2代目S11/12A型とは? わかりやすく解説

2代目(1986年-1992年)S11/12A型

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/13 07:13 UTC 版)

三菱・デボネア」の記事における「2代目1986年-1992年)S11/12A型」の解説

1986年8月登場初代モデル登場から実に22年ぶりのモデルチェンジが行われた。この2代目モデルのみ、「デボネアV」の名称となるが「V」には後述するV6エンジンや「VIP」など様々な意味を込めている。 開発担当責任者垣下プロジェクトマネージャーによれば、前モデル後継車作るプロジェクトは、発売10年ぐらい前から計画して頓挫という繰り返しだった。当初当然にFRとして企画されていたが、これがΣと同様のFF変更されたのは5年ほど前だった。FFで行くことが決定されたため、エンジンV6横置きしか選択がなく、プロトタイプV6エンジン台上回っているときに、タイムリーにクライスラーから打診入り結果的に他社との競合の末に年間45台をクライスラー供給するという大規模な契約ができた。これが、デボネアVが世に出る一番のキッカケとなったもう一つキッカケは、当時三菱提携関係にあったヒュンダイの「1988年ソウルオリンピックまでに、自国製の高級車欲しい」という事であった現代自動車ソウルオリンピックにおいてオフィシャルスポンサーとなっていたが、VIP向け送迎車使える高級車開発するノウハウ無かったことから、ノックダウン生産前提共同開発三菱自動車依頼した。これについては、三菱自動車社史に「1985年韓国現代自動車デボネア共同開発契約締結」とあるとおりだが、時期的に契約締結時には既にクレイモデル完成し設計作業入っている段階だったことから、共同開発とは言っても実際開発はほぼ三菱が行ったと思われる要約すると「高級車モデルチェンジ企図した三菱高級車作りたかったヒュンダイ、(アメリカ市場では比較小型となる)V型6気筒エンジン欲しかったクライスラー」の利害一致した結果である。 機構的には、車台1983年発売され前輪駆動ギャランΣのプラットフォームストレッチして使用。従って、上級グレードには、同HTVR系に装備されいた電制御サスペンションECSコイル併用型のエアサス)も用意された。また、エンジンは、当初V6の2,000cc SOHC前期105馬力後期120馬力)、V6の3,000cc SOHC前期150馬力後期155馬力)の2種類搭載。なお、後にハイヤー等への需要対応する形で、LPG仕様追加された。ミッションは、マニュアル設定はなく、ELC4速オートマチックのみである。 ボディサイズは前モデルと同様、当時でいう中型車クラス、つまりは開発当たって最大ライバル想定したクラウンやセドリック・グロリアと同じ5ナンバーフルサイズに収められた。先代後期モデル3ナンバー専用車になっていたのは、車体寸法小型車サイズであった搭載するエンジンが2.6Lのみであったためであり、今回モデルチェンジで、本来のライバルであったクラウン、セドリック・グロリアと同様、2,000ccと3,000ccのグレード展開となった。なお、3ナンバー専用車について垣下氏は「(このクラスでは)売れ行き自体5ナンバー集中する傾向があるので、敢えて3ナンバー専用にするのは、狭い市場狙ってのことになる」から時期尚早との判断であった1987年には150馬力までパワーアップした2,000cc「スーパーチャージャー」(1989年まで)と、1989年からは200馬力1991年210馬力パワーアップ)の3,000ccDOHC24バルブ1992年まで)が追加された。2,000cc「スーパーチャージャー」車の追加は、当時は3,000ccの「3ナンバー車」の税金が高いことによる節税ハイパワーとしての措置で、競合各社でもこのクラスの2,000cc車にスーパーチャージャー・ターボチャージャーを同様の理由装備していた例は多い。一方、3LのDOHCは、89年4月税制改正によって、3Lエンジングレードの需要拡大対応する必要があったことから、クラウンルーチェ等に倣って追加されたものであるライバルであったクラウン、セドリック・グロリアとの最大違いは、開発コスト制約から、セダンボディしか用意できなかった事である。当時クラウン、セドリック・グロリアは、フォーマルユースをセダンで、パーソナルユースHT賄っていたが、デボネアセダン一つフォーマルパーソナル両方需要満たす必要があった。