WEC/ル・マン
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2015年に国内レースでのトヨタ復帰とともに、FIA 世界耐久選手権(WEC)のトヨタのワークスチームのリザーブドライバーに就任した。 そして2016年はスーパーフォーミュラに加え、TOYOTA GAZOO Racingに改称したWECチームへのレギュラー参戦が発表され、トヨタ・TS050 HYBRIDの6号車を駆ることとなった。チームメイトはマイク・コンウェイとステファン・サラザン。ル・マン24時間の決勝では2台のTS050がペースを掴み、小林は終盤に3位を走行しポルシェ2号車を脅かしていたが、スピンを喫して勝負権を失った。このスピンがなければ、「残り3分の悲劇」にも関わらずトヨタが総合優勝を掴んでいた可能性があった。一方でWEC富士ではアウディとのデッドヒートを制して、同シーズントヨタ唯一の優勝に貢献した。シーズンを通しては結果的には善戦し、アウディを上回る総合2位の成績を収めた。 2017年は7号車に搭乗。ル・マンの予選ではコースレコードを更新した。しかし決勝ではピット出口に応援に来たアマチュアドライバーをマーシャルと勘違いして発進し結果的にクラッチを壊し、「偽マーシャル事件」の被害者になり、リタイアした。WECのシーズンはサラザンに代わる新チームメイトでルーキーのホセ・マリア・ロペスのミスも重なって成績は芳しくなく、総合成績では8号車に譲った。 2018年も7号車から参戦。ル・マンでは1度は2分の差をつけた8号車に逆転を許し、自身も黄旗の速度違反やピットインを忘れてガス欠の危機に陥るというミスを犯したものの、完走して日本車×日本人初のル・マン1-2フィニッシュに貢献した。 2019年ル・マンはトップを快走するが、残り一時間というところで、内圧センサーがパンクを示したタイヤとは別のタイヤの異常を示すというトラブルに見舞われ、大逆転で8号車に優勝を譲ってしまった。またWECのタイトルも同時に明け渡した。 2020年ル・マンはポールポジションを獲得するが、折返し地点でターボ系トラブルが発生して長時間のピットインを余儀なくされ、三たび8号車に敗北を喫した。しかしシリーズでは速さを示し、初のチャンピオンを獲得した。 2021年はチームメイトはそのままカーナンバーだけを入れ替えて、7号車に搭乗。ポールポジションを獲得。決勝では7・8号車に燃料系のトラブルが発生したが、チーム一丸となって解決策を見つけ出し、7号車はペースをキープ。遂に悲願のル・マン制覇を果たし,シリーズも連覇した。同年末、ドライバーを兼任するWECチーム代表に就任した。
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