SWOT分析 組織での利用

SWOT分析

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/05 01:42 UTC 版)

組織での利用

SWOT分析は、社会サービスや社会変革の取り組みの成功を促進または阻害する組織、地域社会、およびより広範な社会における肯定的および否定的な要因を特定するためのツールとして組織で使用されてきた[8]。組織における強み、弱み、機会、脅威を評価する予備リソースとして使用される[9]

SWOT分析はプランニングの一部であるが、単独で使用するだけでは戦略計画を提供せず、SWOTリストは一連の推奨事項の提示に留まる[10]

組織で行われたSWOT分析の例
組織で行われた単純なSWOT分析の例

強み・弱み (組織内の内的要因):[8]

  • 資源(財務・知的財産・立地)
  • 顧客サービス
  • 効率性
  • 競争上の優位
  • インフラ [これは社内インフラ?外的要因?]
  • 品質
  • 材料
  • 経営管理
  • 価格
  • 輸送時間 [これは社内設備による?外的要因?]
  • コスト
  • 容量
  • 主要顧客との関係 [これは外的要因?]
  • 市場における知名度・評判 [これは外的要因?]
  • 地域言語の知識
  • ブランド
  • 企業倫理

機会・脅威 (コミュニティや社会に起因する外的要因):[8]

  • 政治・法令
  • 市場トレンド
  • 経済状況
  • 株主の期待
  • 科学技術
  • 公衆の期待
  • 競合他社の行為

制限事項と対策

SWOTは議論の出発点として意図されており、特に急速に変化する環境において、競争上の優位性を達成する方法をマネージャーに示すことはできない。 メノンら (1999)[11]、 ヒルとウェストブルック (1997)[12]は、「後に誰も戦略の後期段階で(SWOT分析の)出力を使用しなかった」ことを示唆した。他の人は、急ごしらえのSWOTリストを批判した[13]。コスト管理などの強みのひとつだけに焦点を当ててしまうと、製品の品質など、弱みを無視する可能性がある[4]。組織メンバーのうちの一人か二人のみの声が大きいと、他のメンバーの貢献の可能性を軽視してしまう[14]マイケル・ポーターは、厳格さに欠け場当たり的なSWOTの弱点に対応するためにファイブフォース分析を開発した[15]。その他にも、WOTS-UP(グレーとスメルツァー、1989)やTOWS(重視する点を反転させ、外的要因を最初に)といったフレームワークが作られた[5]

SWOT分析の他の弱点として、例えば、目標を達成する際に本質的に重要であることを考えずに、単なるSWOTリストの編集に注力してしまう可能性がある。また、弱い「機会」と強い「脅威」を釣り合わせるために、明確な優先順位や批判なしに分析が行われる可能性がある。

慎重に分析を行うためには、いかなるSWOT項目も早期に取り除かないことが重要である。個々のSWOT項目の重要性は、それが生み出す戦略の価値によって決まる。すなわち、価値ある戦略を生み出すSWOT項目は重要であり、生み出さないSWOT項目は重要ではないと判断される。

回避すべき誤り

SWOT分析に関して以下のような誤りが観察されたことがあり、注意が必要である。

  • 目標を定めて同意をとる前にSWOT分析を行う。そのような分析結果には意味がない。
  • 外部の「機会」と内部の「強み」を混同する。これらは別々にしておく必要がある。
  • SWOT項目を戦略と混同する。戦略は行動を定めるのに対して、SWOT項目は状況を説明するものである。この誤りは「機会」の分析に関して特に発生する。この誤りを避けるためには機会を「見通しが明るい状況」と解釈しておくことも有用であろう。

関連項目


  1. ^ 板倉宏昭 『経営学講義』 勁草書房、2010年、40頁。ISBN 978-4-326-50334-6 
  2. ^ SWOT Analysis: Discover New Opportunities, Manage and Eliminate Threats” (英語). www.mindtools.com (2016年). 2018年2月24日閲覧。
  3. ^ Caves, R. W. (2004). Encyclopedia of the City. Routledge. pp. 653. ISBN 978-0415862875 
  4. ^ a b Dess, Gregory (2018). Strategic Management. United States: McGraw-Hill. p. 73. ISBN 9781259927621 
  5. ^ a b History of SWOT Analysis”. 2020年12月21日閲覧。
  6. ^ Humphrey, Albert (2005年12月). “SWOT Analysis for Management Consulting”. SRI Alumni Newsletter (SRI International). http://www.sri.com/sites/default/files/brochures/dec-05.pdf 
  7. ^ Albert Humphrey The "Father" of TAM”. TAM UK. 2012年6月3日閲覧。
  8. ^ a b c Community Toolbox: Section 14. SWOT analysis”. 2014年2月22日閲覧。
  9. ^ Westhues, Anne; Jean Lafrance; Glen Schmidt (2001). “A SWOT analysis of social work education in Canada”. Social Work Education: The International Journal 20 (1): 35–56. doi:10.1080/02615470020028364. 
  10. ^ Our Community”. 2014年3月16日閲覧。
  11. ^ Menon, A. (1999). “Antecedents and Consequences of Marketing Strategy Making”. Journal of Marketing (American Marketing Association) 63 (2): 18–40. doi:10.2307/1251943. JSTOR 1251943. 
  12. ^ Hill, T. & R. Westbrook (1997). “SWOT Analysis: It's Time for a Product Recall”. Long Range Planning 30 (1): 46–52. doi:10.1016/S0024-6301(96)00095-7. 
  13. ^ Koch, Adam (2000). “SWOT does not need to be recalled: It needs to be enhanced”. Swineburne University of Technology. http://www.westga.edu/~bquest/2000/swot1.html. 
  14. ^ Chermack, Thomas J.; Bernadette K. Kasshanna (December 2007). “The Use of and Misuse of SWOT analysis and implications for HRD professionals”. Human Resource Development International 10 (4): 383–399. doi:10.1080/13678860701718760. 
  15. ^ Porter, Michael; Argyres, Nicholas; McGahan, Anita M. (2002). “An Interview with Michael Porter”. The Academy of Management Executive (1993-2005) 16 (2): 43–52. JSTOR 4165839. 


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