毛細血管 分類

毛細血管

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/22 14:54 UTC 版)

分類

毛細血管は内皮細胞と基底膜の構造によって以下の3つに分類される[10][11]

3種類の毛細血管を示す。

連続性毛細血管

連続性毛細血管(continuous capillary)は骨格筋組織や中枢神経系など多くの組織にみられるので筋型あるいは中枢神経型の毛細血管といわれる。細胞質は薄くなっても100-200nmの厚さがあり窓は空いていない。隣接する細胞との境界のところで両細胞の縁がめくれ返るように辺縁ひだをつくることが多い。内皮細胞の外側は完全に基底膜で取り巻かれる。内皮細胞の間には密着結合が存在するがその程度は器官によって異なる。内皮細胞の細胞質を横切って両方性に巨大分子のトランスサイトーシスを示す多数の小胞が認められる。連続型毛細血管が毛細血管でもっとも一般的なタイプであり筋組織皮膚、結合組織、、外分泌腺、胸腺、神経組織などに存在する。連続性毛細血管をもつ臓器では分子量が1kDa以上の水溶性の物質はほとんど血管外に移行できない[12]。内皮細胞の細胞膜に溶け込んで血管壁を透過する親油性物質を除けば、連続性毛細血管の内皮細胞の物質の透過はピノサイトーシス小胞または細胞間隙または細胞を貫く水で満たされた通路の3つの経路のうちいずれかによって起こる。連続性毛細血管の内皮細胞には半径約6.7〜8.0nmの小孔と20〜28nmの大きな穴の通路の存在が示されているが、それぞれ解剖学的にどの構造に相当するのかは明らかではない[13]。低分子化合物は親水性が高くても小孔を自由に通過できるので連続性毛細血管であっても透過性は高い。

有窓性毛細血管

有窓性毛細血管または窓あき毛細血管(fenestrated capillary or pored capillary)では内皮細胞の核周囲部以外の部分が非常に薄く(厚さ20〜60nm)、多数のまるい、径50〜80nmの孔(pore)または窓(fenestration)があいている。血管の内外の物質透過の盛んな部位にみられる。すなわち有窓性毛細血管は腎臓、腸管、脈絡叢、内分泌腺など組織と血液間での迅速な物質交換を必要とする臓器でみられる。窓には薄い隔膜が貼っているのが一般的であるが腎糸球体にはこれがない。隔膜は単位膜構造をとらず、細胞膜よりずっと薄い。その化学的性状も働きもわかっていない。走査型電子顕微鏡でみると、窓あき毛細血管では核周囲部のふくらみから細胞質稜(cytoplasmic crests)が放散しつつ吻合し、それによって窓が分布する領域が縁取られている。この型の毛細血管も、内皮細胞は基底膜によって完全に取り巻かれている。窓も基底膜で裏打ちされている。

非連続性毛細血管

非連続性毛細血管(discontinuous capillary、sinusoid capillary)は細胞内と細胞間に大小の孔がある型の毛細血管で肝臓の類洞(類洞毛細血管)にみられる。内皮細胞内の間隙は円形や卵円形の孔で、径1µmを超えるものから、50nmほどの小さい孔まである。小さい孔はふるいのように集まる傾向がある。細胞間の接合は部分的にゆるやかでしばしば1µmを超える細胞間隙をつくっている。この型の毛細血管では基底膜に相当する物質がまばらに内皮細胞の外側に存在するだけで基底膜は連続的な層をなさない。類洞はほとんど不連続な基底膜しかなく、他の毛細血管よりもはるかに大きい。30~40µmという直径を持つことで血流を遅くしているという点で、通常の毛細血管と大きく異なる。非連続性毛細血管は肝臓脾臓、一部の内分泌器官、骨髄などで見られる。非連続性毛細血管をもつ臓器では100kDa程度の高分子でも容易に血管外に移行できる[12]

特殊な毛細血管

通常は細動脈からの血液は毛細血管へ流入しそして細静脈へ流出する。しかし腎臓の糸球体と門脈系は標準的配列とは異なる。


  1. ^ 藤田ら, p.2
  2. ^ Arch Histol Cytol. 2000;63(5):425-9. PMID 11201200
  3. ^ Acta Physiol Scand Suppl. 1979;463:11-32. PMID 382743
  4. ^ J Cell Biol. 1975 Mar;64(3):586-607. PMID 239003
  5. ^ J Biophys Biochem Cytol. 1956 Jul 25;2(4 Suppl):99-103. PMID 13357528
  6. ^ Arch Histol Jpn. 1970 Mar;31(5):511-28. PMID 5463213
  7. ^ Arch Histol Jpn. 1970 Jun;32(1):81-6. PMID 5464649
  8. ^ J Cell Biol. 1978 Oct;79(1):27-44. PMID 701375
  9. ^ J Biophys Biochem Cytol. 1961 Dec;11:571-605. PMID 14468626
  10. ^ 窪田ら, p.87
  11. ^ Physiol Rev. 1983 Oct;63(4):1536-79. PMID 6318239
  12. ^ a b 臨床薬物動態学 改訂第5版 p345-360 ISBN 9784524257584
  13. ^ 「次世代バイオ医薬品の製剤設計と開発戦略」 出版:シーエムシー出版 監修:森下真莉子 (2011) p103-110 ISBN 9784781312736


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