Vital capacityとは? わかりやすく解説

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肺活量

(Vital capacity から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/27 13:45 UTC 版)

スパイロメーターでの測定結果。波形の最大値と最小値との差が肺活量(VC)を示している。
呼吸機能
TLC 全肺気量(Total Lung Capacity):最大膨張時の肺の容積で、肺活量(VC)と残気量(RV)の合計。
TV (VT) 1回換気量(Tidal Volume):安静時呼吸で肺に入る、または肺から出る空気の量(TVは肺の区分を示す。ガス交換計算のように一回換気量を正確に測定する場合は、TVまたはVTという記号を用いる)。
RV 残気量(Residual Volume):最大呼気後に肺に残っている空気の体積
ERV 予備呼気量英語版(Expiraroty Reserve Volume):安静呼気位から吐き出すことができる最大の呼気量
IRV 予備吸気量英語版(Inspiratory Reserve Volume): 安静吸気位から吸うことが出来る最大の吸気量
IC 最大吸気量(Inspiratory Capacity): 予備吸気量(IRV)と一回換気量(TV)の合計
IVC 吸気肺活量(Inspiratory Vital Capacity): 最大呼気位から吸うことが出来る最大の空気の量
VC 肺活量(Vital Capacity):最も深く息を吸った後に吐き出される空気の量
FRC 機能的残気量英語版(Functional Residual Capacity ):呼気終末位での肺容積
RV/TLC% 残気量・全肺気量比
VA 肺胞気量(Alveolar gas Volume)
VL 気道の容積を含む肺の実容積
FVC 努力肺活量(Forced vital capacity): 最大強制呼気努力による肺活量測定
FEVt 強制呼気量(Forced expiratory volume (time)): 最初の「t秒」に強制的に吐き出される空気の量の総称
FEV1 1秒量(Forced expiratory volume (1 second)): 強制呼気の最初の1秒が終了した時点で吐き出された量
FEFx FVC曲線の一部に関連する強制呼気流量、修飾子はすでに吐き出されたFVCの量を指す
FEFmax FVC測定時に達成される最大瞬時流量
FIF 強制吸気流量( Forced inspiratory flow): 強制吸気曲線の具体的な測定値は、強制呼気曲線に類似した命名法で示される。例えば、最大吸気流量はFIFmaxと表記される。特に指定がない限り、体積の修飾子は、測定時点の残気量から吸入される体積を示す。
PEF 最大呼気流量(Peak expiratory flow):ピークフローメーターで測定した強制呼気流量の最高値。
MVV 最大換気量(Maximal voluntary ventilation): 一定の時間に最大努力で繰り返して呼出できる空気の量
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肺活量(はいかつりょう、vital capacity、VC)とは、息を最大限吸い込んだ後にから吐き出せる空気量のことである。肺の全肺気量(Total lung capacity、TLC)から残気量(residual volume、RV)を引いた値と一致する。肺気量の単位はmLが用いられる。肺気量は性別や年齢によって異なるものの、標準的な肺活量の値は、男性で4000-4500mL、女性で3000-4000mLとされている[1]。なお、ヒトは普段の肺呼吸において、肺活量の全てを換気しているわけではなく、せいぜい1回の呼吸において500 ml程度を換気しているに過ぎない[2]

測定

肺活量測定にはスパイロメーター(Spirometer)が用いられる。通常の肺活量を測定する場合は、息をゆっくりと吐き出して測定するが、できるだけ速く息を吐き出して計測する場合もある。その場合の計測値は努力性肺活量(FVC)とよばれ、通常の肺活量よりも小さい値をとる。

また実測値に加え、年齢や体重から予測肺活量を計算した上で%肺活量を算出することで、気管支拡張症肺線維症などの拘束性肺疾患に罹患していないかどうかを検査する。その他、肺活量を身長で割った値を肺活量指数(Spiroindex)として扱うこともある[3]

予測肺活量は以下の式によって計算する[1]

男性:予測肺活量(mL) = (27.63-0.112 × 年齢)× 身長
女性:予測肺活量(mL) = (21.78-0.101 × 年齢)× 身長

その他

若年のヒトにおいて、男子ではハッキリとした相関は出ないものの、若年女子では日常的な身体活動が少ないと回答している者の努力性肺活量は低い傾向にあることを示すコホート研究が存在する[4]。また、同じく若年の女子において慢性的な腰痛を抱えている者は、そうでない者と比べて努力性肺活量が低い可能性を示唆する報告も存在している[5]

関連項目

出典

  1. ^ a b 奈良信雄『看護師のための検査値・数式事典』(2009年、秀和システム)p.294
  2. ^ 一回換気量とは
  3. ^ 篭山京敎授還暦記念論文集刋行会『社会福祉と生活構造 : 篭山京敎授還暦記念』(1972年、光生館)p.180
  4. ^ Physical Activity and Lung Function in Adolescents : The 1993 Pelotas (Brazil) Birth Cohort Study』(1993年にブラジル南端部の都市ペロタシュで産まれた者で調べた、日常的な身体活動と肺の機能)
  5. ^ 金子秀雄, 木庭知美, 徳永理紗、「【原著】女子学生における非特異的慢性腰痛の有無による呼吸機能の違い」 『理学療法科学』 2016年 31巻 6号 p.799-804, doi:10.1589/rika.31.799

「% vital capacity」の例文・使い方・用例・文例

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