周皮細胞
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/09/17 00:17 UTC 版)
周皮細胞
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通常の毛細血管では内皮細胞を外から抱くように周皮細胞(pericyte)とよばれる細胞がある。これはアクチン(平滑筋型のα-アクチン)とミオシンに富み、収縮能力が推測されている。同時に線維芽細胞の性質も兼ね、コラーゲンを産出する能力をもつ。内側も外側も基底膜で包まれており、細胞質には少量の粗面小胞体とミトコンドリア、若干のフィラメントがみられる。走査型電子顕微鏡で基底膜を融解除去した毛細血管をみると、この細胞が長い樹枝状の突起を血管壁に這わせていることがわかる。周皮細胞の典型的なものは毛細血管の縦方向に長い主突起を伸ばし、その側枝(二次突起)が血管に取り巻く。細胞は毛細血管の分枝に沿って突起を伸ばしたり、近隣の2つの毛細血管にまたがったりする。小動脈をつつむ輪状の平滑筋線維と毛細血管を抱く周皮細胞とが形態的な移行を示す走査型電子顕微鏡像があり両細胞の相動性と連続性を支持している。周皮細胞の機能としては収縮能力をもって血流を調節することが考えられる。筋フィラメントやα-アクチンの量からみて、小動脈の平滑筋よりゆるやかな収縮をすると思われる。しかし広く枝を広げた1個の周皮細胞が収縮すれば局所の微小循環に与える影響は大きなものがあると想像される。また周皮細胞は毛細血管の新生とその終了の調節をしている。
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