カスタム・ハンドメイドVP
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/10 05:10 UTC 版)
「BREAK-AGE」の記事における「カスタム・ハンドメイドVP」の解説
1型 “九郎” イーディス社製VP“ゴブリン”をベースにしたカスタムVP。仁村桐生の搭乗機。当初は一般的な外見のVPとして製作されていたが、「ベンケイ」との再戦にあたって装甲を間接部・胸部装甲以外のほとんどを取り払い、ほぼ骨組みだけに近い外見のVPとなった。長射程の対戦車ライフル「ドーラ」一丁のみを武装とし、軽量・高機動を生かしたヒットアンドアウェイ戦法で敵を破壊する。左腕には小型シールドを装備しており、格闘戦時にはこれをもって相手を殴ることも可能である。 OVAでは原作と違い装甲を有しているが、パージすることで原作同様の姿になる。 九郎 Ver.2 1型"九郎"のバージョンチェンジ。対ベンケイ用に即席の改造を施した感が強かった1型と比べ、Ver.2ではさらに改造・調整が施され、以降の“九郎”シリーズに近い形になっている。主にバックパックや肩部等に変更が見られる。 九郎 Ver.3.1 大破した九郎Ver.2を長船会長の協力によって修理・改造した機体。新たなサブウェポンに使い勝手の悪い武装として有名な“日本刀(ジャパニーズブレード)”を装備し、今までの“九郎”とは打って変わって近接戦闘メインのVP。胸部にはターボチャージャーを搭載し、瞬間的な加速で敵との間合いを詰め、一刀の下に斬り伏せる事ができる。 刀は既製品ではなく、長船によって製作されたもの。またカメラ部に取り付けられた眼帯はVer.2の頃、ヒステリック・マドンナに破壊された部分の応急処理としてつけられたものである。 九郎 Ver.3.2 上記機体のバージョンチェンジ。外見にほとんど代わりはないが、布地の表現処理に容量を喰っていたのか、腰部分の草摺(くさずり)は取り外され、Ver.2およびVer.3.1では無くなっていた左腕のシールドも復活している。武器は対戦車ライフルと日本刀を装備し、遠近ともに対応可能だが主に日本刀で戦うシーンが多かった。 九郎 Ver.4 これまでの既製品をカスタムした機体と違い、完全に1から創られた“九郎”。ベンケイに搭載されていた戦闘処理ルーチン“Bモジュール”を載せているため、今までにないほどのデータ量で創られている。頭部中央のメインカメラのほかにサブカメラを両こめかみ部に2つ持ち、その風貌から「三つ目」と称される事も。ただでさえ高かった機動性はさらに向上し、あまりの速さにレーダー上ではミサイルと誤認されるほどである。 主な武装は今まで通りの対戦車ライフル。こちらもバージョンアップされており、セミオートマチックから精密射撃に重点を置いたボルトアクションに変更、命中精度・貫通力共に大きく向上している。煙幕弾も搭載している。銃身が長くなってはいるが、折り畳みが可能でコンパクトに持ち歩ける。また、固定武装としてショットシェルを仕込んだ射出式のワイヤーアームも持っている。 もはや装甲は無いに等しく、ほぼ骨格のみで動くというある意味異常なVP。 III対応"ベンケイ" 下記のプロトタイプ・ベンケイをマイナーダウンしDP3でも起動可能としたVP。武装は両腕のバズーカ2門をメインウェポンとし、ガトリングガン1門、キャノン2門、グレネードランチャー、ホーミングミサイルと出鱈目な数の重火器を持つ。一方、機動面においても全14基ものバーニアと各部のAIバランサーによって、その超巨体に似合わず機敏な動作が可能である。さらには武器と下半身を切り離してのホバリングまでもが可能で、その圧倒的性能にはVP開発に携わる者までも驚愕させた。 そして、ベンケイには累計撃墜数が1000機をカウントすると起動する強力なコンピューターウイルス「BREAK AGE」が内包されており、このウイルスは破壊と創造(D.P.IIIのマスターシステムの破壊ウイルスとD.P.Ⅳの開発構想プログラム)という二つの側面性を持っている。 プロトタイプ・ベンケイ ディートリッヒ・高原が生み出した原型のままのベンケイ。DP4以降でなければ起動することができないことから、DPのバージョン・アップを見込んだ上での設計であることがわかる。火力、サイズ、装甲とあらゆる面において3対応“ベンケイ”をはるかに上回り、武装は前面にキャノン砲×4、頭上のホバリングユニットに対空砲×2、胸部には機銃と思われるものが2門、右腕には大型ガトリングガン、左腕にはレーザー砲まで備えた極悪な性能のVP。特にレーザー砲は周囲のV.Pをまとめて薙ぎ払えるという高出力である。 後に操縦と火器管制を分離した複座仕様のプロトタイプ・ベンケイも登場したが、性能面では特に変更は無かったようだ。 バリアブルベンケイ プロトタイプベンケイを九郎との連携を前提において改造したVP。