「POINT OF NO RETURN!」編
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 09:04 UTC 版)
「キリン (漫画)」の記事における「「POINT OF NO RETURN!」編」の解説
キリン 時代はバブル期。都内の中小広告代理店に勤める38歳(初登場時)離婚歴のある男性。本名は不明(作中で一度も氏名を呼ばれる描写が無い為)。同年代の男性よりも多い収入を得ており、鍛え引き締まった体もあって女性には不自由していない。自宅マンションの寝室にはポルシェ911のポスターが掛けられていて、一夜を共にしたOLから「車(ポルシェ)好き」と誤解をされる。 70年代の若い頃(26歳)に、カワサキ750RS(Z2)で北海道ツーリング行き、サロベツの未舗装路上でポルシェ911に追い越され、巻き上げた砂煙で視界がきかなくなり転倒する。「それ以来、ポルシェ911とバトルすることに執着するようになったのでは?」とツーリングに同行した年下の友人(現在はバイク屋「LAST LAPの店長」)が語るが、キリン自身の回想シーンで、夜の中央高速(多分大月~談合坂間の連続高速コーナー)でポルシェに追いつけず、いつか必ずぶち抜くと誓う描写もある。 7年前に、関越道にて発売直後の逆輸入車スズキGSX1100E(通称:大べコ)を駆り、200Km/h以上で走行中、追い越し車線に出て来たメルセデスベンツ500SELに追突(ベンツは180km/hで追い越し車線に出てキリンの駆るバイクに追突された)。中央分離帯のグリーンベルトに投げ出されて生死の境を彷徨う重大な怪我を負い、長期入院中に「もうバイクに乗らないで。乗るなら別れる」と言う妻(娘あり)とは離婚する。(事故原因は「デカ尻女」ことポルシェとのバトル中だったんじゃないかと後にチョースケが語る)。それから数年経ち、事故での長期入院による失業後、役員待遇で雇ってもらった広告代理店の仕事をソツなくこなし、平穏な毎日に何処か不満を感じながら暮らしていた(この頃にスズキGSX1100Sカタナを逆輸入で購入)。バイアス・タイヤ指定の純正ホイールに、あえてチューブレス・タイヤを履くのがこだわり。 ある夜、東名高速上でポルシェとバトルになり最後には先行するが、実はポルシェが料金所手前でスピードダウンしたからで、キリンは料金所を見落とし支払待ちの車列に追突する事態をフルブレーキングで間一髪回避するが、このバトルに負けたと感じる。そんな時、仕事上で知り合ったマルタケ不動産社員の橋本が乗って来た「デカ尻女」ことポルシェ911に出会い、自分の中に眠っていた闘争心とこだわりに気付く。そしてキリンは自身のこだわりを清算する為に、その時、所有していたゴールドのBMWR100RSを手放し、以前に乗っていた「カタナ」を買い戻す。この時は、集合マフラー、フロント&リアウインカーの埋め込み加工、フレームの補強といったライトチューンが施されている。 若者「チョースケ」に勝負を度々挑まれ、箱根までの走行を承諾するが、キリンのカタナとチョースケの駆るカワサキGPZ900Rニンジャの性能差に愕然とする。箱根ターンパイクの料金所で休息しているとポルシェが現れ追いかけるが、橋上の高速コーナーでは180km/h以上でオーバーステアを抑え込む本物のポルシェ乗りに出会う。追いかけていたチョースケのニンジャはポルシェを追いかけるが、その挙動で車線を逸脱、転倒してしまう。 白もしくはシルバーの皮ツナギ、ニー・スライダー無し。Araiの白のフルフェイスヘルメットがキリンのスタイル。バイク屋の試乗車スズキGSX-R1100に乗って峠に行き、現在(当時)のオートバイの走行性能の高さに驚く。 キリンは友人でもあるLASTLAP店長に「これで最後だ」と約束し、フルノーマルに戻したカタナで、橋本のポルシェに挑む。