池田信夫 ブログ記事をめぐる訴訟

池田信夫

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/22 07:29 UTC 版)

ブログ記事をめぐる訴訟

上杉隆との名誉毀損裁判

池田のブログ記事の一部をめぐり、上杉隆から名誉毀損で削除を求められていた裁判で、2015年3月16日、東京地裁は池田と上杉の双方に50万円を支払うよう命じた[36]。一審では池田のブログ記事削除を命じられたが[36]、池田は控訴した[37]

二審では一審で命じられた池田が上杉に支払う損害賠償が棄却され、上杉によるブログ記事の削除請求が棄却されたため[38] 当該ブログ記事[39][40] は再度掲載されている。

弁護士・伊藤和子との名誉毀損裁判

2016年11月24日、弁護士でNPO法人「ヒューマンライツ・ナウ」の事務局長を務める伊藤和子から名誉毀損で損害賠償を求められた裁判で、約57万円の支払いを命じられる。国連特別報告者マオドが「日本の女子高生の13%が売春している」と虚偽情報[41] を発信した事件について、池田はその情報源が伊藤であると断定し、「法廷内外で協力して伊藤を追放すべし」と述べたが、伊藤の関与が全く証明されず、名誉毀損であったと裁判所に認められたものである[42]

2017年6月22日付の控訴審判決では、賠償額が増額され、池田は114万円の支払いを命じられた。

経歴

1953年昭和28年〉10月23日 京都府で京都市役所職員の子として生まれる[43]

学歴

職歴

NHK時代の活動

朝日新聞社からも内定をもらっていたが、新人記者を警察記者クラブで研修させる「サツ回り」が嫌で断ったとブログでコメントしている[51]

NHKでは報道局特報部でディレクターを務め[52]、『ニュースセンター9時』の制作に関わり[53]、『クローズアップ現代』では初代デスクを務めた[54] と語っている。

アナログハイビジョンのプロジェクトメンバーだったが、数千億円の受信料税金を投じたにもかかわらず、結果として失敗に終わったことについて、「現場でハイビジョンの開発をしていた私たちにとって、それは衛星放送で限られたマニア向けに流すとか、業務用の高級AV商品」と考えていたと記している[55]1980年代には、ハイビジョン開発プロジェクトの一環として、ハイビジョン番組の制作に関わったこともあるが、(当時使っていた小さなモニターでは)ハイビジョンの画質のよさがよく分からなかったという[56]

池田がNHKを退職したのは39歳のころで管理職の辞令を受けたときだが、管理職になると番組制作には基本的に携わることができなくなり、制作費の管理というつまらない仕事をするだけと述べている[57]

著作

単著

  • 『情報通信革命と日本企業』NTT出版、1997年3月。ISBN 4-87188-510-0  - 文献あり。
  • 『インターネット資本主義革命』NTT出版〈One theme books〉、1999年3月23日。ISBN 4-7571-2012-5 
  • 『ブロードバンド戦略 勝敗の分かれ目 情報通信社会主義の崩壊』日本経済新聞社、2001年12月。ISBN 4-532-14945-2 
  • 『ネットワーク社会の神話と現実 情報は自由を求めている』東洋経済新報社、2003年5月9日。ISBN 4-492-22232-4 
  • 『情報技術と組織のアーキテクチャ モジュール化の経済学』NTT出版、2005年6月28日。ISBN 4-7571-0165-1  - 文献あり。
  • 『電波利権』新潮社新潮新書〉、2006年1月20日。ISBN 4-10-610150-5 
  • 『ウェブは資本主義を超える 「池田信夫ブログ」集成』日経BP社(出版) 日経BP出版センター(発売)、2007年6月25日。ISBN 978-4-8222-4596-2 
  • 『過剰と破壊の経済学 「ムーアの法則」で何が変わるのか?』アスキーアスキー新書〉、2007年12月11日。ISBN 978-4-7561-5077-6 
  • 『ハイエク 知識社会の自由主義』PHP研究所〈PHP新書〉、2008年8月18日。ISBN 978-4-569-69991-2  - 文献あり。
  • 『希望を捨てる勇気 停滞と成長の経済学』ダイヤモンド社、2009年10月。ISBN 978-4-478-01192-8 
  • 『使える経済書100冊 『資本論』から『ブラック・スワン』まで』日本放送出版協会〈生活人新書 318〉、2010年4月10日。ISBN 978-4-14-088318-1 
  • 『古典で読み解く現代経済』PHP研究所〈PHPビジネス新書 176〉、2011年5月25日。ISBN 978-4-569-79672-7  - 並列シリーズ名:PHP Business Shinsho
  • 『イノベーションとは何か』東洋経済新報社、2011年9月29日。ISBN 978-4-492-50227-3  - 文献・索引あり。
  • 『原発「危険神話」の崩壊』PHP研究所〈PHP新書 783〉、2012年2月14日。ISBN 978-4-569-80262-6  - 並列シリーズ名:PHP SHINSHO
  • 『「空気」の構造 日本人はなぜ決められないのか』白水社、2013年5月24日。ISBN 978-4-560-08282-9  - 索引あり。
  • 『アベノミクスの幻想 日本経済に「魔法の杖」はない』東洋経済新報社、2013年8月9日。ISBN 978-4-492-39590-5  - 並列題名:an illusion of Abenomics
  • 『朝日新聞 世紀の大誤報 慰安婦問題の深層』アスペクト、2014年12月2日。ISBN 978-4-7572-2380-6  - 年表あり。
  • 『日本人のためのピケティ入門 60分でわかる『21世紀の資本』のポイント』東洋経済新報社、2014年12月12日。ISBN 978-4-492-44414-6 
  • 『資本主義の正体 マルクスで読み解くグローバル経済の歴史』PHP研究所、2014年12月18日。ISBN 978-4-569-81871-9  - 索引あり。
  • 『戦後リベラルの終焉 なぜ左翼は社会を変えられなかったのか』PHP研究所〈PHP新書 982〉、2015年4月。ISBN 978-4-569-82511-3 
  • 『今さら聞けない経済教室 こどもに聞かれても困らない60の疑問と答え』東洋経済新報社、2016年5月。ISBN 978-4-492-31476-0 
  • 『「強すぎる自民党」の病理 老人支配と日本型ポピュリズム』PHP研究所〈PHP新書 1058〉、2016年9月。ISBN 978-4-569-83069-8 
  • 『失敗の法則 日本人はなぜ同じ間違いを繰り返すのか』KADOKAWA、2017年7月。ISBN 978-4-04-601941-7 
  • 丸山眞男と戦後日本の国体』白水社、2018年7月。ISBN 978-4-560-09655-0 

共著

編著

翻訳


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