Signal_(メッセージングアプリ)とは? わかりやすく解説

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Signal (メッセージングアプリ)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/01 03:41 UTC 版)

Signal
Signal のロゴ
開発元
  • Signal Foundation
  • Signal Messenger LLC
  • Open Whisper Systems
初版 2014年7月29日
最新版
Android7.38.6[1]  / 2025年3月25日 (7日前)
iOS7.51[2]  / 2025年3月18日 (14日前)
Desktop7.48.0[3]  / 2025年3月26日 (6日前)
リポジトリ https://github.com/signalapp/Signal-Android, https://github.com/signalapp/Signal-Desktop, https://github.com/signalapp/Signal-iOS, https://github.com/signalapp/Signal-Server 
対応OS
対応言語 65言語[4]
サポート状況 開発中
種別 暗号化された音声通話、ビデオ通話、インスタントメッセージ
ライセンス
公式サイト signal.org/ja/
テンプレートを表示

Signal(シグナル)は、Signal Foundation[9]が開発しているオープンソースメッセンジャーソフトウェアである[10]。すべての通信内容がエンドツーエンドで暗号化されるため、非常に高いセキュリティレベルが確保される[11][12][13]。対応OSは、AndroidiOSWindowsmacOSLinux。主な機能は、文章・ファイルの送受信、音声通話、ビデオ通話など[14]。2022年4月時点で、SignalのAndroid版は1億回以上ダウンロードされている[15]。また、独裁国権威主義国)などの検閲国でもサービスを利用可能にする「プロキシ構築方法」がサポートから公開されている[16]

概要

Android、iOSなどのスマートフォン向けアプリケーションに電話番号を登録して利用する。Signal利用者同士の通信内容は、自動的にエンドツーエンド暗号化される。デスクトップ版ソフトウェアは、スマートフォンでQRコードを読み取ることでセットアップできる[17]

沿革

  • 2014年 - Signalの提供開始。
  • 2015年12月 - Signal Desktopリリース[18]
  • 2018年
    • 2月 - WhatsAppの共同創業者ブライアン・アクトンがSignalの開発支援に5000万ドルを出資[19]
    • 11月 - プライバシー保護機能「送信者の秘匿化(Sealed sender)」機能を追加[20][19]
  • 2020年
    • 6月 - 「顔をぼかす」機能を追加[21]
    • 10月 - グループの管理、メンション機能、グループリンク機能などを追加[22]
    • 12月 - グループ通話機能を追加(当時の最大通話人数は5人)[23]
  • 2021年
    • 1月 - 複数の国と地域でSignalがApp Storeのトップチャート1位に[24]。この少し前、Facebook傘下のメッセンジャーアプリ「WhatsApp」に大幅な利用規約変更の告知があった[25]
    • 1月 - グループ通話機能で8人までの通話が可能に[26]

安全性

Signalは、電子フロンティア財団が定める「最もセキュアなメッセンジャーリスト」で、7つの調査項目の全てをクリアしている[11]。また、アメリカ合衆国上院議員の公式な連絡ツールとして認められている[12]。インターネット監視プログラム「PRISM」を内部告発した内部告発者のエドワード・スノーデンも、セキュリティの高さを評価した。

また、Signalで採用されているエンドツーエンド暗号化は、運営者や管理者、途中で経由するすべてのサーバ所有者のいずれも、会話内容を盗聴することは出来ない仕組みになっている。

例えば、AがBに「こんにちは」というメッセージを送る場合、メッセージはAの端末上で暗号化され、Signalのサーバを経由してBに届き、Bの端末上で復号される。メッセージを閲覧できるのは、メッセージを送った本人であるAとメッセージを受け取ったBのみである。インターネット経由で配送された暗号化済みメッセージが何らかの方法で攻撃者に取得されたとしても、このメッセージを復号することはできない。

Signalプロトコル

Signalプロトコルは、Signalで使われているプロトコル群を指す総称である。Signalプロトコルの仕様は公開されており、様々な企業のサービスが自社のサービスの安全性向上のためにSignalプロトコルを導入している。