東京 - 浜松間での非合法公道レース。その公道バトルにモヒとチョウスケがそれぞれの思惑から乱入してくる。東名高速に入って早々にクラッチワイヤーが切れるアクシデントに見舞われ、目の前で殺人行為に近い出来事も起こるが、尚も走り続ける。由比に差し掛かったところでギヤ抜けを起こし、トラクションが抜けたカタナは操作不能となり、側壁を飛び越えてバイクごと海に落ちるも、肋骨のヒビと足首の骨折のみで生還する。 「The Horizontal Grays」編でも、同一人物と思われる者がたびたび登場し、BMWのK100やK1200RSに乗っていた。 モヒ / マスター / 長尾泰三 「バーンストーム・トゥルップス」のオリジナルメンバー。KADOYA製のシンヤレプリカ「バトルスーツⅡ」とBST看板付きGベスト。モヒカンの髪型に、オリジナル塗装のヘルメット(メーカー表記無いが、Arai製かBELL製)が特徴。下はジーンズ素材のバトルスーツⅡ型(現在廃版品)。シリーズ中3部にわたって登場する唯一の人物。愛車はホンダCB1100R(1部、3部ランブル焼失後)、カワサキGPZ900R(2部前半)、カワサキZZR1100C型(2部後半) 1部では、早朝の都内でバトルするキリンのカタナと橋本のポルシェに気づき「おもしろそうじゃねえの」という気分で、この伝説となる公道バトルに参加する。愛車ホンダCB1100R改で2台を追いかけ、東名高速では一時は先頭に立つが、最終的にマシンのエンジンブロー(過回転によるバルブ欠損)で脱落、直後に先行するキリンのカタナが事故を起こすのを目撃する。 バイク乗りが集まる喫茶店「ランブル」のマスター。所属するバイクチーム「バーンストーム・トゥルップス」(BST)は、複葉プロペラ機で農家の納屋を背面飛行ですり抜ける曲芸飛行隊をモチーフにしており、看板の飛行機の絵も背面飛行。公道0-400mレースで知り合ったナナハン乗りの男(CB750F)と、若き日のモヒ(ヤマハRZ250改350ccエンジン)が意気投合し2人で結成したチーム。だが、そのナナハン乗りが桜の咲く季節に事故死してしまったため、モヒがチームを引き継いだ(「バーンストーム・トゥルップス」の実質的なリーダーは、モヒかと思われるが、作中では明記されてはいない)。ちなみにマスターのモヒカン頭もそのナナハン乗りから受け継いだもの(別巻参照)。マサキにGPZ900Rを譲り、自身は、当時世界最速と言われたカワサキZZ-R1100C型に乗る。マサキに譲ったニンジャのエンジンを整備がてら(改造?)する描写もある。喫茶店の看板がRAMの3文字なのは、BSTメンバーのおじさんがサイズを間違って発注してしまったため。 「チャック・チャック・イェーガー」と唱えれば不安は解消すると冗談めかして喫茶店の近所に住む中学生に人生指南したり、店が火事の際は近所にふれ回るなど、外見はいかついバイク乗りだが普通の市民としての生活をおくっている。作中、実家に帰省した際には着流しを着るなど、バトルスーツからのイメージとは違う描写もある。 チョースケ / 渡辺長介 1部では、カワサキGPZ900Rニンジャ乗りとして登場。SHOEI製フルフエィスの黒に3本のイエローラインのオリジナル塗装がトレードマーク。1巻~4巻までのPONR編では、赤いウィンドーブレイカーにジーンズといった軽装で伝説のバトルに参加した。 男として円熟の域にあるキリンとの対比キャラクターとして、作品初期の段階ではキリンに対し何かとつっかかる青年であり、若いバイク乗りを体現したキャラクター。キリンと共に箱根ターンパイクに行き、本物のポルシェ乗りに遭遇。バトルを仕掛けるも高速コーナーを4輪ドリフトで走り抜けるポルシェにつられ転倒し、愛車のニンジャを全損させる。