コックピットのある上半身の「ウイング(パンツァー・ドーラ)」と下半身の「タンク(ドーラ)」に分離できる(この辺りは今までのベンケイのシステムを継承している)。 「ウイング」は九郎Ver.4と合体し飛行能力を与え、「タンク」は地上にて援護するという役割がある。この場合「ウイング」のコントロールは九郎に渡されるが、基本的には双方ともにベンケイのパイロットがコントロールを引き受けることになる。これによって「タンク」が撃破されてもパイロットは生き残ることができる。 武装は基本的にプロトタイプベンケイと同様のものとなっているが、多くのVPを倒すことを目的に作られた今までのベンケイと違い、特定の敵を駆逐する事を目的としているため、武装は絞り込まれてある。最大の武器として「ウイング」は合体後、変形を行うことによって「ルフト・ドーラ」と呼ばれる広範囲殲滅可能なレーザーキャノンが使用可能となる。ただし、砲塔は使い捨てになっているため、使用は一回きりである。 サインボルフ デッガー社製VP“ボルゾイ”をベースに改造されたVP。桐生の親友、大輔の愛機。一見した所、外見はほぼ無改造のボルゾイにしか見えないが中身は非常に高い改造が施された燻し銀な機体。物語後半でバージョンアップが行われたが、やはり見た目はほとんど変わらず、武装しか変更点がないように見える。桐生が割と頻繁にVPを乗り換えていたのに対して大輔は一貫してこの機体に乗り続けており、彼の愛着の高さがうかがえる機体である。 武装は右腕に固定型バルカン砲。もしくは同じく固定式のアームキャノンを装備し、バージョンアップ後は手持ち式のグレネード・ランチャーに持ち替えている。また、ボルゾイ持ち前のパワーを生かしてのブラスナックルやショルダータックル、掟破りのせん抜き攻撃(?)など各種格闘戦にも対応が可能。 グリーナー ブラックホース社製VP“デザフィーオ”をベースに改造されたVP。パイロットであるビリーの趣味が前面に押し出されており、見た目はまるで西部劇に登場するガンマンそのものである。作中では出なかったが、唯一人の顔がついているVPでマスク部の下に口がついている。 武装は見た目通りのシングルアクションの中折れ式リボルバーガンとランダルショットガン。主攻撃はリボルバーガンの早撃ちで、ショットガンは装備してはいるものの、作中では“トロイ”との対戦中にごく僅かに使用されただけにとどまっている。アナクロな武装の割に戦闘能力が高いのはパイロットの腕によるものだろう。ちなみに機体名の意味は“未熟者”。 黒曜丸 アメリカ製VP“ジェロニモ”をベースに、戦国時代の武者をモチーフとした外観にカスタムされたVP。LENことネリーの愛機。ネリーがVPのカスタムにあまり詳しくないため、機構・武装共に至ってシンプルであるが、パイロットの腕によってフル装備の“九郎”Ver.3と互角に戦えるほどの戦闘能力を引き出されている。武器は大小2本(本差・脇差)のジャパニーズ・ブレードのみ。とはいえ、ネリーはこの武装のみで並居る強豪を切り伏せている。ある意味では最強のVP。 飛(フェイ) イーディス社製VP“スプライト”をベースに改造されたVP。カスタムには彩理の手も加わっており、初心者向けに機動性・操縦性・少々の装甲を強化した扱いやすい機体となっている(はずである)。武装は両腕部にマウントされたアームガン。装甲がナックルガードの役割も示すため多少の格闘戦にも耐えられる。スプライトの特徴でもある、4つの背面スラスターによるきわめて高い滞空性能をもって空中戦を得意とする。本来ならば、この手のタイプは回避力を生かしての一撃離脱が有効な戦法であると思われるのだが、有珠の性格からか敵に喰らいつくように突撃をかけては返り討ちに遭っていた。 トリックスター クリムゾンに対抗するため、謎の人物VPファイターとVPエースの二人(その正体は長船と任谷)によって開発された複座可変型VP。登場時はステルス素材のマントを頭からかぶり、まるで幽霊の様な外見をしているが、マントを脱ぐや細身の本体が現れる。その外見から「お化け野郎」とも呼ばれた。 武装は射出式ワイヤー・アンカーを備えた高周波の鎌とホーミング・ミサイル。肩部にマジックハンドが一対ある。 Bモジュールによって得られた大容量の殆どをステルス素材のマントに使用しており、また、自爆装置を備えるなど製作者の遊び心に満ちたVP。高速移動形態もステルス・マントをかぶった際にいかにお化けらしく見えるかを突き詰めた結果、というあたりは流石と言える。機体性能は高く、操作系統も(SAランカーのサポート付きではあるが)ノービスが十分に操れるほど高度に組まれている。 ステルス・マントの頭(に見える部分)には「死」の一文字が書かれているが、長船がメンテしている場合「花」、「苑」などわざと間違えた字になっている。後にマイナーダウンをしてイーディスから既製VP「フェイクスター」として発売された。 