Signalプロトコルを導入しているサービスには以下が挙げられる。

機能

メッセージ

他のメッセンジャーと同様に、一対一およびグループでのテキストメッセージの送受信が行える。写真、動画、音声メッセージや、その他ファイルの送受信も可能。メッセージ等に対して、絵文字でリアクションをする機能もある。なお、1グループの人数は1,000人までである[34]

自分用メモ

自分自身にメッセージを送信する機能[35]。自己の他の端末にテキストメッセージやファイルを送信することができる。

消えるメッセージ

一定時間経つと自動的にメッセージを削除する機能。削除するまでの時間は、1秒から4週間の範囲で設定できる[36]

ステッカー

LINEのスタンプような機能。メッセージで、絵文字のように画像を送信できる。自作したステッカーは、デスクトップ版のSignalからアップロードできる[37]

通話

一対一およびグループで音声通話およびビデオ通話を行う機能。グループ通話には40人まで参加できる[38]

送信者の秘匿化

Signalは2018年、実験的機能として「送信者の秘匿化(Sealed sender)」を導入した[20]。これは、それまでは暗号化されていなかった、送信者に関する情報も暗号化することで、経由するサーバがアクセス可能な情報を減らす機能である[19]

決済機能

ユーザー間で、MobileCoinという仮想通貨を送金できる[39]

問題となった利用例

アメリカ合衆国政府のグループチャット情報漏洩

2025年3月のアメリカ合衆国政府のグループチャット情報漏洩により、副大統領J・D・ヴァンス、国務長官マルコ・ルビオ、国防長官ピート・ヘグセスを含むトランプ政権の政府高官たちが、Signalを利用してイエメンでの軍事攻撃計画の詳細を含む軍事機密情報について議論していたことが発覚した。チャットの存在は、手違いでチャットに追加されたThe Atlantic編集長のジェフリー・ゴールドバーグ英語版の記事によって明らかにされた。国家安全保障理事会のブライアン・ヒューズ(Brian Hughes)は、後にゴールドバーグの説明が事実であることを認めた[40][41][42][43][44]

一部の国家安全保障の専門家は、攻撃計画をSignal上に投稿する行為は、スパイ防止法連邦記録法英語版に違反している可能性が高いことを示唆している[45][46]。ゴールドバーグの情報漏洩に関する記事が公開された3月24日、情報漏洩についてリポーターから質問されたヘグセスは、「戦争計画をテキストで送った人物など誰もいない。それについて私が言えることはそれだけだ」と述べ、ゴールドバーグのことを「不誠実で信用できない人物」と評した[47]

闇バイトなどの犯罪グループ

近年[いつ?]多発する闇バイト特殊詐欺強盗などの犯罪行為では、同様の秘匿化アプリ「Telegram」とともに連絡用に使われる例が散見され[48]、正当な利用者の不利益に繋がる懸念がある。このため、SNS利用者のモラルメディア・リテラシーの向上と、捜査機関における捜査員の人材育成や捜査技術の向上が今後の課題となっている。

