。ε毒素の受容体はシアロ糖タンパクと脂質が関与すると推察されている。D型菌の感染症はε毒素が腸管において腸間膜の透過性を亢進させ、その結果本毒素が生体内に取り込まれ、脳血管の透過性を亢進させ四肢の痙攣や脳浮腫や痙攣を起こすと推察されている。
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