数話のエピソード後、キリンと同じカタナで速さを証明したい思いからⅡ型(赤)に乗る某バイクチームのヤゴさんを夜通し口説き、「今乗っているスズキGSX1100-Rと交換ならば」と承諾させる。赤のカタナⅡ型を自分のバイクにした直後の明け方、目の前でキリンと橋本のポルシェのバトルを目撃する。慌てて追走するが、信じられない程プアなブレーキ性能や160km/hからチャタリングの出る、旧いバイクの低性能に衝撃を受ける。そして、同じバイクを自分よりも乗りこなしているキリンのライディング技術と度胸を認める事になる。 後に、若いマサキに対して自らの体験を語る・キリンの思いを語り継ぐキャラクターとなっていく。「バーンストーム・トゥルップス」のメンバー。キリンに憧れながら、自身のバイク乗りとしてのポリシーを作り上げてゆく。サイコとユーノ・スロードスターでスキー旅行へ行く描写もあるが、作中では、仕事をしている描写が一切ないので、当時は大学生なのか不明。 2部「The Horizontal Grays」ではBSTのメンバーになり、首都高でスカイラインGT-R(BNR-32)のみで結成されたチーム「モルフェス」とバトル中、転倒。ニンジャを全損焼失。自身も大怪我で入院するが、完治しないまま退院し、モヒも乗るZZR1100C型でGT-R改に乗るR-32GT-Rのチーム「モルフェス」のリーダーに再戦を挑むが、300km/hを超える速度で湾岸線をバトル中に大型トラックと接触し事故死(14巻)する。 橋本 マルタケ不動産に勤める男性。キリンより二つ年下の36歳。キリンと仕事の取引で知り合った事がきっかけで、キリンにバイクとの競争を持ちかけられ浜松までのバトルを繰り広げることになる。筋金入りのポルシェ・パラノイアで、1973年式カレラRSと、SタイプエンジンをTタイプボディに載せた1984年式911カレラを所有する。以前はポルシェ930ターボも持っていたが、ターボは気に入らなかったらしい。ちなみに1973年式のカレラRSは通称「ナナサン・カレラ」と呼ばれポルシェ愛好家からは神格化された特別なモデル。本来のポルシェ911シリーズはこの930型までと評するのは、ABS(アンチロックブレーキシステム)やエアバックなど付かない故。この後、964型に代わり近代的安全装備が付帯されるが、シリーズ初の4WDをラインナップした関係上、シャーシも一新されたがカミソリのような危ういダイレクト感も失った。 仕事上では腰の低い紳士的な人物だが、車に乗ると一変。心中はバイクに対し軽蔑の感情を抱いている。キリンとのバトルでは、休日の早朝とはいえ、都内を160km/hで走り、追うキリンに「求めていた最高のバトルの相手」と認めさせる。別エピソードでポルシェが後方のバイクのライトにイラつき、高速道路上で路肩からの追い越しをかけ直後を走っていたオートバイが転倒、ライダーが後続のトラックに轢かれる事故場面が挿入されるがドライバーが橋本かは不明。チョースケのニンジャを箱根ターンパイクで屠ったポルシェのドライバーも同様に不明。 中村 クリスマス前夜、キリンとバーで出会い、一夜の関係を持った24歳のOL。彼女との出会いが、キリンがバトルに復帰するきっかけとなる。バイクについて全くの無知だったが、キリンが見ている世界を自分も理解したいと、作中で中型免許を取得。唯一、教習所の場面で「中村さん」とアナウンスされる描写があり、それがこの女性の苗字なのかは不明確である。また会社での事務職の描写もある。1部4巻の最後では、中型免許を修得し、当時最新のホンダVFR400Rで骨折したキリンをダンデムして登場する。その後、2台でロングツーリングに出かるシーンで「POINT OF NO RETURN!」編は終了する。
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