脚注

  1. ^ https://github.com/signalapp/Signal-Android/releases {{cite web}}: |title=は必須です。 (説明); Cite webテンプレートでは|access-date=引数が必須です。 (説明)
  2. ^ https://github.com/signalapp/Signal-iOS/releases {{cite web}}: |title=は必須です。 (説明); Cite webテンプレートでは|access-date=引数が必須です。 (説明)
  3. ^ https://github.com/signalapp/Signal-Desktop/releases {{cite web}}: |title=は必須です。 (説明); Cite webテンプレートでは|access-date=引数が必須です。 (説明)
  4. ^ Signal - プライベートメッセンジャー”. App Store. 2020年6月6日閲覧。 “言語:日本語、 アイルランド語、 アゼルバイジャン語、 アフリカーンス語、 アラビア語、 アルバニア語、 イタリア語、 インドネシア語、 ウクライナ語、 ウルドゥ語、 エストニア語、 オランダ語、 カザフ語、 カタロニア語、 カンナダ語、 カンボジア語、 ガリシア語、 ギリシャ語、 クロアチア語、 グジャラート語、 ショナ語、 ジャワ語、 スウェーデン語、 スペイン語、 スロバキア語、 スロベニア語、 スワヒリ語、 セルビア語、 タイ語、 タミール語、 チェコ語、 テルグ語、 デンマーク語、 トルコ語、 ドイツ語、 ノルウェー語 (ブークモール)、 ハウサ語、 ハンガリー語、 バスク語、 パンジャブ語、 ヒンディー語、 ビルマ語、 フィリピン語、 フィンランド語、 フランス語、 ブルガリア語、 ヘブライ、 ベトナム語、 ベンガル語、 ペルシア語、 ボスニア語、 ポルトガル語、 ポーランド、 マケドニア語、 マラッタ語、 マラヤーラム語、 マレー語、 ラトビア語、 リトアニア語、 ルーマニア語、 ロシア語、 簡体字中国語、 繁体字中国語、 英語、 韓国語”
  5. ^ Open Whisper Systems. “Signal-iOS”. GitHub. 2015年1月14日閲覧。
  6. ^ Open Whisper Systems. “Signal-Android”. GitHub. 2015年11月5日閲覧。
  7. ^ Open Whisper Systems. “Signal-Desktop”. GitHub. 2016年4月7日閲覧。
  8. ^ Open Whisper Systems. “Signal-Server”. GitHub. 2016年11月21日閲覧。
  9. ^ Signal >> Blog >> Signal Foundation”. 2020年3月31日閲覧。
  10. ^ Signal” (英語). GitHub. 2018年7月29日閲覧。
  11. ^ a b “Secure Messaging Scorecard” (英語). Electronic Frontier Foundation. (2014年11月3日). https://www.eff.org/node/82654 2018年7月29日閲覧。 
  12. ^ a b 最も安全なメッセンジャーアプリ「Signal」がアメリカ上院議員間の連絡ツールとして公式に認可される」『GIGAZINE』。2018年7月29日閲覧。
  13. ^ Inc., mediagene「ベストな暗号化機能つきメッセージングアプリはこれ」『』2016年6月30日。2018年11月28日閲覧。
  14. ^ Mannes, John「暗号化コミュニケーションのSignalにビデオ通話機能が加わる | TechCrunch Japan」『TechCrunch Japan』。2018年9月19日閲覧。
  15. ^ “Signal would 'walk' from UK if Online Safety Bill undermined encryption” (英語). BBC News. (2023年2月24日). https://www.bbc.com/news/technology-64584001 2023年3月6日閲覧。 
  16. ^ Signalが検閲国でもサービスを利用可能にする「プロキシ構築方法」を公開」『GIGAZINE』。2021年2月7日閲覧。
  17. ^ O'Flaherty, Kate. “How to use Signal: the brilliant WhatsApp alternative” (英語). Forbes. 2023年3月6日閲覧。
  18. ^ Signal Desktop”. signal.org. 2020年6月6日閲覧。
  19. ^ a b c “メッセージ送信者の身元を隠し、プライヴァシーを守る:「Signal」の新しい試み|WIRED.jp” (日本語). WIRED.jp. https://wired.jp/2018/11/26/signal-sealed-sender-messaging/ 2018年11月28日閲覧。 
  20. ^ a b Signal >> Blog >> Technology preview: Sealed sender for Signal” (英語). signal.org. 2018年11月28日閲覧。
  21. ^ Blur tools for Signal”. signal.org. 2020年6月6日閲覧。
  22. ^ Link Up with Group Links”. signal.org (2020年10月28日). 2021年1月12日閲覧。
  23. ^ Adding Encrypted Group Calls to Signal”. signal.org (2020年12月14日). 2021年1月12日閲覧。
  24. ^ Look at what you've done. 🇮🇳 https://t.co/0YuqyZXtgP” (2021年1月9日). 2021年1月12日閲覧。
