WECへの挑戦
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/14 19:36 UTC 版)
「トヨタ・ガズー・レーシング・ヨーロッパ」の記事における「WECへの挑戦」の解説
F1撤退後、トヨタは市販ハイブリッド技術の活用を含め新たな活動を模索していた。そして2011年、ル・マン24時間レースに参戦するレベリオン・レーシングに対しエンジン供給を行い、耐久レースへの復帰路線が濃厚になる。なお、このエンジンはフォーミュラ・ニッポンやSUPER GT (GT500) 用のRV8KをLMP1規定にチューニングしたもので、新規開発ではない。 2012年、新たにLMP1クラス用のハイブリッドマシンであるTS030 HYBRIDを開発。オレカとジョイントし「トヨタ・レーシング」としてWECに参戦することを表明した。デビュー3戦目となる第5戦サンパウロ6時間レースでは、トヨタとしては1992年以来となる優勝を果たした。 2014年にはLMP1クラスのレギュレーション変更に伴い新型車のTS040 HYBRIDをデビューさせた。悲願としていたル・マンこそ勝てなかったものの、シリーズではアウディとポルシェを破り、日系メーカーとして初めてスポーツカーレースの世界選手権を制覇した。 2016年にトヨタのモータースポーツ事業再編により、チーム名をTOYOTA GAZOO Racingに改めた。ル・マンではサルト・サーキットに特化して開発したTS050 HYBRIDで最終盤まで有利に進めていたが、小林のスピンに加えて残り6分で異常が発生し、3分でストップするというスポーツ史に残る歴史的な悲劇で敗北を喫した。 2017年のル・マンは復帰以来初の3台体制で挑んだが、オペレーションのミスに加えて「偽マーシャル」事件というこれまた類い希な不運により、夜明け前に全車が勝負権を失った。選手権ではポルシェを上回る5勝をあげたものの、ル・マンでの大敗が大きく響いて最終戦前にタイトルを奪われた。 2018年は現役F1王者のフェルナンド・アロンソを加え、トラブルシミュレーションを徹底して万全の準備で2台体制で参戦。ポルシェの撤退によりワークスチームがトヨタのみという状況ではあったが、トヨタの30年越しの悲願であるル・マン制覇を果たした。2019年・2020年もル・マンを制覇し3連覇。 2021年はLMP1規定が廃止されル・マン・ハイパーカー(LMH)規定に移行したため、LMH車両としてGR010 HYBRIDを開発。ル・マンでは燃料系にトラブルを抱え、グリッケンハウスやアルピーヌなどに迫られるシーンもあったものの、最終的に優勝して4連覇を達成した。
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