レイテンシーとは? わかりやすく解説

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latency

別表記:レイテンシー

「latency」とは・「latency」の意味

「latency」とは、隠れている状態や潜在的な存在を指す言葉である。一般的には、ある状態や能力表面現れていないが、潜在的に存在していることを示す。コンピュータ分野では、データ伝送プロセッサの処理において遅延時間を指すことが多い。

「latency」の発音・読み方

「latency」の発音は、IPA表記では /ˈleɪtənsi/ であり、カタカナ表記では「レイテンシ」となる。日本人発音するカタカナ英語では「レイテンシー」と読むことが一般的である。

「latency」の定義を英語で解説

Latency is defined as the state of being hidden or concealed, or the potential existence of something. It generally refers to a state or ability that is not apparent but exists latently. In the field of computers, it often refers to the delay time in data transmission or processor processing.

「latency」の類語

「latency」の類語には、"dormancy"(休止状態)、"inactivity"(非活動状態)、"quiescence"(静止状態)などがある。これらの言葉は、潜在的な存在隠れた状態を表す際に使われる

「latency」に関連する用語・表現

「latency」に関連する用語表現には、"latency period"(潜伏期間)、"latency stage"(潜伏期)、"network latency"(ネットワーク遅延)などがある。これらの言葉は、潜在的な状態や遅延関連する状況説明する際に用いられる

「latency」の例文

1. The latency of the network connection affects the user experience.(ネットワーク接続遅延ユーザー体験影響与える。) 2. The latency in data transmission can cause delays in real-time applications.(データ伝送遅延はリアルタイムアプリケーションで遅れを引き起こすことがある。) 3. The latency of the processor affects the overall performance of the computer.(プロセッサ遅延コンピュータ全体的な性能影響与える。) 4. The latency period of the virus can last for several weeks.(ウイルスの潜伏期間は数週間続くことがある。) 5. The latency stage in child development is important for forming social skills.(子どもの発達における潜伏期は、社会的スキル形成する上で重要である。) 6. The latency of the memory affects the speed of data retrieval.(メモリ遅延データ取得速度影響与える。) 7. The latency in the system can be reduced by optimizing the software.(システム遅延ソフトウェア最適化によって軽減することができる。) 8. The latency of the hard drive affects the time it takes to access files.(ハードドライブの遅延ファイルへのアクセスにかかる時間影響与える。) 9. The latency of the internet connection can be improved by upgrading the infrastructure.(インターネット接続遅延インフラアップグレードによって改善することができる。) 10. The latency of the response time affects the user's satisfaction with the service.(応答時間遅延は、ユーザーサービス対す満足度影響与える。)

レイテンシー【latency】

読み方:れいてんしー

CPUなどがデータ要求をしてから、実際にデータ転送されるまでの時間遅延時間コンピューターシステム性能指標の一。


レイテンシ

(レイテンシー から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/27 01:18 UTC 版)

レイテンシ: latency)、潜伏時間潜時待ち時間反応時間とは、デバイスに対してデータ転送などを要求してから、その結果が返送されるまでの不顕性の高い遅延時間のこと。レイテンシーレーテンシーとも表記される。

ある実時間的処理過程が、より短い時間で完了し、後続の処理過程を待たせることがない(遅らせることがない)ことを、低レイテンシ(: low latency)と呼ぶ。

概要

一般的にレイテンシが小さければ小さいほど、そのデバイスは高性能で高価である。レイテンシの程度を「高」「低」で表現し、応答が遅いことを高レイテンシ、応答が早いことを低レイテンシという。

データを送出してから実際にデータが相手に到着するまでの間を「片道潜時(片道レイテンシ)」、データの送出要求(送出要求自体もデータの一つである)を送出してからその要求に応じたデータが返ってくるまでの間を「往復潜時(往復レイテンシ)」と呼ぶ。インターネットにおける往復潜時についてはラウンドトリップタイム(往復時間)とも呼ばれ、pingによって測定することができて、単位はミリ秒(ms)で表す。