  25. ^ 「Facebookとデータを共有するかアプリの使用を停止するか」の二択をWhatsAppユーザーは求められる”. GIGAZINE (2021年1月7日). 2021年1月12日閲覧。
  26. ^ We just raised the group call limit from 5 to 8, so now you can call it even.” (2021年1月12日). 2021年1月12日閲覧。
  27. ^ Signal >> Blog >> WhatsApp's Signal Protocol integration is now complete” (英語). signal.org. 2018年7月29日閲覧。
  28. ^ Lab, Kaspersky. “WhatsApp、安全なエンドツーエンド暗号化に切り替える”. blog.kaspersky.co.jp. 2018年7月29日閲覧。
  29. ^ WhatsApp Security” (英語). WhatsApp.com. 2018年7月29日閲覧。
  30. ^ Google is rolling out end-to-end encryption for RCS in Android Messages beta”. The Verge. Vox Media, Inc. (2020年11月19日). 2025年3月22日閲覧。
  31. ^ Signal >> Blog >> Facebook Messenger deploys Signal Protocol for end-to-end encryption” (英語). signal.org. 2018年7月29日閲覧。
  32. ^ Signal >> Blog >> Signal partners with Microsoft to bring end-to-end encryption to Skype” (英語). signal.org. 2018年7月29日閲覧。
  33. ^ Skypeがついにエンドツーエンドの暗号化に対応」『GIGAZINE』。2018年7月29日閲覧。
  34. ^ グループチャット – Signal サポート”. 2022年4月5日閲覧。
  35. ^ 自分用メモ”. Signalサポート. 2021年1月12日閲覧。
  36. ^ 消えるメッセージの設定と管理”. Signalサポート. 2022年4月5日閲覧。
  37. ^ ステッカー – Signal サポート”. 2022年4月5日閲覧。
  38. ^ グループ通話 - 音声通話とビデオ通話(画面共有) – Signal サポート”. 2022年4月5日閲覧。
  39. ^ アプリ内決済 – Signal サポート”. 2022年4月5日閲覧。
  40. ^ Martina, Michael「米高官、フーシ派攻撃計画を誤って記者と共有 アプリで」『Reuters』2025年3月25日。2025年3月25日閲覧。
  41. ^ 米政府高官ら、保護されていないチャットでイエメン攻撃計画を協議 ジャーナリストに誤って共有”. BBCニュース (2025年3月25日). 2025年3月25日閲覧。
  42. ^ Beaumont, Peter (2025年3月24日). “White House inadvertently texted top-secret Yemen war plans to journalist” (英語). The Guardian. ISSN 0261-3077. https://www.theguardian.com/us-news/2025/mar/24/journalist-trump-yemen-war-chat 2025年3月24日閲覧。 
  43. ^ Goldberg, Jeffrey (2025年3月24日). “The Trump Administration Accidentally Texted Me Its War Plans” (英語). The Atlantic. 2025年3月24日閲覧。
  44. ^ Farrow, Fritz. “Messages with Yemen war plans inadvertently shared with reporter appears 'authentic': Official” (英語). ABC News. 2025年3月24日閲覧。
  45. ^ Goldberg, Jeffrey (2025年3月24日). “The Trump Administration Accidentally Texted Me Its War Plans” (英語). The Atlantic. 2025年3月24日閲覧。
  46. ^ Lawler, Dave (2025年3月24日). “Top 4 takeaways from Trump Cabinet's explosive leak of Yemen war plans” (英語). Axios. 2025年3月24日閲覧。
  47. ^ Martina, Michael; Holland, Steve (2025年3月24日). “White House mistakenly shares Yemen war plans with a journalist at The Atlantic”. Reuters. https://www.reuters.com/world/us/top-trump-officials-mistakenly-divulged-military-plans-journalist-2025-03-24/ 2025年3月24日閲覧。 
  48. ^ 逮捕されるまで辞められない?闇バイトの勧誘方法の実態”. 東京都 特殊詐欺加害防止 特設サイト. 2022年4月5日閲覧。

関連項目

外部リンク




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