宮人とは? わかりやすく解説

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きゅう‐じん【宮人】

読み方:きゅうじん

宮中仕える人。多く女官をさす。


みや‐びと【宮人】

読み方:みやびと

古くは「みやひと」》

宮中仕える人。官人

「—もよろこびあへり」〈源・澪標

神に仕える人。神官

「あれにまします—の」〈謡・道成寺


宮人

読み方:キュウジン(kyuujin), クニン(kunin), クウニン(kuunin)

律令制において、婦人仕官する者、女官総称


宮人

読み方:ミヤヒト(miyahito)

所在 鹿児島県大口市

地名辞典では2006年8月時点の情報を掲載しています。

宮人

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/31 21:45 UTC 版)

宮人(きゅうじん/くにん)とは、律令制において宮中に奉仕する女性職員のこと。

中国における宮人

明代において当初『明太祖実録』(巻三十四)などでは「宮人」は後宮の女性全般を指す言葉だった[1]。その後、洪武5年に宮人の冠服が制定され(『明史』巻六十六)、同時期の女官制度の職掌には宮人の名前・戸籍・給金の管理が定められている(『明史』巻七十四)[1]。このような制度化によって「宮人」は后妃や女官以外の後宮女性を指すようになった[1]

宮女は主に「良家子」から選抜された。いわゆる良家子は医者、巫者、商人、手工業者を除いて士民を指した(この4つの職業は下流階級と扱われている)(『史記索隠』)。また戦争や家族犯罪で宮女になることも少なくない。宮女の中で資質が優れている人は、女官に昇格することができた。あるいは皇帝に気に入られれば、后妃に取り立てられる例もある。それ以外にも王政君の例のように、皇帝から皇族に与えられてその妻妾になる例も多い。

多くの宮人は過酷な境遇に置かれており、嘉靖帝が襲撃される壬寅宮変(嘉靖21年(1542年))の原因になったといわれている[1]。一方、万暦帝の生母(孝定太后)の李氏に仕えた宮人のように位が二品以上の女性にしか贈られない「夫人」の称号を得た者もいた(『明神宗実録』巻四)[1]

皇帝の幼少期に養育係につく乳母や保母についても宮人を冊封する場合が多く、後に皇帝から「夫人」の称号を得た者は冠服が宮人とは異なり、皇帝の関わる冠婚葬祭の席次では女官よりも上位となった[1]。しかし、皇帝から厚遇を受けた場合でも、皇帝の死とともに権力を失うことが多かった[1]

日本における宮人

日本の後宮制度は飛鳥浄御原令の頃に整備された。

大宝令養老令後宮職員令には「宮人職員」として後宮十二司職事散事女孺采女・氏女)から構成されていた。

宮人には官位相当が存在していないが、職事は四等官に相当するとされ、季禄支給の基準として准位が設定され、縫殿寮が考課を審査、これに基づいて中務省叙位位記を発給した。ただし、采女は采女司の管轄であった。

また、後宮以外にも東宮職斎宮寮には、それぞれ東宮斎宮に仕える宮人がおり、その管理はそれぞれの官司が行った。

大化以前より律令制前期まで、後に「内裏」と称された大王天皇の日常空間には男性官人は自由に出入りできなかったために奏上宣下のことは女性である宮人を通じて行われるのが普通であった。

ところが、奈良時代(8世紀)後期になると内裏の重要性が増して男性官人が内裏に立ち入ることは珍しくなくなっていった。この時期より、「宮人」という名称に代わって女性官人を意味する「女官」という呼称が用いられるようになった。

脚注

  1. ^ a b c d e f g 前田尚美「明代後宮と后妃・女官制度」『京都女子大学大学院文学研究科研究紀要. 史学編』第008巻、京都女子大学、2009年3月、27-55頁、CRID 1050001337577490560hdl:11173/1811ISSN 1349-6018 

参考文献

関連項目


宮人

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/17 22:53 UTC 版)

瓔珞〜紫禁城に燃ゆる逆襲の王妃〜」の記事における「宮人」の解説

喜塔臘・爾晴(中国語版) 演 - スー・チン中国語版) / 声 - 王瀟倩 / 元春 長春宮掌宮女→富察夫人。富察・容音の宮人。 明玉 演 - ジャン・ズーシン(中国語版) / 声 - 曾蓉 / 凌晞 長春宮掌宮女→鍾粋宮宮女→延禧宮掌宮女。富察・容音の宮人。 珍児 演 - 方安娜(中国語版) / 声 - 謝子溦 / 羅孔柔 承乾宮掌宮女。輝發那拉・淑慎の宮人。 芝蘭 演 - 施予斐(中国語版) / 声 - 嬌 / 暁欣 儲秀宮掌事宮女。高寧馨の宮人。 玉壺 演 - 程茉(中国語版) / 声 - 張晗 / 成瑤孆 鍾粋宮掌宮女静好の宮人。 遺珠 演 - 張婕 / 声 - 何晶晶 麗景軒掌事宮女。鈕祜禄・沉璧の宮人。 張嬤嬤 演 - ハー・ジアイー(中国語版) / 声 - 張凱 / 黄玉娟 綉坊掌事宮女。 方妮子 演 - 殷旭 / 声 - 劉暁倩 / 綉坊掌事宮女錦綉 演 - 高児(中国語版) / 声 - 吟良犬 / 黄昕瑜 綉坊宮女玲瓏 演 - チェン・ルオシー(中国語版) / 声 - 蔡娜 / 羅孔柔 綉坊宮女吉祥 演 - チャン・イーシー / 声 - 劉媛媛 / 何宝珊 綉坊宮女。 魏瓔寧 演 - タン・ジャー中国語版)(幼少期:王楽謙) / 声 - 閻萌萌 / 詹健児 綉坊宮女。魏瓔珞の姉。 琥珀 演 - ヤン・ジンルー(中国語版) / 声 - 嬌 / 潤知 長春宮女→延禧宮宮女→辛者庫宮女珍珠 演 - 張天韻 / 声 - 王玥 / 陳琴雲 長春宮宮女→延禧宮宮女→延禧宮掌宮女芳草 演 - 任婉婧 / 声 - 廖 永和宮大宮女。 阿双 演 - 銭晨潔 / 声 - 何宝珊秀宮大宮女児 演 - 劉詩童 / 声 - 魏恵娥 儲秀宮掌事宮女。 婉児 演 - 佳勛 永寿宮女。 劉嬤嬤 演 - 張渟渟 / 声 - 謝潔貞 辛者庫掌事宮女。 劉姑姑 演 - 佳蔚 / 声 - 潤知 寿康宮掌宮女。 百霊 演 - 高芮 / 声 - 張頌欣 寿康宮大宮女

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