システムの個々の要素が高性能であっても、レイテンシが大きいために系統全体の性能が高くならない場合がある。例として、CPUメモリに対して読み出し(書き込み)命令を出してから実際に読み出し(書き込み)が行われるまでの時間が、そのメモリ固有のレイテンシとなる。この数字が小さいメモリほど高速であるといえる。また、別の例として、高速なブロードバンド通信であっても、レイテンシが大きい場合は「遅い」と感じたり、リアルタイム性の高いネットワークゲームなどでは同期に問題が発生する場合がある。

要因

レイテンシは複数の要因で発生する。以下はその一例である[1]

  • アルゴリズム遅延: データ変換アルゴリズムそのものに由来するレイテンシ
  • 処理遅延: 計算機が実処理をおこなう処理時間に由来するレイテンシ
  • ネットワーク遅延: ネットワークを介したデータ転送に由来するレイテンシ
  • ジッタバッファ遅延: 処理の不安定性(ジッタ)を緩衝するためのバッファに由来するレイテンシ
  • パケット化遅延: 処理済み出力を1つのパケットに蓄積することに由来するレイテンシ

コンピュータ音楽

音楽制作などのDAWDTM環境において、音信号やMIDI信号のシステム上の遅延を表現するときにも、レイテンシという言葉は使用される。パソコン処理により数ミリ秒の信号の遅れが楽器演奏の邪魔となったり、ミックス処理時の音などに影響を与えたりすることから、コンピュータ音楽に取り組むミュージシャンの間では重要視されている。特に、コンピュータをソフトウェア・シンセサイザーエフェクターとして使用する場合、外部ハードウェアとの同時併用のときなどに、レイテンシが問題視されることが多い。

音信号のレイテンシ

一般的にコンピュータが音信号を出力する場合、音データを一定長のバッファに記録してから、逐次ハードウェアへと出力する。そのため、バッファのサンプル数をサンプリング周波数ヘルツ)で割った数だけレイテンシ()が生じる。バッファ容量が小さいほどレイテンシも小さくなるが、時間辺りのオーバーヘッドが増し、システムの性能が低い場合には、処理落ちが生じノイズとなってしまうこともある。

また、エフェクタのデジタル信号処理アルゴリズムによっても、レイテンシは発生する。例えば、高速フーリエ変換(FFT)を用いたアルゴリズムでは、幅などに応じてレイテンシが発生し、先読み(ルックアヘッド)機能を備えたリミッターコンプレッサーでは、先読み時間に応じてレイテンシが発生する。また、マルチトラック再生において、レイテンシのあるエフェクタを特定のトラックのみに用いると、同期がずれてしまう。そのため、全トラックのレイテンシを統一して同期するレイテンシ補正機能を持ったシステムもある。

MIDI信号のレイテンシ

MIDI信号は、規格上31.25kbpsの転送レートを持ち、1バイト転送するごとにスタートビットおよびストップビットが付加され、主な演奏情報となるチャンネルメッセージでは最低2バイト長を必要とする。そのため、チャンネルメッセージを転送するのに、最低640マイクロ秒がかかる。また、MIDIでは逐次メッセージを転送するため、1つのバスで大量のメッセージが一斉に発生した場合、知覚できる遅延(発音の遅れ)が生じる場合もある。また、MIDI機器内部で別途に遅延が生じることもある。

派生語

割り込みレイテンシ
物理的な割り込みが発生してから、割り込みサービスルーチン(ISR)が起動されるまでの時間のこと。

関連項目

脚注

出典

  1. ^ "遅延の要因 コーデック圧縮遅延 ... パケット化遅延 ... ネットワークによる遅延 ... ジッターバッファ遅延 ... コーデック伸張遅延" 渡邊晃. (2007). IP電話のしくみについて. 名城大学.


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