クリムゾン 業務用回線を荒らしまわる可変型VP。真紅の塗装とその変形時の形状から「ザリガニ」「マッカチン」などとも呼ばれる。 外見上では九郎Ver.4のデータを取り入れる以前の外骨格型の初期タイプと、九郎Ver.4のデータを取り入れた後の後期タイプ、九郎Ver.4およびバリアブル・ベンケイとの決戦に使用された最後期タイプの3つが存在する。 初期タイプですらベンケイに匹敵する火力・装甲・反射を備えた強力なVPであり、九郎Ver.4のデータを取り入れた後期タイプは九郎Ver.4とプロトタイプ・ベンケイのコンビすら圧倒するほどの性能を示した。 武装はキャノン2門。基本的には格闘戦で勝負を決めている。変形時は両足が変形したクローアームで握りつぶしも行っている。最後期タイプでは収束式ミサイルパックを数基装備している。作中には登場しなかったが、仕込みトンファーも装備している。 ティガー 後期型クリムゾンをベースに改良を加えたVP。その模様から「クルマエビ」とも。製作者曰く、クリムゾンの120パーセントほどの性能らしい。 肩部のミサイルポッドが取り外され装甲を強化している他、作中未使用のワイヤークローが装備されるなどオリジナルとは一部使用が異なるのが特徴。 トロイ 藤井海音が作り出したVP。Bモジュールによって大型化しているが、その性能は全体データの大半がクリムゾンのデータに食われるため、容量は見た目ほど多くは無く普通の大型VP止まりである。アームキャノンとナックルによる近・中距離戦タイプだが、上半身に格納された複数の小型キャノンによる中範囲遠距離攻撃も行える。 ゴールディ トーマスの愛機であるハンドメイドVP。ハイアームズ家の家紋である馬の頭をモチーフにしている。機動性に優れ、一撃離脱戦法を得意とする。武器は火薬式のバンカーランス。機体色は名前どおりの金色。 アシュレイ ジェラルディンの愛機である中世騎士型のハンドメイドVP。上記のゴールディと比較して、攻撃力を重視した接近戦闘型VP。武器は高周波振動するワイヤーを張ったバスターソード。 DPIII時代は重装騎士の様なデザインだが、後にDPⅣ仕様にカスタムされ、スマートな騎士型VPに生まれ変わった。 アルジャーノン、ブリンデル 双方ともにデッガー社製VP“グレイシャー”をベースに作成されたカスタムVPで、桐生が九郎より以前に愛機としていた。 桐生の愛機を時系列順に見ると、アルジャーノンの「A」・ブリンデルの「B」・九郎の「C」とアルファベット順に並んでおり、OVA版では「アルジャーノン、ブリンデルの次はCで始まる名前が良い」と本人も漏らしている。 アルジャーノンは大型バズーカを装備した火力重視の機体だが、火力に拘るあまりに全体バランスに欠いた機体。軽量化のために各部に空けられた穴が特徴的。 一方のブリンデルは性能バランスに優れた機体で、桐生のカスタムセンスの向上が窺える。固定武装として左手にアームガンを装備し、肩に大型バズーカと照準サイトを取り付けたタイプと肩に補助ブースターユニットと手に両手持ちのガトリングガンを装備したタイプとがある。 ジャグラー 長船の愛機。グレイシャーをベースに作られている。特徴的なのは全身のリアクティブアーマーで、通常ならば致命傷というべきダメージを受ける場面であっても相殺することが可能。またパイロットの操作で受動的に爆発、装甲をぶつけて攻撃に転化させることもできる。 グレープシード DP初心者の邦香のために長船が作ったVU。尾翼の無い2枚のローターがついたヘリコプターといった外見で、機首の下に装備されたバルカンが唯一の武装。 戦闘能力よりも機動性・回避性を高めることで、サバイバビリティを重視している。「DPを楽しんでもらいたい」という長船の気持ちがこもった機体といえるだろう。 ヒステリックマドンナ 桐生の父・哲東が勝手に"九郎"のバックアップを持ち出し、カスタムしたVP。どちらかといえば男性的な"九郎"に対し、名前どおりな女性的シルエットを有する。 もともと高機動な"九郎"をベースに、さらにバーニアを増設・脅威の機動性を実現している。胸部装甲の下にはバーニア用のエアーインテークが守られている。 武装は電磁ムチ。これにより電流を流されると、対策を講じていない大抵のVPは回路がショート、行動不能となる。 天の川チョップ1号 哲東によるオリジナルのカスタム機。グレイシャーをベースにしているものの、その面影は微塵も見られない。 作中では使用されなかったものの、伸縮自在の蛇腹関節・恐怖の1t爆弾・高速移動する地下足袋型の脚など性能としては抜群(ただし、マスターシステムがこのまま受け入れるかどうかは不明)。 若き日の長船も興味を示しているなど、外見からは想像がつかない機体であると同時に哲東の隠れた技術力の片鱗を見られる貴重な機体でもある。
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