そのため、高級パーソナルカーとして好評だった初代ソアラにも採用されていたプレスドアをデザイン上の特徴とし、細部デザインパーソナル雰囲気狙っていた(バンパーモール類、サイドのプレスラインなどにも初代ソアラ影響感じられた)ところが、その一方でフォーマルユースを満たすためには、同時に後席居住性重視しなければならなかった。そこで、リヤシートのタイヤハウスの出っ張り排除するため、リヤオーバーハング短く(=フロントオーバーハング長くしたため、かつての(アグリーレオーネなどと同様、ダックスフントのような不格好なスタイルとなってしまった。また、三菱販社では、一般向けに中型車を扱うのは事実上初めてだったことから、セールス氏からも「変わった車に乗りたいというユーザー売れているだけでは」という懐疑的な声も漏れた。 そのため、売れ行き知名度高く実績もある前2車の影に隠れ芳しいものではなかった。もちろん、三菱としても、拡販策として、当時西ドイツチューナーであるAMG(後のメルセデスAMG)社に監修依頼し外観にエアロキットと専用アルミホイール装備したAMGグレード設定したり、1988年にはイギリスの高級アパレルメーカー内装依頼したデボネア・アクアスキュータム、内装オーナードライバー向けとした「エクシードシリーズ更には1989年税制改正後には「3000ツーリング(その上級としてスーパーツーリング)」というパーソナルグレードが設定されたが、思うよう販売台数伸びなかった(3000ツーリング東京渡し235.4万円と、当時としては最も安い3Lセダンであったが、後に自社ディアマンテ3000GDIエスパーダ235万円更新された)。例えAMGモデルは、1991年生産終了までにわずか300程度しか販売されなかった。 なお、最廉価モデルは、発売当初212.5万円LG、ベンコラAT)からと、前出ライバル2車に比べ高め価格設定であったが、これは前2車にあったスタンダード及びデラックス相当する廉価版グレード更にはMT)が存在しないからである。また、前2車やルーチェ存在した営業車4気筒MTタクシー仕様車)の設定もない。これは、販売目標そもそも月販800台(当時中型車クラス年間販売台数が約20台だったため、その僅か5%)に過ぎず当初より所謂法人タクシー需要考慮していなかったためと考えられる。 なお、バブル期販売された車らしく、Y31セダン同様にリムジンとロングボディ仕様がある。前者前期モデルベースに、愛知三菱自動車販売株式会社企画販売したもので(前後ドアの間で600ミリ延長)、ノーマルヨーロピアンスタイルと、ランドウトップのアメリカンスタイル2種がある。一方後者後期モデルベースに、リヤドア150ミリ延長した3000DOHCロイヤル150で、メーカー自らが企画販売したボディ架装メーカー:(株式会社アッスル)。他にも、クラウンセダンなどと同様に、左後ろ屋根が開くブライダル仕様もごく少数生産された。 1986年 西ドイツチューニングメーカーAMGとのタイアップにより、ロイヤルAMG追加1987年2月 2Lエンジン高性能グレードとして、スーパーチャージャーエンジン搭載車追加1987年7月 愛知三菱自動車販売企画販売したリムジンとベンコラ仕様のロイヤルカスタムを発売3000ロイヤル標準装備電動格納式ドアミラーになりシルバーは、アイガーシルバーから グレースシルバーへ、マルーンは、メタリックのスーパーリスボンマルーンから パールのスーパーダーバンマルーンへ変更されスーパーダーバンマルーンは オプションカラーになる。 1988年5月26日 イギリスの高級ファッションブランドアクアスキュータム」とのタイアップモデルを追加。2,000cc「スーパーチャージャー」車がベース。「アクアスキュータム」はボディ専用色、グリルホイールマーク装備チェックシートなどで室内統一したもの。 1988年8月 個人ユーザー向けのエクシードシリーズ追加。2,000cc「スーパーチャージャー」車がベースエクシードシリーズは、公用車とは一線を画する派手な内外装色採用し専用ホイールカバーやアルミホイールなどを用意足回りもスポーツサスペンションやABSなどを装備している。 1989年4月 3ナンバー車各種税率引き下げにより、個人ユーザー需要増に対応した3,000ツーリングシリーズを追加内外装色個人向け派手なものとし、大型バンパーモール、サイドガーニッシュを装備1989年10月 マイナーチェンジ。3,000ccのエンジンDOHCツインカムユニットが追加従来OHCユニット出力向上。これに合わせてATを大容量化しホールドモードプラス足回り強化されて、フロントブレーキを2ポット式変更

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