tmRNA
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/16 09:16 UTC 版)
transfer-messenger RNA | |
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識別 | |
略称 | tmRNA |
Rfam | RF00023 |
その他のデータ | |
リボ核酸の種類 | gene |
PDB構造 | PDBe |

tmRNA(transfer-messenger RNA)(10Sa RNA, SsrA)は、1分子でtRNA(トランスファーRNA)とmRNA(メッセンジャーRNA)の両方の性質を持つキメラ状のRNA。tmRNAはSmall Protein B (SmpB), Elongation Factor Tu (EF-Tu), ribosomal protein S1などと複合体を形成しており(tmRNP)、核タンパク質として細胞内に存在する。tmRNAはtrans-translation反応を触媒する事でリボソームに作用し、mRNAの終止コドン欠落などによる異常な翻訳反応中断により機能を休止したリボソームのペプチド合成を終了させ、リボソームの機能を回復する。[1]
バクテリアのtmRNAは上記のようにペプチド合成に行き詰まり機能を失ったリボソームを再生するBifunctional な分子として知られており、合成途中にあるペプチド鎖に分解タグを付与する、また異常mRNAの分解を促進させる、といった複数反応の媒介を1分子で担っている。また、2分子のRNAが結合されることで当該機能をもつtmRNAに成熟する場合もある。[2]
抗結核薬ピラジナミドの活性化体であるピラジン酸は、ribosomal protein S1との結合によりtmRNAを介したtrans-translationを阻害することが示されている[3]。
- ^ Keiler KC (2008). “Biology of trans-translation”. Annu. Rev. Microbiol. 62: 133–51. doi:10.1146/annurev.micro.62.081307.162948. PMID 18557701.
- ^ Keiler KC (2011). “Bifunctional transfer-messenger RNA.”. Biochimie. 93: 1993–1997. PMID 21664408 .
- ^ Shi W, Zhang X, Jiang X, Yuan H, Lee JS, Barry CE 3rd, Wang H, Zhang W, Zhang Y (2011). “Effects of pyrazinamide on fatty acid synthesis by whole mycobacterial cells and purified fatty acid synthase I.” (abstract). Science 333 (6049): 1630-2. doi:10.1126/science.1208813. PMID 21835980 .
「transfer-messenger RNA」の例文・使い方・用例・文例
- (DNAのらせん構造)にある遺伝情報をRNA、特にメッセンジャーRNAのらせん構造に変換する
- タンパク質のアミノ酸配列を、メッセンジャーRNAの情報を使用することによるその合成の間に、見つけ出す
- RNAウイルスの大きな異種群で、ビリオンに基づき群に分けられる
- ラッサ熱を引き起こすRNAウイルス
- リンパ球性脈絡髄膜炎を引き起こすRNAウイルス
- ボリビア出血熱を引き起こすRNAウイルス
- 人間と人間以外の霊長類(猿とチンパンジー)の病気を引き起こす糸のようなRNAウイルスの科
- 1本鎖のRNAから成るウイルスの植物病原体
- 1ビリオンあたり2つの単一らせん構造の線状RNA分子と(RNAからDNAへの)逆転写酵素から成るウイルスのグループの総称
- インフルエンザやおたふくかぜの原因となるウイルスを含むRNAウイルス類
- 蛋白質の外殻を持つ1本鎖のRNAウイルス類
- 一本鎖のRNA
- タンパク質合成がmRNAの下で行われる場所である細胞質の小顆粒
- DNAとRNAを含み、成長と生殖の原因である細胞の1部分
- DNAとRNAおよび様々なタンパク質からなる細胞核の易染色性な物質
- 隣接した構造遺伝子によりメッセンジャーRNAの生産を活性化させる遺伝子
- フランスの生化学者で、遺伝子がどう活性であるかを説明して(フランソア・ヤコブと共に)、メッセンジャーRNAの存在を勧めた(1910年−1976年)
- 遺伝子において最初にメッセンジャーRNAに、その後たんぱく質にコードされる情報の変換
- 遺伝子の中のDNA配列がmRNAにコピーされる有機的な過程
- メッセンジャーRNAでコード化された遺伝情報が、特異タンパクの構成を細胞質のリボゾームに向ける過程
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