抗炎症薬とは? わかりやすく解説

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抗炎症薬

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/12 06:21 UTC 版)

抗炎症薬(こうえんしょうやく、Anti-inflammatory)とは炎症を抑える医薬品の総称である。炎症そのものは異物の侵入や組織の障害といった生体組織にとって好ましくない刺激が発生した時に免疫系が引き起こす局所的な防御反応であるが、生体にとっての非自己の排除を助ける一方で自己である生体そのものにも一定の損傷や苦痛を引き起こす性質も持つ。医療に際して、生体の引き起こした炎症が過剰に人体を傷つけているアレルギー疾患や、外部から炎症を引き起こす生理活性物質が注入されることによって起こるスズメバチ刺傷、ドクガ刺傷などの治療に際してはこの炎症のデメリットを抑制する必要があり、そうした目的で用いられる医薬品が抗炎症薬である。主にステロイド系抗炎症薬と非ステロイド系抗炎症薬の2種類に分類される。






「抗炎症薬」の続きの解説一覧

抗炎症薬

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/27 02:53 UTC 版)

気管支喘息」の記事における「抗炎症薬」の解説

経口ステロイド薬 1950年代コルチコステロイド精製されるとすぐに喘息治療用いられ経歴がある。気管支拡張薬反応しなかった重度喘息でも極めて有効であったが、長期わたって全身投与を行うと多く有害な副作用出現するため、緊急時短期間投与のみが行われる。例外としてはステロイド依存喘息であり、やむをえず長期ステロイド全身投与を行う。民間療法ステロイド有害性過度に強調する情報があるが、これらは吸入ステロイドはじめとする治療ができる以前報告である。 吸入ステロイド薬ICS喘息長期管理薬第一選択として用いられるが、ICS/LABA合剤一つであるBudesonide/Formoterol発作治療薬としても使われることがあるSMART療法)。バイオアベイラビリティ吸収され血流中に残り全身分布する量)が低い薬剤用いられるため、全身性の副作用高血圧肥満骨粗しょう症身長伸び抑制など)はほとんどない考えられている。薬物量においても、全身投与ではmg単位必要であるのに対して吸入ではμg単位治療が可能である。嗄声口腔カンジダなどの副作用起こりえるが、吸入直後入念なうがいをして喉と口腔内から薬剤洗い流すことで防ぐことができる。ICSを低用量から高用量増量するよりも低用量ICSにLABAやLTRAあるいはLAMA併用した方がコントロール良くなる傾向がある。このような報告吸入全身影響少ないこともあり、合剤販売されるようになっている。ICS/LABA合剤として、アドエアシムビコート、ブデホル、レルベアフルティフォーム、アテキュラがあり、ICS/LABA/LAMA合剤において、エナジア、テリルジーに気管支喘息適応がある。気管支喘息において、これらの合剤は、リスク上げことなく発作を減らすことが報告されている 吸入器には定量噴露吸入器(pMDI)と自己吸気によるドライパウダー吸入器DPI)が存在する。フルタイドディスカス・ロタディスク、パルミコート・タービュヘイラー、アズマネックスツイストヘラー、アニュイティエリプタといったドライパウダー製剤、キュバール(ベクロメタゾン)、オルベスコシクレソニド)、フルタイド・エアーといったガス噴霧製剤エアロゾル)がある。またドライパウダー製剤ガス噴霧製剤などが上手に吸入できない小児などのために、デポ・メドロール(酢酸メチルプレドニゾロン)、パルミコートにはネブライザー吸入できる吸入液がある。ガイドラインに基づく治療をしている場合はLABA、LAMA併用を行う場合が多いため、ICS/LABA合剤あるいはICS/LABA/LAMA合剤は、携帯する薬品吸入回数が減ることで利便性が高い。 ロイコトリエン受容体拮抗薬(LTRA) 代表的な経口喘息治療薬軽症吸入ステロイド薬使用が困難である症例においては単独使用されることが多い。中等症〜重症では一般的には吸入ステロイド薬併用として使用されるリモデリング予防改善効果運動誘発性喘息アスピリン喘息鼻閉を伴うアレルギー性鼻炎月経困難症および子宮内膜症合併では特に使用推奨されている。好酸球性多発血管炎性肉芽腫症チャーグストラウス症候群発症リスク可能性指摘されたが、否定的な報告もある。代表的なLTRAには、プランルカスト商品名オノンなど)、モンテルカスト商品名シングレアなど)がある。効果発現薬剤によってことなるが、プランルカストでは2週間モンテルカストでは1日自覚症状改善するというデータがある。アトピー性が多い小児では好まれるプランルカスト小児の場合1歳以上に適応があり、カプセル(112.5mg)とドライシロップ10%)の製剤知られており7mg/Kg/dayで最大量は450mg/dayである。朝夕分服する。モンテルカストチュアブル錠(5mg)が6歳以上15歳未満細粒(4mg)が1歳上6未満適応があり、1日1回1錠を就寝前に投与される。特に小児ではJPGL2008ですべてのステップ第一に推奨されている薬剤である。ただしロイコトリエン関与しない喘息もあり、約60%の患者効果みられるケミカルメディエーター遊離抑制薬 クロモグリク酸吸入液(DSCGインタール等)は肥満細胞脱顆粒抑制するである。直前1回吸入するだけで運動抗原吸入によって引き起こされる気管支収縮軽減できる。しかし、その効果吸入ステロイド劣り、また発作治療用いることもできない。非アトピー性が多い成人喘息では用い機会はかなり少ないものの、アトピー性が多い小児喘息では比較効果があり有害な副作用がないということもあり小児科では非常に好まれる薬物である。クロモグリク酸吸入液は(20mg/2ml)で1回1A一日3回から4回、電動式ネブライザー用いて治療を行う。 抗アレルギー薬 スプラタミド、ケタスなどといった化学伝達物質阻害剤ケトチフェンアゼラスチンといった抗ヒスタミン剤なども処方されることがあるone airway one diseaseという考え方提唱されており、喘息アレルギー性鼻炎副鼻腔炎同時に治療する効果的考えられている。

※この「抗炎症薬」の解説は、「気管支喘息」の解説の一部です。
「抗炎症薬」を含む「気管支喘息」の記事については、「気管支喘息」の概要を参照ください。

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